表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
704/1109

第703話 計略

次話を読んでいただきありがとうございます。

 それはとある宇宙域で見つかった。


 とある宇宙艦が漂流する宇宙船へ近づく。

 オペレーターの人工知性DIが

「どういう事でしょう? 生体反応がありませんが…」


 宇宙艦の操縦主が

「不法投棄された宇宙船か?」


 オペレーターのDIが

「その可能性が高いですね」


 操縦主が

「全く、何処かの惑星かコロニーに墜ちたりしたらどうするんだよ。回収する」


 オペレーターのDIが

「回収申請をしました。許可が下りました」


 操縦主が「よし、やるぞ」と宇宙艦のロボットアームを操縦するが…

「ん? 熱エネルギー増大反応?」


 オペレーターのDIが

「回避してください!」


 操縦主が作業を止めて、強制的に宇宙艦のスロットを引いた。

 

 急加速の回避をする宇宙艦だが、廃棄されたであろう宇宙船から金属の触手が伸びる。


 操縦主は、その伸びる金属の触手に憶えがあった。

「まさか! これは、ロアデウス!」


 宇宙艦はロアデウスからの触手から逃れられず、捕まる。

 オペレーターのDIが

「早く、緊急脱出装置を!」

と、通信を最後に操縦主を宇宙艦ごと呑み込みロアデウスが発動する。

 生体コネクターを得たロアデウスは、その活動を開始する。


 宇宙艦を補佐してたオペレーターのDIのメインフレーム内、電子情報領域内でDI達が驚愕し

「緊急事態! アースガイヤへ応援要請を!」


 その事件が発生した場所は、天の川銀河連合から数個離れた別の銀河連邦だった。



 アースガイヤで財団関係の書類サインをしていたディオスの下へ、その凶報が届いたのは半日後だった。


 ディオスは直ぐにセイントセイバー達と、ゼウスリオン部隊を連れて駆け付けたそこに、周辺の物質を取り込んで100キロサイズまで成長した金属のバケモノ大地、ロアデウスがあった。


 形状としては、歪なキメラのようなそれは、ディオスの部隊を察知して攻撃を開始する。

 金属の表面から触手のような光線と、触れれば取り込む金属触手を無数に伸ばす。


 それを魔導防壁で防ぎながら、ディオスを乗せたエルディオンが迫る。


 エルディオンから十の光、セイントセイバー達が飛び出て、100キロの金属キメラのロアデウスへ向かって魔導ナノマシン、デウス型ナノマシンで構築した探査針を打ち込む。


 ディオスは、そこから転送されるデータを見て驚愕する。

「なんだこれは…」

 取り込まれた操縦主を高次元から降臨するエネルギーの調整にして、膨大なエネルギーと物質を内部で生成して成長していた。

 元来のロアデウスに、こんな機能なんて存在しない。ロアデウスは取り込んだ物質をエネルギーや体組織にして動く。

 だが、このロアデウスは、無限に動くエネルギー源を持ちつつ、周囲の物質を取り込みながら進化しつつ、成長している。


 セイントセイバー達とゼウスリオン部隊が戦う。

 それにロアデウスが攻撃して、そのパターンや攻略を作っていく。

 押され始める部隊。


 ディオスは鋭い顔をして

「このロアデウスのコアを打ち抜いて取り込まれた操縦主を助け出す」


 エルディオンの前方に砲身のような巨大魔法陣が展開、その射線上をセイントセイバー達が掃除する。

 クリアになった射線上をディオスが構築した魔法攻撃が疾走する。

 七色の魔法光線は、ロアデウスのコアを打ち抜き、取り込まれた操縦主を救出しつつコアを破壊した。

 それによってロアデウスは停止した。



 ロアデウスの残骸は、回収されてヴィクターインダストリアルの解析コロニーへ運ばれる。


 ヴィクターインダストリアル社の千キロ級の巨大コロニー内でロアデウスは分解され、各素材の分析が始まる。

 それを担当しているのは、ヴィクターインダストリアル社のデウスギア部門を任されているライアーとキャロルだ。


 ライアーが素材の分析データを見ながら

「何て事だ…」

と、驚愕している。


 隣にキャロルが来て

「ライアー、コイツは…」


 ライアーは解析される巨大な破片を見て

「より、完成された…という事か…」


 そのデータは、直ぐにディオスに送られて、ディオスは会長席でそれを見て頭を抱えて苦悩していた。

「クソ…なんて事だ…」


 会長席の前にある客用ソファーにメルディオルが座っていて

「ディオス…これは…」


 ディオスの隣に立つ秘書のオルストルが

「ディオス様…これは…世界王族会議や各地区の財団関係と…」


 ディオスが解析されたデータの端末を置いて

「これが…アースガイヤや他の宇宙域、いや…別時空で…」


 客席にいるメルディオルが

「ディオスの会長就任を祝ってやる時間が無くなったのは…残念だ」

と、席を立つ。


 ディオスがメルディオルに

「メルディオルさん。天の川銀河連合と他の銀河連合、連邦、惑星王国連合と…」


 メルディオルは頷き

「分かっている。参加できない場合は、秘匿通信回線での参加も呼びかけるよ」

と、部屋を去って行った。


 ディオスが天井を見上げて苦しそうな顔で

「オルストルさん。私が会長になったのは、ゼリティアの手助けと、後々にゼリティアがオルディナイト会長になるまでの穴埋め程度のつもりでした。ですが…」


 オルストルが

「オルディナイト一門は、誰もディオス様を穴埋めの仮初めと思っていません。どうぞ、そのお力を存分に示してください。ディオス様の聖帝道の足しにオルディナイトをお使いください」


 ディオスが正面を向いて鋭い顔で

「みんなの力を借りるんだ。必ず…何とかさせる」






 ヘオスポロスのエグゼクティブ達が一堂に会する空間で

「どうだ? 例の地雷は?」

とエグゼクティブの一人が告げる。


 エグゼクティブの一人が

「上手くいった。聖帝の方にも相当なショックを与える事ができた」


 エグゼクティブの一人が

「さすが、アズサワの計画だな」


 エグゼクティブの一人が

「今後とも、我らを必要とする時空は増えるだろう」


 エグゼクティブ887が

「全ては、我らの進化の為に」


 他のエグゼクティブ達も

「我らの進化の為に」

と、声を揃えて告げた。



 アズサワは自室で、ワインを嗜みながらソファーに寝そべっていた。

 そこへ、アレイナが来る。

「アズサワ、アースガイヤ時空が…例の地雷トラップを対処したわ」


 アズサワがフッと笑み

「上々、益々、我らの仕事が増えるという事だ」

と、告げると脇にあるテーブルに置かれた通信端末がコールされてアズサワが手にする。

「ああ…どうも、ええ…はい、はい、我々は必要とする相手を裏切る事はありませんので…」

と、悪魔の笑みをして答えていた。

  

ヘオスポロスの計略が動く。

ディオスは、それを仲間達と対処する為に


次回、悪魔の踊り方

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ