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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
大英雄協奏曲

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第64話 ゼリティアとディオス その二

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


ディオスを巡る争奪戦が激しさを迎える。

フランドイル王国の、ソーディウス大公

レギレル連合王国の、ヴィクトール

その争いにディオスは…

 それはそれは…は穏やかな晴れだった。

 何時ものように午前中は妻達の筋トレメニューに励むディオス。

 終わった後の褒美の、妻達の大きなお腹を触るを終えて昼

 午後は、新型となって一気に六つも高純度魔導石を生成出来る魔導石生成装置で、魔導石を八つ生産。

 その後、エルダー級魔導士達の研究の手伝いとして、研究している魔法の魔法陣を補足する魔法陣の設計と研究。

 何時もの日々にディオスは、ルンルンと楽しく過ごしていた。


 そんな日に…とんでもない衝撃が襲ってきた。


 エルダー級魔導士達の、魔導データを見ながら、広間のテーブルでソファーに座りながら、考案する魔法に必要な補足の魔法の設計図を書いていると…。

 ピンポーンと玄関のインターフォンがなった。

「んん?」

と、ディオスは手を止めて屋敷を守る鎧ドラゴン型の装置、ファニファールを見ると、ファニファールの胸部から、立体画面が飛び出て玄関の前に待っている人を映す。

 それは、三人組だった。

 紳士の男性と、両脇に警護のスーツを着た二人が挟んでいる。

「誰だ?」と、思いつつディオスは玄関に向かう時に


「ああ…旦那様」とレベッカが階段から降りてきて

「わたくしがでます」


「ああ…いいよ」

と、ディオスが玄関を開ける。


「どうも…初めまして」

 紳士の中年の男性が挨拶をする。


「ああ…はい、こんにちは…」

と、ディオスは挨拶をして


「どちら様でしょうか?」

 尋ねると…紳士の男性は


「わたくしは…フランドイル王国から参りました。ヴィシャード・ラダン・ソーディウスという者です。両脇にいるのはわたくしの護衛兼執事達でございます」


「ああ…はい」

 それでディオスは、この人物が貴族だと察した。


「わたくし、フランドイルの王都周囲を領地に持つ大公でして…」


 ディオスは右の眉間が上がる。

 フランドイルの王都の周囲を領地とするなら、フランドイル王族と関係がある貴族の大公だと分かり

「何か、自分に用事でも?」


「はい…少々、込み入った話をしたいのですが…」

 ソーディウス大公の話から、何か極秘の案件か…とディオスは勘繰り

「分かりました。どうぞ…中へ」

 ディオスは、屋敷に入れる。




 ソーディウス大公達を客間に案内すると、ソーディウス大公をソファーに座らせ、その対面にディオスが座って

「込み入った話というのは…何か、大きな案件に関する事ですか?」

 ディオスは慎重な姿勢で臨む。

 直接、自分の所にくるという事は、人にバレたくない案件という事だ。

 なんか…大きな事件の匂いがするなぁ…。

 そう、ディオスは思っていると


「失礼します」

 レベッカが紅茶のセットを持って来て入り、ディオスとソーディウス大公との間に挟まれるテーブルに紅茶を置く。


 ソーディウス大公は、紅茶を口にした後

「これは、アーリシアの将来としても大変、重要な事だと思われます」


「アーリシアの…」

 ディオスは、身を乗り出す。

 余程の案件だ。なんだ? 何かの国家としての機密? いいや…何かの裏で蠢く事件か?

 まさに、超重要だろうという姿勢でディオスな望む。


「これを…」とソーディウスは共に来て後ろ脇にいる執事に視線を向けると、執事が持っていたバックから冊子を取り出しディオスの前に置いた。


 おお…重要案件の資料か…

 ディオスは冊子を睨む。


「どうぞ…お読みください」


「では…」

と、ディオスは一つを取って開くと

「え…」

 ディオスは面食らった。

 そこには、人族の女性のプロフィールがある。

 名前を、ルナリア・ラダン・ロア・ソーディウス。

 え…名前から察するに…この目の前にいる人の娘?

 ディオスは写真に写っている。綺麗なドレスに彩られたソーディウス大公の娘を見つめ、次に目の前にいるソーディウス大公を見て

「あの…これは…?」


「私の娘です。どうですか? 器量の良く美しいと自負しています」


 ディオスは目を瞬きさせ

「すーーー なんでしょう。これって?」

 糸が全く見えない。


 ソーディウス大公は、紅茶のカップを回して、紅い紅茶の液面を揺らしながら

「グレンテル様…私の娘を、貴方様の三番目の妻として向かい入れて欲しいのです」


 ディオスは暫し、ソーディウス大公を見つめた次に

「はぁ………………」

 眉間を大きく寄せた。

 ディオスは、一旦、何が起こったのか理解出来ず、冊子を閉じ、目の閉じて考える。

 えええ? どういう事? ええ? へぇ? はぁ?

 つまり、オレに自分の娘を嫁に迎えろと…はぁーーーーーーーー

 すーーーとディオスは痛そうに息を吸って

「あの…どうして、何故、何の為に…そのような事が? そうなっているのでしょうか?」

 全部が疑問形のディオス。


 ソーディウス大公は平静と

「これはアーリシアの為なのですよグレンテル様。貴方様は、アーリシアとの関係が薄い。故に、関係が深い貴族の嫁を取る必要がある。それがアーリシアの平和へと繁栄に繋がっているのです」


 ディオスは固まる。

 え? なんだ? そのむちゃくちゃな理論は? 意味が分からないぞ! 

 どうして、そうなった!

「いやいや…娘さんの意思は? こんなのむちゃくちゃでしょう…」

 ディオスは引いてしまう。


 ソーディウス大公は微笑み

「娘は大喜びで、了承してくれました。アーリシアの大英雄と結ばれるなんて嬉しいと…」


 ディオスは手にしていた冊子を置いて額を掻きながら

「いや…いきなり、そんな事を言われても…」


「いきなりではありませんよ。バルストラン王へも、貴方様と同じ臣下の方達へも、そして…この屋敷へも、同じ冊子と書状を送っております」


 ソーディウス大公のその言葉に、ディオスの右に立つレベッカへ、ディオスは瞳を見開いた視線を向ける。

 どういう事…レベッカさん?


 その視線にレベッカは目を瞑って沈黙する。


 ソーディウス大公がディオスを見つめ

「幾らお送りしても、何方からも返事が一向にないので、直接出向かせて頂きました」


 ディオスは額を抱えた。

 どうして…こんな事になった!


 ソーディウス大公が

「グレンテル様。こちらは、あらゆる障害を取り除き、お望みの通りにするご用意が出来ております。迷う事はありません。どうぞ…三人目の妻としてお迎えください」

と、ニッコリと微笑むソーディウス大公。


 ディオスは頭を振った後、前に置かれた冊子を、ソーディウス大公に向けて滑らせ

「申し訳ありませんが…。自分はそのような気は一切ありません。どうぞ…お納めください」


 ソーディウス大公が

「グレンテル様、お望みの通りにする用意があると…」


 ディオスは手を組んで、両膝の上に両肘を置いて、冷静に

「今…妻達は…自分の子供を宿しています。もう少しで産まれる予定です。妻達を不安にさせたくありません。ご連絡をしなかった事は、謝ります。申し訳ありません。お願いします。これだけは…無理です」

 ディオスは、頭を下げて頼む。


 ソーディウス大公は暫し、ディオスのお辞儀を見た後

「分かりました。奥方様達のご出産が終わって、落ち着いた時に、また…来ます。それまでに…どうか、ご考慮して、良い返事を聞きたいと思います…」


 そうして、ソーディウス大公達は帰って行った。


 それをディオスは見送った後、玄関を閉めて

「はぁ…」と深い溜息を吐いて、玄関に額を当てる。

 その後ろから

「ダーリン…」

と、呼び掛けるクレティアの声があった。


 ディオスは後ろを振り向くと、クレティアとクリシュナが申し訳なさそうな顔を向けて、その左隣にレベッカがいた。


 レベッカが頭を下げ

「申し訳ありません。わたくしの全責任でこざいます」


 クレティアが

「ごめん。その…ダーリンに余計な気を使って欲しくなくて」


 クリシュナが

「その…こんな事があると…不安に感じると思って」


 ディオスは、クレティアとクリシュナのそばに来て、二人を抱き締め

「いいんだ。その気持ち、何となく分かるから…」

 ディオスは二人を離すと

「王宮に行ってくる。師匠にも…どうやら届いているようだから…聞いて見る」



 ディオスは王宮に来ると、王宮内に用意された駐車場へ魔導車を止めて、ソフィアの元へ行く。

 ソフィアの仕事をする王の執務室へ行き

「どうも…陛下…」


 執務机にいるソフィアは、書類仕事の手を止めて

「なに、どうかしたの?」


「ああ…まだ、仕事中だったか…。なら、仕事が終わったらまた来ます」

 ディオスの様子がおかしい。どことなく元気がない。


「どうしたの? 元気がないみたいだけど…」

 ソフィアは心配そうに聞く。


「ああ…ちょっとね…。じゃあ、後で…」

 ディオスは出て行くと、ソフィアは首を傾げた。



 ディオスは食堂で、席に座って静かに待つ。

 一時間後、仕事を終えたソフィアが来て

「終わったわよ…」


 ディオスは席から立ち上がり

「じゃあ…執務室で話そうか…ソフィア」


「ああ…うん」



 ディオスとソフィアは執務室で二人っきりで話す。

 フランドイルのソーディウス大公が、自分の屋敷に来て、自分の娘を妻にして欲しいと直接交渉に来た事を話すとソフィアは驚愕した顔で

「うそ…本当に?」


「ああ…本当だ」

 ディオスは肯いた。


 ソフィアは額を抱えて

「そんなぁ…そこまで…」


「なぁ…ソフィア…。ソーディウス大公が言うには…オレの所や、ソフィアに仲間達の所へ、お願いする紹介状を送ったって…」


 ソフィアは気まずそうな顔をして

「ごめん…。アンタが…クレティアとクリシュナを大事にしているのを見ていたら、どうしても言い出せなくて…」


「ああ…うん…そうか…」

 元気がないディオス。


「アンタ…大丈夫?」

と、心配げに覗き込むソフィア。


「ああ…その…チョッとショックを受けているから…」


 ソフィアが肩に手を置いて

「あのさあ…もし、また…同じような事があったら、直ぐにアタシを呼んで、何とか断るから」


「うん…頼む」

 落ち込むディオス。

 そう…こうなった原因は自分だ。

 アーリシアの大英雄なんて、精々…あだ名程度のつもりだった。

 それがこんな結果になるなんて…。

 脳裏には、クレティアとクリシュナに、二人のお腹にいる子供達の事しか過ぎらない。

 とにかく、心配になって、ディオスは急いで屋敷に帰った。




 そして、二日後、事態はさらにレベルアップした。

 午後、ディフィーレと共に新型の六個同時、生成の魔導石生成装置の調節をしていた。

「どうだい? 結晶の具合は?」

 ディオスは新型で作った高純度魔導石の結晶具合を、ディフィーレと共に、顕微鏡装置に掛けて見ていた。


 ディフィーレは満足そうに笑み

「凄いです。この結晶硬度なら、新型の高出力エンジンに最適です!」


「そうか…それは良かった」

 ディオスも満足そうだ。


 しかし、ディフィーレは悔しそうな顔をして

「その…こう言うのも何ですが…。ディオスさん…やっぱりオルディナイトの傘下に入って頂けないでしょうか…」


「え…どうして?」


「その…もっと沢山、生成に向いている技術があるんです。でも…秘匿特許や情報の制限が掛かっていて…。なかなか、ディオスさんに提供出来ないんです」


「ああ…」

 何となく、その辺りの具合を察するディオス。


「ディオスさんが、半分独立ではなく…。こっちに入ってくれるなら…。もっといい装置が提供出来ますし。色々な実験や、データの提示を出来ます。どうか…考えて貰えませんかねぇ…」

 手を合わせて頼み込むディフィーレ。


 ディオスは、困った顔をして…

「その…ごめん。やっぱり…」

 あの会社に裏切られたトラウマが過ぎる。どうしても、組織に、とくに大きな組織である程、抵抗感が強い。


 ディフィーレが

「ディオスさんに、そんな酷い事をした会社って、どこですか?」

 ちょっとディフィーレの視線が鋭くなる。


 ああ…まさか…、意趣返しするんじゃあ…。

 ディオスは顔を引き攣りながら

「ま、前に調べたら…。もう…倒産していた。だから…」


 ディフィーレの温厚な顔に、怖い笑みが浮かび

「じゃあ…名前だけでも…」


 ディオスは青ざめる。

 そう、オルディナイトの力を持って、何か怖い事をする気でいるのだ。

「いいんだよ…ディフィーレくん」

と、ディオスはディフィーレの肩に手を置いて落ち着かせる。

「その…もうちょっと時間をくれ…」


 ディオスの言葉にディフィーレはションボリするも

「分かりました…。その気になったら、何時でも言ってください! 歓迎しますから」


「ああ…」とディオスは肯いた。

 ヤバかったーー もし、同名の会社があったら、潰されるか………。

 いや…考えただけでも怖いから止めよう。




 ディオスはディフィーレと共に、玄関の広間で、色んな魔導石のデータを見比べていると…

 ピンポーンとインターホンが鳴った。

「なんだ?」とディオスはファニファールの方を見ると、ファニファールが胸部に投影する立体画面に、玄関にいる人物を映す。その数…計六名

 きっちりとしたスーツに身を包む五人と、その中心に見覚えのあるヤツがいた。

「げ…」とディオスは声を漏らす。

 そう、レギレル連合王国のヴィクトール皇太子だ。

「もう…なんだ?」

と、ディオスは玄関に向かう。

 ヴィクトールには子供の秘密をバラされて以来、あまりいい印象がない。

「なんのご用です?」

と、ディオスが玄関を開けると…パンパンパンと軽快な音が響く。

 ヴィクトールの周りにいる連中がクラッカーを鳴らした。


 そして、ヴィクトールが両手を広げ

「おめでとう。アーリシアの大英雄!」


「はぁ?」とディオスは訝しい顔をする。


「んん…」とヴィクトールは声を整え

「本日をもって、貴方は我がレギレル連合王国のロイヤルファミリーに入るのです!」


 ディオスは左の眉間を上げて「ハ?」と何を言っているんだ?という顔だ。


 ヴィクトールが、ディオスの左手を取って

「さあ、参りましょう。レギレルで花嫁が待っています!」


「……え……」


「ディオス殿、貴方は、私の妹と結婚して、レギレルの王族になるのです!」


 ディオスの左手が引っ張れる。

「ちょっと待てーーーーー」

と、ディオスは、右手で玄関のハンドルを握って、踏ん張る。

 だが、軸足の左を引っ張られるので、思うように力が入らない。

「ななななな! 何で、そんな事になっているんだーーー」


「さあーーー 参りましょうーーー」

 ヴィクトールは周りにいる部下達も加えて、ディオスの左手を引っ張る。


「アアアアアア」

 叫ぶディオスに


「ディオスさーーーん」

と、ディフィーレも加わって、ディオスを屋敷の戻そうとする。


 さらに、それを見つけたユーリが「旦那様ーーー」とディオスを連れて行かれまいと、参戦。

 玄関にて、熾烈なディオスを引っ張っていく戦いが始まる。


「クソ!」とディオスは唸る。

 ディオスなら魔法を使えば、この程度の人数、造作もないが…相手は、皇太子だ。

 何かそれでケガをさせれば、外交問題となるし、それを理由に難癖を付けてディオスを引っ張っていくだろう。

 この野郎ーーー ワザと、こうして引っ張っていくようにする気かーーーー

 そう、この状況は、ヴィクトールの思惑通りだった。


 そこにレベッカが来て、ディオスはレベッカへ

「は、は、陛下をーーーー ソフィア陛下をーーーー 呼んでくれーーーーー」

 レベッカは急いで、魔導通信機を取って、ソフィアに連絡する。



 王宮では、ソフィアが書類の確認とサインをしていると、仕官が魔導通信機を持って現れ渡すと、その相手であるレベッカから事情を聞いた瞬間

「ウソでしょーーーーーー」

と、叫んで机を飛び出し、単独で王宮にある魔導車に乗ってディオスの元へ全速力で向かった。それに部下達も魔導車で続く。


 そんな押し問答が、八分ほど続いた後、屋敷の前にソフィアの乗った魔導車が到着、急ブレーキをして、飛び降りてヴィクトール達に

「皇太子ーーーーー 何をしているんですかーーーー」

 声を張った。


 ソフィアが来た事に、チィとヴィクトールは舌打ちした。


 ディオスは、それを聞いて、この野郎…と額に青筋が浮かぶ。


 何とか、ソフィアの説得で、ヴィクトールは引き

「いいでしょう…。奥方様達の出産が終わって落ち着いた時に、また伺います」

と、部下達を連れて去った。


 ディオスはホッとして、玄関ドアに背を預け腰を下ろした。


 ソフィアはグッタリと疲れているディオスを見つめ

「こんな事になるなんて…」

と、事態の異常さに驚く。



 その日、緊急の王の記者会見を開いた。

 アーリシアの全国放送でソフィアが

「ここ最近、私の忠臣一人である魔導士が、迷惑を被っております。彼は今、奥方達が身重という大事な時期でもあります。もし、強引な事で迫り、奥方達に身に何か合った場合、彼も…わたくしも許しません。色々と時期が整うまで、自重して頂きたい」

 これは、ディオスの事を言っている。

 貴族達のディオスの三番目の妻を娶らせる攻防に対する牽制だ。


 ディオスは、その放送を聞いて、少しホッとする。

 これで落ち着くだろうと…。

 

 そして、次の日、フランドイルの王、ヴィルヘルムが緊急の王記者会見を開く。

 そこで…

「最近、アーリシアで偉大な魔導士が、不便を感じている。彼の妻達は身重だ。こんな時に強引に事を進めるのは、バルストラン王と同じく私も看過する事は出来ない。皆の自重をお願いしたい」


 それを見ていたディオスは、何か無性に泣けて来た。

 ヴィルヘルムって意外といい人なんだ…。

 そう、感激していた。


 だが…それが通用しない地位の人が来る事になった。

 アフーリアのアルバニス王が、これは好機だ!

 アーリシアの大公級や、王族級が動けない今なら、自分達に勝機はある。

 さっそく、バルストランに訪問する準備をする。




 オルディナイトの一門が集うサロンでは


「これはこれは…ぬけぬけとようも…」

 オルディナイトの貴族の紳士が怒っている。


「ディオス殿は、どの国の魔導士ですか? 我らの国、バルストランの魔導士なのですよ。それを…全く…」

 ご立腹のオルディナイトの貴族の婦人。


 サロンに集まる皆の視線が、奥にいるゼルティオナに。


 ゼルティオナは紅茶を飲みながら

「道理をはき違えていますわ…。彼は我らバルストランの魔導士。それを忘れて、我先に…醜い」


 隣にいる貴族の婦人が

「ゼルティオナ様…。グレンテル様は、我らの元へ来るのが当たり前だと思われますが…」


 ゼルティオナは当然という顔で

「当たり前ですわ。それが道理…。愚かな輩達は筋違いな事をして…全く…」


 そばにいる貴族の紳士が

「バウワッハ様は何と?」


「お父様は、構うな…とよ」とゼルティオナは呆れ気味に告げる。


 そばにいる貴族の婦人が

「噂では…ゼリティア様は、グレンテル様が…」


 ゼルティオナは紅茶を飲み干すと

「これは…ゼリティアに確かめてみるしかないわねぇ…」

ここまで読んで頂きありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。。

ありがとうございました。

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