第69話 マリウスの反乱
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あらすじです。
ディオスは誘拐された。南アンメリカの地域を任される少将マリウスの説得を聞く。革命と説くマリウスの言葉にディオスは…
ディオスが誘拐された一報は直ぐに、バルストランに伝えられ、それを聞いたゼリティアは直ぐに、クレティアとクリシュナのいるグレンテル屋敷へ来る。
クレティアとクリシュナは直ぐに、ディオスの位置を右手にある呪印で探すと、その方向は、西、アリストス共和帝国の方を示していた。
「すぐに、ダーリンを助けに行ってくる!」
と、クレティアとクリシュナは、武器を取り出したが…
「待て!」とゼリティアが静止させる。
「どうして?」とクリシュナ。
「落ち着け、クレティア、クリシュナ。夫なら大丈夫じゃろう。そうだな…?」
クレティアとクリシュナは顔を見合わせて、己の身に送られるディオスの魔力の雰囲気を感じ
「まあ…特に、異常はないけど…」
と、クレティアが告げる。
ゼリティアが
「ここは、様子見じゃ。なぜ、相手がディオスを攫ったのか、知る必要があるぞ」
その説得に、クレティアとクリシュナは渋々従う。
本当は直ぐにでも行きたかった。
ディオスはマリウスの飛空艇で、マリウスから己の目的を説明される。
ディオス座るソファーの右前のソファーに座るマリウスは
「我が祖国、アリストス共和帝国は矛盾に満ちている」
「はぁ…」と何となく相づちを打つディオス。
「アリストス政府の管轄の内政軍と、アインデウス皇帝直属のドラゴニックフォース軍。この二重状態によって、アリストス内の軍のバランスは混迷し、様々な問題を発生させている。それによってアンメリカの南と北では、大きな格差が生じている。北は工業が中心の豊かな地方で、南は農業が中心の比較的貧しい地方だ。北ばかりに甘い汁が吸われて、南にばかり、苦しい負債を押しつける。こんな現状は看過できない」
「はぁ…はぁ…」
と、ディオスは話させて聞き流す。
マリウスは
「我々は、北の横暴から、真の価値ある平等を勝ち取る為に、立ち上がるつもりだ。それにディオス殿の協力が是非、必要なのだ…」
その話に、部屋にいる青年の兵士達は大きく頷いていた。
どうやら、青年の兵士は、南アンメリカの出身のようだ。
ディオスは眉間を押さえた次に
「立ち上がるつもりと…いう事は…。協力者がいるのか?」
マリウスはニヤリと笑み
「南の各地にいる貴族の青年達だ。素晴らしい力だ」
マリウスの左に座るキャロルは、笑みながら沈黙している。
「フゥ…」とディオスは鼻から溜息を漏らして
「要するにだ。アリストスの南北で不平等があると…。それを解消したいと…」
マリウスは右手を掲げ
「解消ではない。これは新たなる革命だ」
それを聞いてディオスは更に頭が痛くなって眉間を押さえて俯く。
ああ…バカガキだ…。二十歳を超えて青年だけど…中身がないバカガキだ。
ディオスは、マリウスの顔を見る。
微笑んではいるが、目元が獲物を狙うように輝いている。
これはチョッと揺さぶってみるか…。
ディオスはマリウスを見つめ
「分かった。アンタ達の言いたい事はよーく分かった」
「では、協力してくれるかね…」
マリウスは、獲物を狙うハンターのような笑みを向ける。
「正直に言うよ。とっとオレを、元いた場所に戻してオネンネしな!」
マリウスの眉間が動く。
ディオスは続けて煽る。
「何が、新なる革命だ…。ふざけんな! そんなに国内で不都合が生じているなら、話し合え、クソガキが。平等? 貧富の差? ああ…そう、それを解消したいなら、余計にその北の方と、内政軍に皇帝の軍隊を説得してやれ。それが出来ないから…オレを巻き込んだ。そうだろう」
「いいや、協力を要請する為だ」とマリウスは答える。
ディオスは右手を挙げる。その手首に填まっている装置を掲げ
「こんな装置で、魔法を使えないようにして捕まえて、本人の意思なんて関係無しの誘拐をされて飛空艇に乗せられている時点で、協力? お前、バカだろう」
フッとマリウスは笑み
「よくもそんなに、大きく出られるなぁ…。その装置で魔力を封印されているのに…。私の一声で貴殿の命は…」
ディオスは余裕の皮肉った笑みで
「これ」と魔力をセーブしている装置を掲げ
「オレの魔力をエネルギー源にして、オレの中に波長の違う魔力を送り込んで魔力を使えなくするリミッターだろう。そんな理論がアリストスにあるって見た事があったからなぁ…」
「ほぅ…では、貴殿は、それがある限り何も出来ないと…分かっている筈だ」
ディオスは呆れた笑みを見せ
「お前…オレの得意分野、何だか知っているか? 体内生成魔法だぞ。つまりだ」
ディオスは体内で魔法の効果を練って発動させる。
その効果とは、全身に超振動の空間の膜を纏うエンテマイトだ。
バキンと、右腕にあったリミッターはエンテマイトの超震動で爆発、破壊された。
「こういう事だ。バカたれが…」
解放された右腕を振りながらディオスは
「おい、マリウスとやら、正直に言ってやるわ。
お前等のようにガキの戯言に付き合う大人なんていないんだよ。
なんで、付き合ってくれないか分かるか?
簡単だよ。お前等の革命とか決起とかってやり方をしても、人間は変わらないって事だよ。
人間の本質を理解していないで、クソな夢見がちなバカな事を、幼稚な方法で叶えるしか能がない。クソガキだって、分かっているからだ。
じゃあ、お前の革命をやったとする。その後には何が残る?
何にも残らないだろう。どうしてか分かるか?
バカの青年が集まって何をしても、バカに終わるだけだ。
余計に周りを不幸にして終わる。それだけだ」
マリウスはディオスを鋭く見つめて
「ご高説、終わったかね。そんな説教をしても我々は変わるつもりはない」
「あ、そう…じゃあ、帰らせて貰うぞ」
「ここは海の上だぞ。どうするのかね?」
「そんなの、この飛空艇を破壊して、飛んで帰るよ。お前等こそ、海水で頭を冷やせば」
「はぁ…」とキャロルは立ち上がって
「マリウス、コイツはこういう男だ。無駄な事をしたな」
「ああ…」とディオスはエニグマであるキャロルを睨む。
キャロルはフッと威圧的な笑みをして
「帰るなら帰るがいいさ。お前の屋敷が残っているならな…」
ディオスはそれを聞いて目が鋭くなる。
「テメェ…」
キャロルは、フフ…と笑みながら
「お前が前に関係した。ロマリアの秘密部隊が実験をしていた超長高度疑似質量投擲兵器の事は分かるなぁ…」
ギリッとディオスは肘掛けを壊さんばかりに握る。
「まさか…その兵器は…」
キャロルは頭を傾げてディオスを見下し
「あれが、一機だけと思ったか? アレを製造したのは、我らだ」
キャロルは、ディオスの背後に回って、ディオスの両肩に手を置いて
「想像して見ろ…。空から魔導レーダーでも捉えられない疑似魔導質量が落ちてくる。その威力は、隕石を落とせる魔法が使えるお前なら分かるはずだ」
ディオスは冷静に考える。
これは…虚仮威しか? それとも…本物の脅しか?
調べる手段がない。
そう、悩んでいる隙に、キャロルが両手でディオスの首を絞める。
「う…」とディオスが唸った次に、ガチンとディオスの首に首輪の装置が填められた。
キャロルは、ディオスから離れ
「その首輪は、お前が魔法を使おうとした時や、マリウスから半径100メータ以上、離れた場合に…」
キャロルは、居室にある天使の像に同じ首輪の装置を填めて、その装置のスイッチを右手に握って押す。
天使の像の首にある装置から閃光を光線が噴出して、天使の首を切断した。
「これは、特別な方法で首を飛ばす首輪だ。魔法で防御したとしても、その防壁を突き破って必ず、その首を飛ばす」
マリウスが両手を組んで
「こんな方法で従わせるのは不本意なんだ。だが、貴方がそんな態度を取るなら、こうしなければならない。残念な事に…」
チィとディオスは舌打ちして
「早く仕事を終わらせて屋敷に帰る積もりだったのに…。子供だって産まれたばかりで、手が掛かるし、色んな仕事だって溜まっているのによ…」
マリウスが
「この事が終わったら、無事に返すと約束する」
ディオスは俯き暫し考えた次に…
「妻達に連絡を入れたい。心配しているだろうし…」
マリウスが微笑み
「いいだろう。ただし、最初に通信に出るのは私だ」
ディオスが関係ない所に連絡して、色々とされるのを防ぐ為だ。
バルストランのディオスの屋敷の魔導通信機が鳴る。
それにレベッカが出て
「はい。え…はい、はい…」
レベッカは、クレティアとクリシュナにゼリティアがいる二階の居室に魔導通信機を持って来る。
「奥様…旦那様を連れているという方から、連絡です」
クレティアとクリシュナにゼリティアは顔を見合わせる。
「分かった」とゼリティアは告げレベッカから受け取ると、多数会話モードにして、テーブルに置いた。
「ダーリン」とクレティアが呼び掛ける。
「待ってくれ。今、変わる」とマリウスの声の後
「ああ…クレティアか…」とディオスになった。
「アナタ…大丈夫?」
と、クリシュナが
「まあ、今は五体満足だ。首にはギロチンの断頭台が填まっているけどな」
「ディオス…」とゼリティアが呼ぶ。
「ゼリティアがいるのか…。お腹の子供はどうだ?」
「大丈夫じゃ」
「そうか…。なぁ…もし産まれた後、落ち着いたら家族みんなで旅行に行かないか? ウルシュ湖の神秘的な風景を見に、こんなムサイ、ジャルダルの革命の乙女みないな連中と」
唐突に、通信が終わり
「すまない。ともかく、貴女方の夫は無事です。では…」
と、マリウスが出て切れた。
ゼリティアは、ディオスからの言葉を分析する。
ウルシュ湖。南アンメリカ大陸にある幻想的な鏡のような湖だ。
つまり、南アンメリカに向かっている。
ジャルダルの革命の乙女。確か…三百年前にラフランス共和王国で王族と貴族との間にあった戦争。国内の不平等を破壊して革命しようとした貴族の青年達による決起の事態。
つまり、南アンメリカで、貴族を中心とした決起に巻き込まれたという事だ。
ゼリティアはニヤリと笑み
「全く、タダでは転ばんのぉ…夫殿は…」
マリウスの飛空艇内で、妻達と通信をしていたディオスの通信機を取り上げていた。
僅かな隙に、自分達の情報を流したこの男に、マリウスは警戒の視線を向ける。
それにディオスはフッと不敵な笑みを浮かべていた。
「しばらくは、ここで過ごして貰うぞ…」
マリウスは、ディオスを居室とベッドがある部屋に軟禁する。
もちろん、何かしないかと…部下の監視を付けて
ディオスは軟禁される居室のソファーで深く腰を沈ませ、天井を見上げた次に、監視をする部下に
「なぁ…ここでも食事はどうなんだ?」
部下は
「用意出来る物なら…」
「ほんじゃあ…一杯でもやるか?」
と、ディオスは部下の青年に呼び掛ける。
「しかし…」と部下の青年は難色を示すと
「もう一人、付き合わない仲間を付けて、オレと付き合え。なぁ…に、責任はそう言ったオレに押しつければいい。それに…お前の付き合い方一つで、オレの気持ちが変わるかもしれないぞ」
それを聞いた部下の青年は「まあ…それなら…」とディオスに付き合う事にした。
こうして、飲まない堅い監視を付けて、部下の青年とディオスは軽く食事しながら、言葉を交わした。
青年が身分を詳しく語らないのは仕方ないが…、なぜ、マリウスについて行く事にしたか…という話を色々と聞いた。
マリウスは、マギリアス大公の家の遠縁の血筋で、養子として本家たるマギリアス家に来たらしい。年少の時分から優秀で、貴族の嫡子や子弟が通う学校では注目の的だったらしい。それに…妙な魅力が、カリスマというヤツで人を引きつけたらしい。
「ふ…ん」とディオスは頷く。
確かに、魅力は感じる。まるで、鋭く人の印象に残るような深さがある。
マリウスの容姿もそんなに悪くない。
だが…自分が感じたのは、まるで獲物を狙うハンター…そう、闇に紛れて狩りをするブラック・パンサーのような美しさを感じた。それは、何処かに深い闇の気持ちがあるからだろう。
南アンメリカ大陸の到着は、明日の昼なので、飛空艇の中で、一晩を過ごすディオス。
それは、マリウスも同じだった。
マリウスは、あの悪夢に襲われていた。
自分に纏わり付き、全てを持って行こうとする彼女。
自分は為す術もなく、彼女に蹂躙される。そして…彼女がマリウスの全てと混ざろうとした瞬間、マリウスは目が覚める。
暗闇のベッドで裸の上半身を起こして、額を抱えるマリウス。
その隣には、同じ裸のキャロルがいた。
起きたマリウスにキャロルが
「また、あの悪夢を見たのか?」
「ああ…」とマリウスが頷く。
キャロルがマリウスをその小さな体で抱え込み。
「大丈夫だ。もうすぐ…その悪夢から解放される。その日は近い」
マリウスは、自分の半分くらいしかないキャロルに抱き付き
「ああ…そうだな…」
その身をキャロルに任せるのであった。
別の部屋で同じく寝ているディオスは、その動きを監視する為に、傍に監視の部下が待機している。
眠り難いなぁ…とディオスは、思っていると、唐突に、監視の為に傍にイスを置いて座る監視役が、イスから倒れた。
「んん…」とディオスはベッドから起き上がり、倒れた監視役に近付く。
監視役の脈を取る。ある…。気絶させられただけ?
その後ろに人影が立つ
「こっちを向かないでね」
ディオスの背に呼び掛ける女の声、アルディルだ。
ディオスは背を向けたまま
「お早い、ご到着で…。で、オレをどうするんだ? 連れ出してくれるのか…」
「それはしないわ。寧ろ、キサマに頼みたい事があるわ」
「なんだよ…それ…」
「アインデウス皇帝陛下より、伝言…。グレンテル殿…今回の事件に関して協力して欲しい。汝は彼らの反乱に際して重要なファクターである。最後まで彼らに同行して、その企みを壊して欲しい…だって」
「はぁ…」とディオスは嘆息して
「何が行われるのか、分からないのに、何とかしろとは…ふざけているぞ」
「反乱者達が、やる事は分かっているわ。彼らは、南アンメリカ大陸にあるエルギア霊廟に向かって、キサマを使って、エルギア霊廟の奥にある。エルギアを起動させて、南アンメリカ大陸を制圧、独立させるのが目的よ」
「ああ? エルギアの起動。なんだ…エルギアって?」
「エルギア…。千年前にアリストスでは、大きな戦争があった。その当時は、アンメリカ大陸はアリストス共和帝国として一つではなく。五つに分かれていたわ。アインデウス皇帝が治める一番古い国が、アンメリカ大陸の統一に乗り出した。北アンメリが大陸を制覇したアインデウス皇帝の部隊は、南まで進攻しようとしたけど、統一したばかりの北は不安定だったのでアインデウス皇帝の部隊は動けなかった。そこで、当時のアインデウス皇帝は、二十メータ前後の人型超魔導兵器を作って、南を制覇したわ。それの兵器の名称がエルギア」
「ゴーレムみたいなモノか?」
「ゴーレムとは違うわ。装甲以外の全ての構築素材を賢者の石で作られた。完全自立型魔導戦略兵器。まあ、指揮をする者が必要だから、一応は操縦者が乗る席があるけどね」
「ゴーレムとは似て非なる兵器か…」
「そう、役目を終えたエルギアは、エルギア霊廟に仕舞われ、月日が過ぎた。でも…今回の事で目覚めさせようとしている。そのエルギアを動かすには莫大な魔力が必要なの。その魔力を発生させる為にキサマが必要なの」
「まあ、確かにオレは無限に魔力を発生できるから、打って付けだけどよ。協力する気はないぞ」
「キサマの魔力を貰う訳じゃあない。キサマに魔力を送って、キサマの中にある渦で魔力を加速させて増幅、それをエルギアに送って起動させる手筈みたいよ。アンタはその装置の上に座っていれば十分みたい」
「成る程…大体は分かった。で、最後まで同行して企みを壊せってどうすればいい?」
「その通りよ。エルギアを起動させて、エルギアを破壊するのよ」
チィ…とディオスは舌打ちして
「そんな面倒クサい事なんて、お前等がやればいいだろうが…」
「そうしたいけど、なかなか、自国の民に刃を向けるなんて出来ないのよ。これはガス抜きみたいな事でもあるの。確かに世の中には不満はあるわ。それを全て解消出来る程…私達も優れてはいないわ。それは認める。完璧な世界なんて不可能だから」
ディオスは頭を掻いて
「その不満の捌け口にこれを使うってか…」
「ええ…そうよ。その爆発が、私達…アインデウス皇帝陛下の従僕達で処理しては後々、遺恨が残る。キサマは、他国でしかも誘拐されて迷惑を掛けられた側、キサマがそう行動しても問題はないわ。十分に納得する大義になるから」
「はいはい、じゃあ、それに組みした連中を根こそぎ潰せばいいんだな…」
「いいえ、エルギアだけを破壊して。それも起動したエルギアをね」
「オレにそんな超兵器の相手をさせて勝てるのか?」
「問題ないわ。遙かにヴァシロウスより簡単だから」
アルディルは、縦に大鎌を振るう。
ディオスの首にあるギロチン装置の後頭部部分に大鎌が触れて貫き通過、傷はついてないように見えるが…
「これで、キサマを殺そうとする。その首輪の装置の力は発動しない。どう壊しても何も起こらないし、大丈夫よ。それと…キサマの奥方達や、赤ん坊、仲間達の安全は私達が保障する。バルストランの上空の宇宙にあった投擲兵器は、全部…壊したから。安心して暴れてね」
「最終確認だ。エルギアだけの破壊なんだな…」
「ええ…お願い。じゃあねぇ…」
アルディルは大鎌で円に空間を切って瞬間移動した。
ディオスは「はぁ…」と溜息漏らして頭を掻き
「面倒クセ…」
と、呟き気絶した兵士を起こす。
「おい、監視役が寝ちまったら、ダメだろうが…」
監視役の兵士は、起きて驚きの顔を見せた。
アルディルは、天空まで届く、世界樹型の皇帝城へ戻って来た。
その転移した場所は、アインデウスの皇帝の玉座だった。
皇帝の玉座に座るアインデウスの前にアルディルが瞬間移動して帰って来る。
「アインデウス様。仰せのままに、して参りました」
「うむ…で、ディオス・グレンテルは?」
「了承しました…」
「そうか…分かった。後は、各関係者に通達をしろ」
「は…」とアルディルはお辞儀をして、何処かへ行く。
王座でアインデウスは、額を抱え
「全く、幾つ…黒の歴史の事実を作れば済むのか…」
そう、このような、国家の裏にある黒い歴史は多数存在している。
それが、長ければ長いほど…多くの闇の黒い歴史を秘めている。
その多さに、更にこれから加わるであろう。この反乱の歴史にアインデウスは頭を痛める。
「さしずめ…マリウスの反乱と言った所か…」
と、新たな黒歴史の名前を告げた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次話があります。よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。




