表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
701/1110

第700話 祝い卒業

次話を読んでいただきありがとうございます。

「兄貴、オレ…ユイのそばにいた」

 信長が勇気を持って告げた。


 信長とユイがエルディオンで保護された後の話だ。


 それをディオス達は聞いて、セイントセイバー達はディオスを見詰める。


 ディオスは頷き

「分かったよ。だが、ムリはするなよ。何かあったら…何時でも頼れよ」


 信長は頷き

「ああ…だから、オレも兄貴がピンチになったら助ける」


 再誕したマリオン時空は、新たなルーナ時空となった。

 祐治達がいるセレーメ時空の姉妹時空として…。


 ルーナ時空へ、セレーメ時空から多くの人々が来る。

 新たに生まれ変わった故郷で過ごすために。


 信長はユイと共に双極の超越存在となり、この二つの時空の宇宙王として暮らす事になる。

 今までに類を見ない双極時空の双極超越存在。

 二つの時空が共に協調し合うルーナとセレーメは、他の宇宙王達から一目を置かれるようになった。



 そして、ディオスはアースガイヤでのディオスの屋敷で、信長とユイの婚姻式をする。


 信長のタキシードの支度は、ディオス達男性陣が手伝う。

「兄貴、これくらい」


 ディオスが信長のネクタイを締めながら

「良いんだよ。それよりも兄貴じゃあないだろう」


 信長は微笑み

「ああ…ディオス兄…」


 ディオスは信長のネクタイを締めて

「ああ…出来たぞ」


 ユイの方は、ディオスの奥方達がやっている。

「こんな感じかなぁ…」

と、クレティアが隣のクリシュナが

「そうね…」

 同じく隣のゼリティアが

「採寸も測った通りじゃな」

と、同じく隣にソフィアが

「これなら、どこへ出しても恥ずかしくないわ」


 本来のオレンジ色に近い髪のユイは、純白の花嫁衣装に身を包み

「皆さん。ありがとうございます。本当に…」

と、嬉しさで涙がこみ上げる。


 クレティアが微笑みながら

「良いのよ。ダーリンの弟の嫁さんの結婚式なんだから…これくらいはさせてよ」


 クリシュナが

「信長くんは、遠慮がちだったから。これくらいは甘えて良いのよ。気にしないで」


 ディオスの屋敷で信長とユイの結婚式が始まる。


 来賓は、セレーメ時空から祐治達が来ている。

 かつて、故郷を離れた者達が信長とユイの式に来てくれていた。

 そして、彼女達四人、マイ、サラ、サナ、エヴァも。

 遠巻きに北斗と充人がいる。

 無論、式の手伝いにセイントセイバー達も。


 身内だけの式をディオスの屋敷で行う。


 式の最中、ディオスが信長とユイが並んで座るテーブルに来て

「二人ともおめでとう」


 信長が

「ディオス兄、本当にありがとう。オレ…ディオス兄がいなかったら…」


 ディオスは微笑み

「いいさ。私とお前は兄弟だろう。だから…弟のお前に手向けを渡したい」


 信長は微笑み

「ディオス兄…」


 ディオスが右手を空に向けると、その遙か上空、遙か宇宙に…超大型惑星級艦二号機アライアスが現れた。

 

 ディオスが親指を立てて笑み

「がんばって作ったから、役立ててくれ」

と、その後ろには、養子にした子供達、フェル、リティア、アイカ、アル、ルーの娘達と、ダンロ、ティダ、シャルの息子達がいる。

 フェルが苦笑気味に

「私達も作るのに協力したから…」


 信長は苦笑いをする。

 どうやら、ディオスが子供達の技術育成に信長のプレゼントを使ったらしい。

 子供達の後ろからレガリア宇宙の王アダムカインが来て

「いや…作業を…どう誤魔化すか、苦労しましたよ」


 信長が苦笑いで

「ディオス兄、嬉しいんだけど…ルーナ時空は、兄貴…いや、ディオス兄の開発したモノの置き場じゃあないからな」


 ディオスの顔が少し真剣になり

「少しくらい、良いだろう」


 まだ、生命が少ないルーナ時空を超絶魔導兵器の置き場や試験場として使いたい魂胆がディオスにあった。


「ダーリン」とディオスの後ろで威圧の声がする。


 ディオスは、ハッとして振り向くと怒り顔のクレティア、クリシュナ、ゼリティア、ソフィアの妻達がいた。

 ディオスは項垂れて、その魂胆を諦めた。

「まあ、とにかく、信長…何か問題があったら相談に乗るから、気軽にアースガイヤへ来いよ」


 信長は頬を書いて

「オレもユイと一緒にルーナ時空を統治するから、兄貴達のような宇宙王の連合の中で若輩者の宇宙王だから、色々と知恵を借りるつもりだよ」


 そこへ、黄金創成民のアヌビス達も来て

「遅れてすまん。今日は本当にめでたい日だな」


 信長が席を立ち

「アヌビス様、ようこそ、今後とも…若輩者ですが…よろしくお願いします」


 アヌビスは微笑み

「気張らなくて良い。時間は掛かるだろうが…お互いに気長にやって行こうぞ。ルーナの双極宇宙王殿」


 ユイも席を立ち「ありがとうございます」と信長と共に頭を下げた。


 こうして、信長とユイの結婚式は終わり、信長はユイと共に旅立った。

 ディオスと、ディオスの子供達に何時でも遊びに来てくれて良いという約束と共に。



 そして、もう一つの別れがあった。


 信長の結婚式の一週間後、カイドが祖国ルクセリアへ戻る日だ。

 ディオスの屋敷の玄関でカイドが頭を下げる。

「本当に、色々とお世話になりました」


 カイドの後ろには、妹ユリアに、カイドの許嫁の娘ラノア、ライドル達がいた。


 ディオスが微笑みながら

「カイド、君のお陰で色々と助けられた。私のワガママで…君の帰国を伸ばしていた事を許して欲しい」


 カイドが涙ぐみ

「いえ、そんな…それは自分の方です。自分が…ここが居心地と自分の成長を実感できる場所で…友も沢山できて…本当に」


 ディオスの後ろにいる子供達がカイドへ

「カイド兄ちゃん、そっちへ遊びに行くから…」

と、リリーシャが微笑むと、他の兄弟姉妹達も微笑む。


 カイドが頷いて微笑み

「ああ…何時でも来なさい」


 シュリオが

「まあ、十分くらいで行けるから…信長お兄ちゃんみたいな遠くであるとは感じないけど」


 それをライドル達とディオスは苦笑いで聞く。

 内心で、国境を越えるんだけどなぁ…。


 機神や超絶魔法で飛んでいけるディオスの子供達には、アースガイヤという惑星規模は、町内レベルらしい。

 因みにセイントセイバー達も似たような感じだ。


 こうして、カイドともお別れを済まし、ディオスは…不意に

「二人…いなくなったんだよなぁ」

と、寂しさを噛みしめるも、喜びを感じる。

 こうして、幸せになって旅立って行く仲間達、それは…何時かの子供達も…。


 なんとなくディオスは、そばにいたティリオの頭を撫でる。

 ティリオは十一歳になり、身長は百七十と大きい。まだまだ育ち盛りだ。

「ティリオ、急いで大人になんて成らなくていいぞ」


 ティリオは「んん…」と歯切れが悪い。


 その反応にディオスは

「どうした? 何かあったのか?」


 ティリオは首を横に振り

「本当に何でも無いから…」

 

 どこかへ行くティリオの背に、ディオスは少し不安を感じて

「何か…あるのか?」

 後で妻達と相談しようと決めた。



 ティリオは一人、屋敷のヤヌスゲートからゼリティアの邸宅へ向かい、そして…ヴォルドル屋敷へ来た。

 ティリオがヴォルドル屋敷へ来て、中に入るとジュリア、ナリル、アリルの三人が迎えに来てくれた。

「ティリオ」

と、優しげに迎えてくれるティリオの許嫁達。


 ティリオが

「来たよ。行こう…」

と、三人と手を取り合ってレディアンの屋敷へ。

 その最中で思う事は、信長とユイの結婚式の事だ。

 ティリオは彼女達を見て、自分も何時か…と。



旅立つ者達を見送るディオス。

そして、次に旅立ちを迎えるのは…


次回、退位式

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ