第202話 バルストラン共和王国に引っ越し
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ゆっくりと楽しんでいってください。
あらすじです。
阿座は、対エニグマ機関ザラシュストラに入る事となった。
三日後、阿座は曙光国補給部隊の職場にいた。
「今までお世話になりました」
阿座は同僚達にお辞儀する。
一番の古株が
「体に気をつけてやるんだぞ」
女性の兵曹が
「ほんと、ビックリよ。阿座くん気をつけてやるのよ」
職場のみんなは励ましの言葉を贈ってくれた。
上官の執務室に行く阿座。
「黒木 阿座。ザラシュストラに行く事となりました。今までありがとうございました」
上官に敬礼する。
上官は、阿座の肩を持ち
「君は、前々から前線に配属を願っていた。それがこんな形で叶うとは…。黒木くん、自分が何の為に戦うか…それを忘れるな」
「はい!」
と、阿座は強く答えた。
住んでいた寮の荷物を纏め、魔導トラックに乗せて指定された飛空艇空港に、七海と一緒にいると、空間転移のゲートから、エルディオンが現れ、それに阿座達の魔導トラックは回収された。
無重力吸引の力で、エルディオンに入る阿座達、エルディオンの下部ゲートに入り、そこにディオスがいた。
「ようこそ、黒木 阿座くん。七海ちゃん」
ディオスは微笑み二人を歓迎する。
その後、エルディオンは空間転移でバルストランのディオスの屋敷の上に出て、ディオスと阿座達を下ろす。
阿座達の荷物が載った魔導トラックを屋敷の玄関につけて、荷物をディオスや、信長、ユリシーグ、ラハトア、アーヴィング、カイド、女中達のレベッカ、ユーリ、チズ、ココナと大勢で引っ越しを始める。
ディオスの屋敷は、元飛空艇乗りの休憩旅館だ。二階建ての二棟の大きな屋敷だが…最近、人数が増えたので、もう一棟増築して、三棟となり、新たな三棟目に阿座と七海が入った。
阿座と七海はディオスに連れられて屋敷を案内されていると、北側の方にドームのような建物が見えた。
阿座がそれを指さし
「あれは…何ですか?」
ディオスは、その建物を向いて
「ああ…最近増設した、賢者の石加工機工場だ。色々と作る事が多くなって、それで新たに作ったんだ」
「へぇ…」
と阿座は流石、技術専門の方だと…。
玄関に来ると、ディオスがゼリティアの屋敷と繋がる空間ゲート、ヤヌスの前に来て
「ここが、バルストランの王都にあるゼリティアの屋敷と繋がる空間接続ゲート、ヤヌスだ」
「はぁ…」と阿座は驚き
「さあ…」とディオスは、阿座と七海を連れてヤヌスの門を潜り、ゼリティアの屋敷に来る。
軽い城並みの大邸宅に阿座は驚き、城邸の外に出ると、王都の都会の風景があった。
阿座は驚きで
「流石、聖帝となると凄いモノをお持ちですね…」
ディオスは腕を組み平静に
「何かで王都に行きたいなら、ここを通るといい」
ディオスの屋敷に来て、阿座と七海の生活が始まる。
ディオスの屋敷での食事は、女中、暮らしている主のディオスから全員が、一緒に食事を取る。
超大所帯の食事、人数が増えたので、食事を作るのも三人がかりだ。
七海と阿座は、ディオスとその子供達四人、妻達三人、女中達四人、ディオスの仲間達男五人、阿座と同じネオゼウスの彼女達三人、自分達も合わせて二十二人の騒がしい食事に包まれる。
その後、午前中はディオス達と一緒に体力作りの訓練、午後はディオスは、魔法研究と魔導石製造で在宅、残りは王都の武家ヴォルドル家に出稽古だ。
阿座は、バルストランの王家にも通じる武家の大公ヴォルドルの修練場で、実戦的訓練を受ける。
とにかく戦う。
そこには、ディオスの親友で頼れる仲間の次期剣聖候補のナトゥムラ、スーギィ、マフィーリア、バルストラン剣聖のヴァンスボルトと、元剣聖のナターシャ、ディオスの妻達レオルトス剣聖クレティア、トルキアの武術家のクリシュナ、その他、諸々の武術の達人達がいる。
強い達人達のお陰で、ディオスの仲間達は、メキメキと武術の腕を上げる。
奈々も洋子に綾妃も、ここに来てレベルが上がった。
阿座は思った。
これ程、鍛えられる恵まれた環境にいれば、自分も絶対にレベルが上がると…。
ナトゥムラは、阿座の実戦訓練を見つめ
「動きはいいなぁ…」
スーギィが隣に来て
「ディオスの周りには、磨けば輝く原石ばかりが集まる」
マフィーリアも隣に来て
「ディオスという聖帝の星に、才能ある流星達が引き寄せられているのだろうなぁ…」
ナトゥムラはフッと笑み
「スターダスト・クルセイダーズ…か…」
ナトゥムラの母親のナタージャが来て
「さあ、貴方達もうかうかしてられないわよ。あの子達は呑み込みが早いから、あっという間に追い抜かされるわよ」
午後の実戦訓練が続き、四時くらいになった頃、ディオスが迎えと一緒に顔を見せる。
修練場の一つ、大きい芝生のグランドでディオスの仲間達は、ヴォルドル家で鍛えている士官候補生達や、武家の嫡子達が一緒になって訓練しているそこに来た。
訓練を見て指揮しているヴァンスボルトにディオスが近付き
「どうも…どうですか?」
ヴァンスボルトが
「阿座殿は、どうやらそれなりに鍛えていたようです。見込みと才能があり、つい…指導に熱が入ってしまいますよ」
ディオスは肯き
「ほぅ…では、チョッと試せますかね…」
ヴァンスボルトは肯き
「期待は裏切らないでしょう」
皆が休憩を始めると、そこにディオスが来て阿座に
「阿座くん、ちょっと自分と模擬戦をしてほしい」
阿座は汗を拭い、水分補給して
「はぁ…分かりました」
こうして、ディオスは阿座のネオゼウスの性質を知る為の模擬戦を行う事にする。
ディオスの目はマジだった。
未知なる変化を起こしたネオゼウス、その力は…?
好奇心が疼いてしかたなかった。
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