第2話 始まりへ 魔法の取得
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あらすじです。
ダグラスの勧めで魔法を習う事になった勇志郎、ソフィアを師匠に魔法を習うも、優志郞が持つ力にソフィアが怯えてしまい。優志郞は…
始まりへ、魔法の習得。
勇志郎の日課は、書籍庫で始まり終わる。屋敷にある膨大な書物の知識を全て得ようと飢えていた。書籍の数はかなり膨大で、図書館と同じ規模である。全て読み終えるには相当な時間が掛かる。それが一日、十数冊を読み込んでいてもだ。
本の虫と化していた勇志郎にダグラスが
「勇志郎…」
「なんですか?」
「魔法を習ってみないかい」
「魔法を…」
勇志郎は本を置き、訝しい顔をする。
ダグラスは微笑む
「毎日、本ばかり読んでいると折角、治った体がおかしくなってしまいますよ」
優志郞は面倒な顔で
「しかし…魔法なんて…」
「ものは試しで、ね」
と、ダグラスはウィンクする。
「はぁ…」
優志郞は一応、受けることにした。
勇志郎を屋敷の正面庭園に連れ出し、その真ん中でソフィアが腕を組んで待っていた。
ソフィアは勇志郎を睨み見て
「なんで、アタシがアンタに魔法を教えないといけないのよ」
不満を漏らしている。
「まあまあ、ソフィア」とダグラスはソフィアを宥め
「これも貴女の夢の実現には必要な訓練だと思います」
「ダグラスさん…なんでもそういえば通ると思っていませんか…」
ソフィアはダグラスの顔をジーと見つめる。
ダグラスは苦笑して
「貴女の夢には、将としての能力が必要です。その能力の一つに配下を鍛えるは必須な筈、その実験相手として勇志郎を使っては?」
「んんん…」とソフィアは銀髪を掻き「分かりました。まあ…やってみます」
ソフィアは勇志郎の後ろに回り背を押して
「さあ、こっちに来るのよ」
勇志郎を誘導する。
「やれやれ…」と勇志郎は呆れを呟くと、ソフィアが背中を抓み
「よくもまあ、そんな態度を取れるわね。覚悟してなさいよ」
ソフィアは、勇志郎を陣が書かれた場の中心に立たせた。後ろから勇志郎の膝に蹴りを入れ、勇志郎の体勢が崩れ膝を地面に付ける。
「ほら、立ち膝で座る」
「座るって言ってくれ」
勇志郎が膝を崩し、頭がソフィアの胸の位置に来ると、ソフィアは勇志郎の頭頂部に両手を置き
「いい、今から魔力の開眼式をやるから」
「魔力の開眼式?」
「普段、魔力は外に漏れないように己が自然と自己封印しているの、その自己封印をこじ開けて魔力を知覚させるわ」
「そんな事をして大丈夫なのか…」
「大丈夫よ。ちょっと気怠いのと、体が茹だっている感じがするだけだから」
「そうか…」
勇志郎はソフィアに委ねると、ソフィアが意識を集中して
「行くわよ」
魔力を勇志郎に注入して、魔力の開眼を始めた。
勇志郎は頭頂部から何かが流れ込んで来る感覚を感じ、これが魔力か…と目を瞑った瞬間、目蓋の裏に妙な光景を見る。
黒く渦巻く竜巻のような孔、そして…その孔の中に赤い眼をした何かが潜み勇志郎を見つめる。
なんだこれは?と思った次の瞬間。
「キャアアアアアーーーー」
ソフィアがその場から吹き飛び、勇志郎の全身から爆発したように光の粒子が噴出する。
「大丈夫ですかソフィア!」
ダグラスが倒れたソフィアの側に来る。
ソフィアは起き上がりながら
「なんなのこれ!」
ソフィアの目の前には光の粒子を噴出して宙に浮かぶ勇志郎の姿があった。
光の噴出に包まれる勇志郎は光球の中で挙動不審になりながら
「おい、どういう事だ!」
ソフィアに向かって声を張る。
「ありえない。そんな、こんな事って…こんな膨大な魔力なんて、ありえない」
ソフィアは混乱していると、ダグラスが
「ソフィア、どうすれば良いのですか?」
「そんな、どうすればなんて…」
ソフィアが混乱している間に事態は進む。
魔力という光の粒子を爆発噴出させる勇志郎の、噴出量がジワリジワリと上がっている。それは温泉が噴火する間欠泉の如く魔力を空へ噴射し、空の天候を変え始める。大気が勇志郎の噴出魔力に影響され渦巻き、雲行きが怪しく雷雲を屋敷と周辺に発生させる。稲光が空を走る。
変貌する空を見上げる勇志郎は、ソフィアに
「ソフィア! この後、どうすれば良い」
「ああ…魔力の流れを感じて、それを上手く制御して」
ソフィアの言葉に、勇志郎は眼を閉じてさっき魔力が流れてきた感覚を思い出すと、それと付随する流れが体の全域から噴出しているのが分かる。
「これが魔力の流れか…」
勇志郎は、暴れる流れの一つ一つを落ち着かせるように制御させる。徐々に、勇志郎の体から溢れ出ていた魔力が収まり始め、光球の大きさも小さくなり、勇志郎が地面に着地する頃には、魔力の爆発が収まり元の状態に戻る。
「何とかなったな」と勇志郎は安堵する。
だが、影響は残っていた。空から雨が降り出し辺りを包んでしまう。
「ソフィア、行きましょう」とダグラスはソフィアの肩をつかみ屋敷へ走らせる。
その最中、ソフィアは怯えた瞳を勇志郎に向けた。
勇志郎は「フン」と嘆息して、屋敷に走る。
全く何なんだ? オレは…どうしてしまったんだ?
その夜の夕食、ソフィアは勇志郎に対してよそよそしい態度だった。
外はまだ、勇志郎の魔力暴走による天候変化によって雨が続き、風まで出てきた。
「このまま嵐になりそうですね」
同席しているダグラスが呟く。
「ごちそうさまです」とソフィアは席を立ち、離れようとするが…
「待ってくださいソフィア」
ダグラスが止める。
「なんですかダグラスさん」
「明日も勇志郎に魔法を教えてあげてください」
ソフィアは伏せ眼がちに
「その…なんというか…勇志郎は魔法に向いていないんじゃないですか」
ダグラスは、ソフィアを見つめ
「本当にそう思いますか…」
「だって、あんな事になるんて…」
勇志郎は食事をしているフォークとナイフを置いて
「ダグラスさん、自分はかまいません」
「何が、かまわないんですか」
ダグラスの鋭い視線が勇志郎に向く。
勇志郎は、鋭いダグラスに押さえ言葉がでなくなる。
どうして、この人はこんなに拘るんだ? 別に良いじゃないか魔法が使えなくても…
そんな疑問が勇志郎の脳裏に過ぎる。
「ソフィア…」とダグラスが「彼の発動した魔力を見たでしょう。アレは扱いを憶えなければ為らない程の危険なレベルです」
「でも、アタシには、そんな危険レベルを教える技術なんて…」
ソフィアは苦悶を浮かべている。
「大丈夫ですよ。ね、勇志郎」
ダグラスは勇志郎に、貴方からも頼むよう言いなさいとアイコンタクトを放つ。
勇志郎は、頭を振りやれやれと思いつつも
「ソフィア、オレに魔法を教えてくれないか?」
ソフィアは髪を掻き
「アンタがおかしくなって死んでもアタシの所為じゃあないからね」
「分かっている」と勇志郎は頷く。
次の日からソフィアによる本格的な魔法の修行が始まった。
朝から庭園の真ん中へソフィアは勇志郎を連れ出し
「まずは、始めに魔方陣の展開の仕方を教えるわ」
ソフィアは両腕を広げる。それと同時にソフィアの周囲に光のラインが走り、幾何学模様の陣形が出現する。
「魔法を生じさせる手段として三つの方法がある。一つは体内で魔法の効果を練る。二つ目は自分の持つ属性の魔法を放つ、三つ目は陣を形成して魔法力を様々に作用させる」
勇志郎は、右手に顎を当てソフィアの言葉を復唱する。
「一つは、体内で練る。二つ目は己にある属性を放つ。三つ目は陣を形成させて作用させる」
「そう…」
ソフィアは軽く笑み
「アンタは頭が良さそうだから、三つ目の陣を形成する方法を学んだ方が良いかも」
勇志郎はソフィアの周囲に生じた光の陣形を見つめ分析を始める。
陣形の図形には特徴的な図形が三つある。この三つは、多分、属性に関係するのモノだ。何故なら、屋敷の書籍にあった魔法に関する属性の図と酷似しているからだ。
「アレが、風、水、光か」
陣形の三つの図を指さし答える。
「正解。流石、本の虫ね。魔法の本を読んで属性の図を暗記してたんでしょう」
「まあな…それでどういう風に陣を形成するんだ?」
「まず、意識を集中して今、ここにある陣を同じ光景を思い描くの。そうしたら、魔力の感覚は覚えているわよね」
「ああ…」
「その感覚を伴って、思い描いた陣の形に滑らせてみせるの。これは難しいわよ。感覚を掴むまでは、線が乱れて陣を編むから」
勇志郎は眼を閉じて
「陣を思い描き、魔力を滑らす」
魔力を生じさせ、心に浮かぶ形、ソフィアの陣を描くように滑らす。
勇志郎の周囲に光のラインが現れ、陣を描く。陣の描きは乱れた感じとなり、曲線が多い間抜けな形になった。
それを見てソフィアが「まあ…最初は誰だってこんなモノよ」と微笑む。
だが、勇志郎がはぁ…と息を漏らして更に集中すると、曲線だった陣形が徐々に修正されソフィアと同じ陣となった。
「これでいいか?」
勇志郎は眼を開ける。
ソフィアは不満そうに頬を引き攣らせ
「そう…簡単に出来るもんじゃあないんだけど…」
「そうか…」
勇志郎は淡々と返事をする。
次にソフィアが
「じゃあ…両手を空に向けて、魔力を陣に込めて放つ」
”レイ・アロー”
魔法のかけ声と共にソフィアの両手から無数の光の矢が空に昇る。
「これは、簡単な攻撃魔法なのよ。だから、簡単に陣を形成できた君なら簡単に放てる筈よね」
ソフィアは悪戯な感じに笑む。
勇志郎は凝視する。簡単を連呼した辺り、陣を形成したのが余程、気にいらなかったらしい。恐らく放つには相当、難しいと確信する。そう思えるのはソフィアの態度が、明らかに見下した感じだからだ。
「はぁ…やってみるさ」
どうせ、最初は上手く行かないだろうと、勇志郎は言われた通りに陣に魔力を込め、両手を空に向け
”レイ・アロー”
と、唱えた。普通なら何もでないか、それ擬きが放たれるのが、オチだが…勇志郎は違った。轟音と共に空に巨大な光の柱が伸び雲を切り裂いた。
「はぁ?」
勇志郎は固まる。ソフィアが見せた魔法とはかなりかけ離れた現象であり、まるで巨大な光線を放った威力そのモノだ。
ソフィアは度肝を抜かれた顔をした次に、勇志郎に近付き腹にパンチをお見舞いした。
「アンタ、バカ! レイ・アローじゃなくて、別の強力な魔法を放ったでしょう!」
勇志郎は腹を押さえて悶えながら
「ち、違う。言われた…通りにしたら」
ソフィアは勇志郎の頭を叩き
「ウソを言うんじゃないわよ!」
「本当だ…信じてくれ」
「だってあんなの、高位の攻撃魔法のカディンギルよ。アンタ、知ってたんでしょう!」
「いや、知らん。屋敷にあるのは簡単な魔法の説明本ばかりで、攻撃魔法なんて一切知らん」
「知らなくてあんな威力を発揮できるなんてアンタ…アンタの、内にある魔力の量って」
ソフィアは右手の親指の爪を噛み苛立ち
「変更、魔法を教えるより、魔力のコントロールを優先させるわ」
「はぁ? 魔法の技よりもか…」
勇志郎は少し不満を露わにすると。
ソフィアがその頭を叩き
「アンタね。威力のない低位の魔法さえも、強大な魔法にする魔力なんて、威力の調節が出来ない面倒な兵器と同じなのよ。分かった!」
「ああ…うむ…分かった」
それから一週間、ソフィアの腹パンチが繰り出される魔力調整訓練の日々が続く。
方法は簡単、魔力に感応する特殊な球体を右手に持ち魔力を込める。
そうすると球体が魔力を受けて浮遊し、その魔力量に応じて高さが変わる。
最初、魔力を込めた瞬間、右手から花火の如く魔力感応球体が発射される。
「はい。ダメーー」
ソフィアの腹パンが勇志郎にお見舞いされる。
一日目は、かなりの腹パンを貰い。
二日目、花火の如く打ち上がる事は無くなったが、数メータ上に浮かび静止。
「もっと魔力を抑える」
ソフィアの腹パン。
三日目、右手の上で数メータ幅で上下する球体。
ソフィアが「止める」という位置で止められないと腹パン。
四日目、三日間も腹を殴られたお陰で腹痛が酷く休み。
五日目、球体の上下幅が数十センチまでコントロール出来るまでになり、ソフィアの止めの指示の近くで止められるようになる。
六日目、上下運動が止まり、自分の決めた位置で球体が止まるようになる。
七日目、魔力を完全にゼロに出来るようになり、自由自在に浮かせる事に成功、ソフィアが胸を張り
「アタシの教え方が良いからね」
自慢げだった。
散々、腹パンしたクセにと内心でムカつく勇志郎。
次の日から、陣の魔法を中心としてソフィアが教示する。
「まず、魔法は主に六つの属性からなっているわ。光、闇、炎、水、風、大地」
ソフィアは魔方陣でその六つの属性を現す複合陣を展開する。六つの属性の様々な特徴を説明、勇志郎はそれとなく屋敷の本で属性については知っていたが、改めて説明されると違う点があり、好奇心をくすぐられた。
それから数日の間、基礎的な魔法を習う。簡易レベルの治癒魔法から始まり、障壁魔法、攻撃魔法と、ソフィアは勇志郎に知る限りの魔法を教えた。
「アース・ウェイク」
ソフィアが教えた魔法名を告げると、勇志郎はその魔方陣を展開させ効力を放つ。大地を隆起させる魔法が、勇志郎の眼前で起こる。
「エア・タイラー」
次のソフィアが告げた魔法は、風の魔法である。勇志郎は風の魔方陣を展開させ大気をコントロール、小規模の竜巻を発生させ、大地の隆起した範囲を包ませて、せり上がった地面を削る。
ソフィアは腕組みして
「まあ、合格といった所かしら…」
勇志郎は額を拭い。
「これが魔法というモノか…」
かなり便利だと勇志郎は思う。各属性の魔法陣を組み合わせれば様々な効果をもたらす汎用性と扱いの容易さ。しみじみ魔法という力の存在を噛み締めると
「じゃあ、次の段階に行くわよ」
ソフィアが胸を張る。
「次の段階?」
勇志郎は首を傾げる。
「そう…魔法を体内で練る事と、己の属性を使う方法よ」
ソフィアは勇志郎を屋敷から連れ出して、近隣にある湖の湖畔に来る。
「いい、良く見てなさい」
ソフィアは両手を湖の中心に向け、魔法陣を展開させる事無く、両手から氷の刃を放った。
勇志郎は呆然として事態を見つめる。魔法陣を展開させる事無く魔法を行使した事に驚きと疑問で頭が一杯になっていた。
「どう、驚いた」
いたずら顔のソフィア。
「ああ…どうやって魔法を使ったんだ?」
「ちょっと特別な方法を使ったの。魔法を練って、己の属性を開放したのよ」
「魔法を練る? 己の属性?」
「魔法を練るのは、己の体を魔法陣に見立てて魔力を循環させるの」
「己の体を魔法陣に見立てる?」
勇志郎は顎に手を置き考える。
「魔力を開眼させた時の事を憶えているわよね」
「ああ…」
ソフィアは勇志郎の両手を取り掴んで
「その時と同じように魔力を感じて制御しながら体の中で円形に循環させるの。やってみなさい」
勇志郎はソフィアに両手を握られたまま、瞳を閉じて内にある魔力を感じ、魔力を体内で円の形になるように流れを作る。
そうしていると、ソフィアの掴む両手からソフィアの魔力が流れ込み、体内で円に循環している魔力と繋がる。
「ちぇ…普通はこんな簡単に体内で練るなんて出来ないのに…」
ソフィアが小言を漏らす。
「これで良いのか…」
勇志郎が聞く。
ソフィアは両手を離し
「ええ…」
勇志郎は瞳を開けて
「この後は?」
ソフィアは湖の中央を指さし
「アタシがアンタの魔力と接続した感覚を覚えているわよね」
「ああ…」
「それと逆の事をするの。両手から練られた魔力の流れを開放する」
勇志郎は両手を湖の中央に向け
「練られた魔力を開放する…」
意識を集中して、円に流れる魔力の一端を両手に流し、開放した。
両手に大気の圧力が集中し、巨大な氷の塊が生じ、湖の中心に着水した。湖に軽く氷山が鎮座する。
「バカ!」とソフィアは勇志郎の頭を叩き「威力は調節しなさい」
「…すまん」
ソフィアは呆れつつも
「まあ、アンタの魔力が膨大だって事は判っているし、それにまさか、同じ氷属性を持っているなんて思いもしなかった」
「同じ属性?」
「そうよ。体内で魔力を練って開放する場合、己の持つ属性が発揮されるの」
勇志郎は暫し考え
「なあ、それはイメージとかも影響するのか?」
「イメージ? いいえ、そんな事はないわ」
勇志郎は右手を顎に当て
「今、この放った魔法は、ソフィアが氷を放ったから、それに合わせてイメージして放ったのだが…」
「え!」とソフィアの顔が驚きを見せた次に眉間を寄せ「そんな筈はないわ。だって…」
ソフィアは混乱しながら視線を泳がせ
「じゃあさあ…何もイメージしないでやってみてよ」
「ああ…分かった」
勇志郎は再び、体内で魔力を練り湖の中心に向かって放った。その両手から放たれた魔法は、光、闇の筋、竜巻とそれに混じる炎と水の混合に稲光まで合わさっていた。
放たれた複合の魔法にソフィアは顔を驚愕に染め
「そんな…バカな…六属性…ヘキサゴン・マテリアル…」
「ヘキサゴン・マテリアル?」
勇志郎は疑問に顔を染める。
ソフィアは顔を凍り付かせて勇志郎を見つめ
「普通…持ち属性は、得意な属性を主軸に近い属性が二つ添える三つのトライアングル・マテリアルなの…でも、希に四つあるスクウェア・マテリアルがある」
勇志郎は自身の両手を見つめ
「つまり、オレは…四つ以上ある。六属性持ちか…」
贅沢だなぁ…と苦笑してソフィアを見ると、ソフィアが怯えた顔を見せている。
「ん? ソフィア?」
勇志郎がソフィアに手を伸ばすと、ソフィアは下がり
「…かつてヘキサゴン・マテリアルを持っていた者がいたわ」
「ほう…そうか…で、その人物はどのようなヤツなんだ?」
「魔王…。二百年前に、この一帯の国を支配していた魔王ディオス…」
「魔王…大きく出たモノだなぁ」
「勇志郎…アナタ、何なの?」
ソフィアは恐怖に顔を染めていた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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