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第704話 悪魔の踊り方

次話を読んでいただきありがとうございます。

 ディオスの呼び掛けによって様々な時空の重要人物達がディオスの下へ集まる。


 アースガイヤに浮かぶ軌道エレベーター式コロニー、ミリオンの大会議ドームには、黄金創成民のアヌビスを始め、アルシュやレガリア宇宙のアダムカイン、といった宇宙王達が来ていた。

 万人も入るドームには、宇宙王達に連なる仕官達と関係者達で埋まっていた。

 それ程の事態なのだ。


 会議の議題は、完成されたロアデウスによる破壊活動だ。


 別の宇宙王、統神が

「我らの宇宙でも同じモノが見つかった。何とか対処したが…」


 ディオスが解析したデータと統神の宇宙で見つかったロアデウスのデータが一致する。


 ディオスの隣にいるメガデウス宇宙の名代である北斗が

「我々の方でも提供されたデータを解析して、ヘオスポロスに残っている技術データとの一致を検索した所…」

と、一致したデータが開示される。

「このロアデウスのコア部分、生体コネクターと高次元とのゲートに関する技術の一致が発見されました。その当時の技術では、相当な大きさのシステムですが…」


 北斗は右にいるディオスを見る。


 ディオスの左に北斗、右にアインデウスがいて、後ろの席に充人が座っている。

 

 会議ドームにいる全員の視線がディオスに集中する。


 ディオスは溜息を漏らして

「小型化した原因は、ネオデウスの技術、デウス型ナノマシンと…ヘオスポロスに露見したであろう。超越存在への覚醒する手段でしょう」

と、ディオスがデータを開示させる。

「今回のロアデウスのコアから高次元にアクセスされた領域は、恐らく…超越存在への覚醒を促す次元であると、調査で判明しています」


 会議ドームが沈黙に包まれる。


 別の宇宙王の女性輝姫羅が手を上げて

「これに関する対応方法は…」


 ディオスが

「次の資料を…」


 会議ドームと、この会議に秘匿通信回線で参加している全員へ

 ディオスが

「アースガイヤとシャンバラ、レガリア宇宙、アヌビス殿の宇宙の共同で作りました制圧端子ガングニールを使えば」

と、データには黄金で構築された幾何学模様が刻まれた槍、制圧端子ガングニールが映っていた。


 宇宙王のジェイダスが

「成る程…これさえ有れば、どうにか対処できると…」


 ディオスが頷き

「この制圧端子ガングニールは、ロアデウスに打ち込まれた瞬間にナノマシンとなって浸透して、無限に動力を生み出しているコアへ到達して、コアの高次元接続装置を停止しつつ、生体コネクターとされた人物の保護をします」


 宇宙王のナカロフが

「これをロアデウスが適応して対応する事は?」


 ディオスが

「現時点では、あり得ませんが…ですが」


 ディオスの後ろの席にいる充人が

「もし、ロアデウスをこのようにした連中の元へ渡れば、対応される可能性がある」


 アヌビスが

「つまり、これを提供して欲しいなら、誰にも渡さないように厳重管理するという条約に加盟しなければならないと…いう事だ」


 別の宇宙王ブロードレイが

「つまり、宇宙王同士で連合を組む必要性があるという事だな」


 会議ドーム全体が再び重い空気に包まれる。


 アヌビスが

「我ら宇宙王同士は、お互いに干渉しない、お互いに関わらない事を不文律としていた。唯一の例外は、収天螺王と天臨丞王の二人だけ…」


 北斗は

「収天螺王と天臨丞王の二人は、各時空に散らばったアムザクの遺産…超越存在の残骸を回収する協定があるから…手を組む事があったが…」


 宇宙王のアダムカインは

「我ら超越存在(ハイパーグレート)は次元、時空さえも越えていく強大な力を持つ故に、徒党を組まない事で、超越存在を持たない時空への脅威としてこなかったが…」


 女性の宇宙王ラズベリアが

「我々、超越存在、宇宙王がいる時空で、このロアデウスが発見されるようになった」


 ディオスの左、北斗の隣にいるアルシュの左にいる雷御が

「ここで、下らん言い合いをしても無意味、結論は決まっているのだろう」


 会議ドームと通信を繋ぐ者達がざわめく。

 雷御が強く

「全員は、どうしてこんな事になったか…それを理解できない程、バカではないだろう。なぁ…超越の帝(エンペラーグレート)のディオスよ」


 それを聞いたディオスは苦しむ顔で

「とにかく、こういう事になりました。各地区との折衷を行いますので、立法に関する案の提出をお願いします」


 アルシュが腕組みをして

「その躊躇っている間の無意味さを知るぞ、ディオス」


 会議が終わった後、ディオスは通路に出た瞬間、金属の壁に額を押し付けて

「クソ!」

と、叫び金属の壁をぶち抜いた。

 それは、ディオスの拳が抜けた後、直ぐにミリオンを満たしているナノマシンで修復された。


 その後ろにはアヌビスと、信長、充人、北斗、アルシュ、アダムカイン、そして惑星王国連合のラハルもいた。

 信長がディオスに近づき

「ディオス兄、話を聞くから、ここじゃあ」


 ディオスが鬼のような顔で

「あの野郎…アズサワァァァァァ!」


 ラハルが

「ディオスさんのセイじゃあない。それは…皆、分かっていますから…」

 それに全員が頷き。


 会議ドームのドアから出て来た雷御が

「それだけの元気があるなら、後の事を考える為に話し合うぞ。こうしている間もヘオスポロスは、アズサワは万の策略を仕掛けてくるからな」




 ロアデウスに対応する会議が終わって三日、各時空へ制圧端子ガングニールの分配が始まる。


 ディオスは、オルディナイト会長席で、その書類データにサインをしていた。

 近くにある来賓席にはゼリティアがいて

「夫殿…」


 ディオスがゼリティアに頭を下げ

「すまん。こんな事になって、私は…ゼリティアに申し訳ない」


 ゼリティアが席を立ち、ディオスの頭を叩き

「それでは、弟の信長を助けた事は間違いだったのか!」


 ディオスは顔を上げてゼリティアを見ると、ゼリティアは堂々して

「夫殿は何も悪い事なぞしていない。それを利用しようとする輩が悪いのだ。だから、堂々としていよ。子供達にその卑屈な姿を見せたいのか? 妾達の前では良いが、夫殿は真っ直ぐとした父親ぞ」


 ディオスは、励まされて嬉しく涙を零した後

「ありがとう。ああ…その通りだ。だから、堂々としてその計略を潰してやる」


 ゼリティアは微笑み

「それでこそ、我らの夫であり、子供達の父ぞ」


 そんな会話をしているディオス達のオルディナイト邸宅にとある一団が近づく。

 その先頭にいるのは

「ここよ」とアレイナ

「そうかい」と怪しく微笑むアズサワ

 そのアズサワの後ろには、エヴォリューション・インパクターのシグマやアルファ、ベータといった者達がいた。


 アズサワが軽々しくオルディナイト邸宅の門にあるインターフォンを鳴らす。

「どちら様でしょうか?」

と、侍女の声がインターフォンからして


 アズサワが簡単に

「ヘオスポロスから来ましたアズサワです」

 その言葉には精神汚染の力が籠もっていた。


 アズサワにコントロールされた侍女が

「少々お待ちください」


 門の奥にある邸宅から、執事のセバスが出て来て門の向こうにいるアズサワ達に近づき

「どうも…ヘオスポロス…ですか?」


 アズサワが怪しい笑みで

「ええ…聖帝ディオス様には、何度も何度もお世話になっている者達であります」


 邸宅のドアが荒く開かれて、そこには血相を変えたディオスが、武装したナトゥムラと護衛達を伴って現れて

「セバスさん! 逃げろーーーーー」


 オルディナイト邸宅の大門が破壊され、アルファがセバスを押さえて人質にする。


 ディオス達の殺気が最大になる。


 アズサワは楽しげにディオス達へ近づき

「どうも…悪魔の踊り方を教えに来ましたよ」


 ディオスは鬼のような形相で

「お前等…」


 アズサワが楽しげにディオスに

「さあ、真善美に背いた踊り方を教えてあげる。狂ってしまおうじゃないか…」



ヘオスポロスが仕掛ける策略、それに苦悩するディオス達、宇宙王の一団。

更なる悪魔の一手が迫る。


次回、BROKEN MIRROR

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