表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
195/1107

第194話 彼女達の決断 テスト編

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


奈々、洋子、綾妃達は、ディオスの絨毯飽和魔法攻撃のテストを受けている。必至に耐える彼女達は…


ディオスの総攻撃、大規模破壊魔法を除いた魔法攻撃に耐えている奈々、洋子、綾妃。

 彼女達は閃光の世界にいた。

 全身のあらゆる方向から、暴威の魔法攻撃が襲い掛かり、それをスキルや魔法の防壁を使ってやっと耐えていた。


 ディオスのテストが開始してから三十秒。


 彼女達の全身全霊の魔法防壁が破壊された。

 残るは、身に纏っているスキル。

 八岐大蛇、スサノオ、タケミカヅチ

 魔法エネルギーで構築されたスキル能力だけが頼りだった。


 奈々は、ディオスの攻撃を凌ぐ為に、ディオスのいる上空へ飛ぶ。

 膨大な量の魔法攻撃を張っているディオスの後ろに行けば、何とかなる…と。


 だが、それは甘かった。


 攻撃魔法の嵐を抜けた奈々。

 その目の前には、ディオスが右腕を掲げて待っていた。

”グラビティフィールド・ワールド・アビス”

 百メータ四方の空間断絶結界の空を覆い付く程の超重力のエネルギーの巨大球体をディオスは掲げていた。

 それを奈々へ投げた。


 空気が圧し潰され、奈々へ衝突。

 超重力エネルギーの塊は、鋼鉄だった。

 奈々は、下へ落とし戻された。

 

 奈々を押し戻して、洋子と綾妃の下へディオスの超重力のエネルギーの巨大球体が落ちる。

 全身が砕けそうな力に、奈々と洋子に綾妃は晒され意識を失う寸前になる。

 もし、このまま気絶すれば、ディオスが彼女達の腕に付けたバイタルチェック転移腕輪で、ここから脱出できるだろう。

 だが、それはテストの不合格を意味する。


『アアアアアアア!』

 奈々と綾妃、洋子の三人は雄叫び、意識を取り戻した。


 時間は一分半。


 何とか立っている彼女達へディオスは、情け容赦なく絨毯飽和魔法攻撃を叩き込む。


 テストの空間断絶結界の外にいる信長、ラハトア、ユリシーグ、カイド、アーヴィング。

 信長はティリオとリリーシャを、ラハトアはゼティアを抱えて、荒れるテスト場を見つめる。


 歪み暴れる空間断絶結界を見ている信長が

「なぁ…まだ、出てこないようなぁ…」


 アーヴィングが

「時間的に二分半を経過したぞ」


 カイドが

「もしかして…耐えるのか?」


 ユリシーグが

「彼女達は、戦闘に特化したスキルを持ち、曙光国で特別なスキル部隊にいたんだろう。なら…可能性は、高いかもしれん」


 ラハトアが渋い顔で

「ディオスさんは…どうするつもりなんだろう?」


 信長が

「いいんじゃねぇ。兄貴、その辺りは柔軟だし。受かればそれなりに良し。落ちれば、お帰りください。それだけじゃないか…」


 ユリシーグは肯き

「そういう思いっきりが良いのもディオスだ」



 二分四十五秒

 空間断絶結界内で、ディオスは彼女達の気配を察していた。

「ほぅ…耐えるな…」

 ディオスは最終の仕上げに入る。

 両手を合わせ、下にいる彼女達に向ける。

 そう、魔法ではない。純粋な自分の六属性の全てを込めた魔力を彼女達に放つのだ。

 ディオスの砲身とした両手から、閃光の巨大龍が噴出する。

 全長三千六百メートルのヴァシロウスさえ、吹き飛ばしたあの閃光龍で彼女達を襲撃する。


 更に強力なディオスの攻撃にさらされた彼女達。

 立っている事が出来ない。

 四つん這いになり、食いしばる。

 身を守る、九つの龍のエネルギー体の奈々。巨人のエネルギー体の洋子。雷の巨人のエネルギー体の綾妃。

 彼女達は必死に耐えた。

 ここで終われば、自分達は何の為に努力したんだ!

 自分を叱咤させ、耐える。


 そして、三分が来た。

 ディオスは攻撃を止めた。

 そう、彼女達は耐えたのだ。


 ディオスは着地して、四つん這いになっている彼女達を見る。

「三人とも、このテスト合格だ」

 空間断絶結界が解除され、外の風景が顕わになる。


 奈々が

「や…た…ぞ」

と、告げた瞬間、彼女達三人はその場に俯せに気絶した。

 限界ギリギリだった。


 その後、ディオスの屋敷に運ばれ、医者に診て貰い。

 彼女達三人は、ベッドに横になって、回復液の点滴を受けていた。

 ディオスは、横になっている彼女達を確認して、部屋から出ると、廊下にクレティアとクリシュナにゼリティアの妻達がいた。


 クレティアが

「ねぇ…ダーリン。どういうつもり?」


 ディオスは首を傾げ

「別に、テストに受かれば。受かったなりの事をするだけだ」


 クリシュナが腕を組みながら

「正直、夫は露払いで、彼女達を落とすつもりだと思っていたわ」


 ディオスはフッと笑み

「まあ、確かにクリシュナのように汚れ役をかって、嫌われて諦めてくれれば一番いいが。それなりの能力があるなら、それを生かさないのは罪だと思う。それに」


 ゼリティアが

「それにじゃ。夫と褥を重ねても、夫の力を欲しいという連中じゃ。落ちたからと言って諦めるのは…考えられん」


 ディオスは肯き

「そうだ。そういう事だ」


 クリシュナは「ふ~ん」と肯き

「じゃあ、次のテストである。アタシ達の試験は、アタシ達が好きにやっていいのね」


 ディオスは肯き

「そうだ。それが公正だ」


「はいよ」とクレティアはディオスの肩を軽く叩いた。


 ディオスは「頼む」と告げる。



 次に行われるテストは、武闘派の奥方達の実戦テストである。


 ディオスが子供達とお風呂に入っている時間、妻達は居室で


「ねぇ…アタシはあの子達を落とすつもりでやるけど…」

 クレティアが告げる。


 クリシュナが

「まあ、夫が好きで告白した場合は、何も言えないけど…」


 ゼリティアが

「あの者達は、夫殿の力だけを欲していた。そんな輩は…」


 クレティア、クリシュナ、ゼリティアの三人は残酷な笑みを向け合った。

 


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ