表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/1109

第203話 進化する阿座のネオゼウス

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


ディオスは、阿座のネオゼウスの特性を知る為に、模擬戦を行う。


 ディオスはエルディオンに通信する。

「イヴァン…」


 ディオスの隣に上空にいるエルディオンから、魔導人工精霊イヴァンの立体映像が降りて

「なんでございましょう?」


「このグランドを囲む空間断絶結界を展開しろ」


「畏まりました」

 ヴォルドル家の修練場の一つ、芝生のグランドにはディオスと阿座しかいない。


 後は、グランドの外にいて、ディオスと阿座の模擬訓練を見つめる。


 芝生のグランドの周囲を、七色の半透明の空間断絶結界が囲む。

 周囲に被害を出さない為に…。

  

 グランドの外にいる全員の視線が対峙するディオスと阿座に向けられる。


 阿座は緊張気味である。

 

 ディオスがフッと笑み

「大丈夫だ。訓練なんだから」

 

 阿座が息を吐いて「はい」と構えた。


 ディオスは、フッと怪しい笑みを向けた瞬間、背後に巨大な魔法陣を展開した。

”グランギル・カディンギル”

 十メータ近い巨大魔法陣から、同じ幅の光線魔法が阿座に放たれた。


 ディオスは本気で攻撃した。


 それに誰も文句はない。阿座はネオゼウスを取り込んだ特別な存在だ。

 誰しもその力を見たかった。


 巨大光線が阿座に迫る。巨大光線が接触する寸前、阿座の右手が自然と伸びて光線に接触した瞬間、右手が光線を受け止め、それをトリガーとして阿座が変貌する。

 あの漆黒の装甲に包まれ、右手に龍の顎門を持つ変身をした。

 阿座は焦りつつ、ディオスに右手の龍の顎門を走らせる。


 ディオスは冷静に見つめる。

 迫る龍の顎門に、さしずめドラゴンファング形態か…と命名して、ベクトの瞬間移動で上空へ逃れる。

 数百メータ上に瞬間移動したディオス。

 そこまで、ドラゴンファングの牙は届かない。


 ドラゴンファングの阿座は、ディオスを見上げる。


 ディオスは背面に膨大な数の攻撃魔法陣を展開、光線、超重力のエネルギー波、爆炎、氷の刃、雷と竜巻の合体、絨毯爆撃の如き攻撃魔法を阿座に放つ。


 その攻撃を阿座のドラゴンファングは喰らい付くも、全てを喰らう事が出来ず、攻撃が本体に当たる。

 それによって、ドラゴンファングは進化する。

 漆黒の装甲が、鋭角に伸びて全身を棘のバラの如き状態にさせる。

 ドラゴンファングが元に戻り縮んだ頃、茨の如き装甲に包まれた阿座があった。

 ディオスの攻撃に晒されながら、全身の装甲にある棘を発射した。

 全身がガトリング砲の如く棘を飛ばす阿座。ディオスの放つ絨毯攻撃と相殺する。


 ディオスはその形態を見て今度は、面的攻撃に進化したローゼンナイトと命名する。

 

 ローゼンナイトとなった阿座の右手が変化する。

 龍の顎門から鋭角なコーンが飛び出しミサイルのような形態になる。

 それをディオスに向けて発射した。


 ディオスの攻撃と自身の攻撃が相殺される場を突き抜け、ドラゴンの顎門から発射された鋭角なミサイルが迫る。


 ディオスは両手を合わせて、あのヴァシロウスを圧倒した光の龍の攻撃をミサイルと、その下にいる阿座に放つ。

 三百メータトラックのグランドを覆い尽くす程の光の龍が牙を見せて阿座に迫る。


 放たれたミサイルは、その光の龍の中で消滅、その光の龍が阿座に襲い掛かる。


 それにローゼンナイト形態の阿座が、龍の顎門ある右手を伸ばした。

 そのまま、巨大な光の龍に呑まれる筈が、その光の龍を阿座の右腕龍の顎門は喰らい尽くす。


 ディオスの攻撃を飲み尽くした阿座は、175センチの漆黒の装甲躯体が変貌する。

 二倍近い三メータまで巨大化して、腕は巨大なドーラ砲の如き様相、足はロケットモータが幾つも組み合わさったキャタピラのようになり、体が龍の意匠を持つ形状になった。

 ロケットモーターキャタピラから爆炎を放ち、空にいるディオスに迫る。

 僅かな距離で音速を突破、衝撃波を放ち、巨大なドーラ砲の如き腕でディオスに殴りかかる。


 ディオスは、一瞬で来た大きく変貌した阿座に対処する為に神格鎧を纏う。

”マハーカーラ神式”

 赤きマハーカーラの神格鎧を纏い、阿座の拳撃とぶつかる。

 武力に特化した神格のマハーカーラの力と、阿座の攻撃が同等だった為に、周囲に暴威的な力を放出される。


 ディオスは今の阿座の形態をディストラクトドラゴンと名付ける。


 ディストラクトドラゴンの阿座は、ディオスに攻撃を加えながら両肩の装甲を開き、豪雨の如き光線を発射する。


 ディオスは、マハーカーラ神格の力を使って空間に無数の槍を作り、それに対応する。


 ディストラクトドラゴンの阿座は、両肩の攻撃をしながら、ディオスに攻撃を加える。

 そのドーラ砲の如き拳から強烈な圧力波を放つ。


 ディオスはそれを交わしつつ、阿座に攻撃を加える。


 ディオスと阿座の戦闘を見上げるギャラリー。その中にいる奈々は鋭い顔をしていた。

 ネオゼウスを取り込んで変異した阿座は、進化する兵器だった。

 まさに超魔導兵器と呼ぶに相応しかった。


 阿座は、ディオスに攻撃が当たりにくいと判断した次に、次の形態に変異する。

 三メートルのディストラクトドラゴンが縦に割れ、今度はシャープな人型装甲が出て来た。

 割れたディストラクトドラゴンは、背面に来て巨大なブースターとなる。

 シャープな人型装甲の両手に鋭角な光の剣が伸びる。

 そして、背面の巨大ブースターに火を付け、超音速の速度でディオスに攻撃を加える。

 残像が残る程の速度で攻撃する阿座。


 それにディオスは、ソニックソード形態か…と命名して対応する。


 阿座の攻撃する速度は、明らかに人知を超えていた。


 ディオスは、クレティアから受け取った超加速のスキル

”アクセラレーション”

で、対応するが、ソニックソードの阿座の方が早く追いつかない。

 そして、マハーカーラの神格鎧の力を使って赤き空間防御を展開、防戦一方になる。


 それにギャラリーの綾妃が

「やっぱり、凄まじい速度で進化する相手には、ムリがあったんすね」


 その隣にいたクレティアが

「アンタ…ダーリンの凄さを分かっていないわね」


 阿座は攻める一方で、何れ、勝てると思っていた。


 防戦のディオスは、ニヤリと笑う。

 これなら、あの魔法を使うに十分だな…。

 ディオスは、前々から考えていた魔法…いや、神術を使う。

 ディオスの背に特別な魔法陣ではない曼荼羅が浮かぶ。

 幾つも変貌する曼荼羅の陣、ディオスを中心として空間が変貌する。

 宇宙が広がる。戦っているグランドの範囲が宇宙空間に変わった。

 星々が煌めく小宇宙の領域。


「え!」

 阿座はその小宇宙に入った瞬間、身動きが取れなくなった。

 ディオスを中心とした小宇宙で、自分の行動が出来ない。


「成功だな…」

と、ディオスは告げる。

 ディオスが使った力、これは魔法の技術と神格の高次元の干渉力を融合させた神格魔法というオリジナルの新たな術式だった。

 この術式の名は、エルーゼルフォン(神の領域)

 まさに、この小宇宙の領域では、ディオスが絶対の神なのだ。

 ディオスが、神格マハーカーラを中心トリガーとして、エルーゼルフォンを形成し、阿座の全ての動きを止めたのだ。

 そして、ディオスは阿座を指さし

「…天地開闢(ヘブンアンドアース)…」

と、宇宙が始まったビックバンの再現をした。


 小宇宙が光となる強烈なエネルギーの爆発が阿座を襲い、阿座は一撃で気絶、ディオスは小宇宙エルーゼルフォンを操作して、倒れた阿座を保護した。


 気絶した阿座は、地面の位置であろう所まで降りて俯いている。

 阿座のソニックソードは気絶では解除されず、ディオスがエルーゼルフォンを解消して元に戻した瞬間、ソニックソードの形態が解除され、阿座が人の姿に戻った。

 

 地面に倒れる阿座に、ディオスが上空から降りて駆け付け脈を診る。

 力強い脈動に、阿座が健在であると分かった。


 その後、数分で阿座は目を覚まし、そのままディオスの屋敷まで普通に帰る事が出来た。

 その道中、阿座は…特別な力を得ても、自分はまだまだなんだなぁ…痛感した。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ