第193話 彼女達の決意 その二
次話を読んでいただきありがとうございます。
ゆっくりと楽しんでいってください。
あらすじです。
ディオスのテストが始まる。それのテストがどれ程か…彼女達は知らない。
ディオスは、奈々、洋子、綾妃の彼女達をバルストランの屋敷に呼んだ。
彼女達三人は、ディオスの家族と顔合わせする。
八歳くらいの娘のアイカ、三歳近いティリオとリリーシャにゼティア。
女中のレベッカとユーリ、チズにココナ。
そして、弟子…というより同志とか友達に近い、アーヴィングとユリシーグ。
何時の間にか、弟になった信長とラハトアにカイド。
奈々は、その皆を見て思ったのは…。
何か…こう…親戚の集まりのような気楽な空気が漂っていた。
ディオスの隣に三人の妻達が並ぶ。
金髪でチャーミングな笑顔のクレティア
エキゾチック美人のクリシュナ
大貴族のような高貴な雰囲気の夫人のゼリティア。
ディオス達の家族が揃っている様子は、本当に普通のどこにでもあるような家族のような雰囲気がする。
子供達が、ディオスの下に来る。
三歳の子達、三人同時に抱っこをねだるので、ディオスは抱っこアシスト魔法で、三人を抱っこした。
子供達三人は、ジーと奈々と綾妃に洋子を見つめる。
洋子が手を子供達に手を振ると、子供達が手を振ってくれた。
綾妃が
「以外。なんか…聖帝の一族ってもっと、こう…偉くて厳しいぞ!って感じだと思いましたが…」
洋子が
「以外と普通…ですね」
ディオスはフッと笑み
「当たり前だろう。何か色々と尾ひれが付いて話がデカくなっているだけで、普通だ。普通!」
ディオスに抱っこされるリリーシャが
「ねぇ…お姉ちゃんたち、遊びにきたの?」
ディオスはリリーシャに
「ちょっと、テストっていうお試しをして、合格したら、遊んで貰えるからかなぁ」
リリーシャは、ジーと洋子を見つめる。
洋子はそれに気付き
「遊んで貰いたい?」
手を伸ばすと、リリーシャは恥ずかしそうな顔をして、ディオスの顔に顔を寄せて隠す。
それにディオスは「ははは…」と笑い
「すまん。ちょっと下ろしていいか?」
子供達はそれを拒否してもっとディオスに抱き付くと、信長にラハトアが来て
「オレ達が預かりますよ」
信長がティリオとリリーシャ、ラハトアがゼティアを抱っこした。
子供達を預けたディオスは
「では、早速、試験をやろう」
洋子、奈々、綾妃は、背筋を正し
『よろしくお願いします!』
と、敬礼した。
そういう堅い所は、軍人だなぁ…とディオスは堅い笑みをした。
ディオスは、屋敷から二キロ程度、フェニックス町外れにある平原に彼女達を連れてくる。
それには、ティリオとリリーシャを抱っこする信長と、ゼティアを抱っこするラハトア。
アーヴィング、カイド、ユリシーグの五人も同行する。
ディオスは懐から魔導端末を取り出し連絡する。
「あ、イヴァン。オレの位置が分かるか?」
『はい、どのようなご用件で』
「今いる場所に、百メータ四方の空間断絶結界を張って欲しい」
『了解しました』
ディオス達の頭上、二万メートルにいるエルディオンがディオス達のいる平原の上に飛行静止して、エルディオンの下部の一部が開いて、さっき言った。
空間断絶結界を作るアンテナを伸ばし、ディオスの前に百メータ四方の虹色の空間断絶結界を作った。
大きな結界を前にディオスが彼女達三人
「とてもシンプルなテストだ。オレが放つ攻撃を三分耐えればいい」
「はぁ?」
綾妃が面食らった顔をする。
奈々が戸惑い
「それでいいんですか?」
ディオスは肯き
「どんな方法でもいい。スキルを使うも魔法を使うも、特殊技能や能力、何でも使ってこの中で三分耐えればいい」
洋子と綾妃、奈々は戸惑いを向け合う。
それはもの凄く簡単だ。
防護結界を張れば大抵の攻撃は防げる。
彼女達が簡単で困っている様子を、信長、ユリシーグ、カイド、ラハトア、アーヴィングは怪しげな笑みで見つめる。
ディオスが
「因みに、そこにいる五人は、全員耐えたから」
洋子、綾妃、奈々は、五人彼らを見る。
五人は怪しげな笑みを彼女達に向けている。
その意味を後で彼女達は知る。
「じゃあ、やるぞ」
ディオスが、空間断絶結界に手を触れると、そこが開き中へ入る。
彼女達も続いて入り、入口が閉じた。
四人が入った後、信長が
「どのくらい耐えられるかなぁ…」
七色の断絶結界の中でディオスは、彼女達三人に特別な腕輪を渡した。
「これを装備してな」
奈々は右腕に填めて
「何ですか…コレは?」
ディオスは腕を組み
「バイタルをチェックして、ヤバくなった場合、エルディオンの力で空間転移して、結界外へ出す魔導具だ」
「はぁ…」
と、奈々は首を傾げる。
どんな方法でもいいから防げに、そんな必要があるのか?
そう思っていると、ディオスが
「じゃあ…さっそくだけど、好きに力を展開してくれ」
奈々と綾妃に洋子は顔を見合わせた後。
”八岐大蛇”
”スサノオ”
”タケミカヅチ”
彼女達はスキルを発動させ纏った。
「よし、じゃあ…始めるぞ」
ディオスは頷いた次に、ベクトの瞬間移動で結界の上、最天井に移動した。
「え?」と洋子はディオスを探すと、綾妃が
「あそこだ!」
遙か、千メータ上にいるディオスを指さす。
上空にいるディオスは、全力を出す。
ディオスの背後、この空間断絶結界の天井を覆ってしまう量の膨大な数の魔法陣が展開される。
結界内の天井は魔法陣に包まれる。
膨大な数の魔法陣に、奈々と綾妃に洋子は青ざめる。
そして、彼女達は思い出した。
ディオスが、聖帝と呼ばれるほどの強大な魔導士であると…。
”グラビティカノン・オル・オーバー
シックス・センス・フュージョン・カディンギル
セブンズ・オール・レイン
ゼウス・サンダリウス・オーバー・スカイ
アース・テンペスト
ディストラクション・ウエーブ
グランギル・カディンギル・バベル・ワールド
バハ・フレア・オーバー・ワールド
アイス・ワールド・ダウン
カディンギル・ダウンフォール
ブラックホール・レイン
アイス・ランス・ラグナロク
セブンズ・ゲート
ブラックホール・アビス
クワイトロール・カタストロフィ・オクトーバー
ダウンフォール・バベル・ワールド・エンド
フレア・バベル・ダウン
グランギル・フレア
プロミネンス・アヴェント”
膨大な攻撃魔法×百倍の量で放つディオス。
因みに、ヴァシロウスや、巨大な千メータ級戦艦で使った広域破壊魔法は使ってない。
使うと、周囲が破壊されるのでやらない。
それは十二色のデタラメな色に染まった天蓋が彼女達に堕ちて来た。
ディオスのマジな攻撃魔法の豪雨台風に彼女達三人は飲まれた。
『アアアアアアアアアア』
全身を引き裂かれるような衝撃が最初に来て、縦横無尽、ありとあらゆる方向から、デタラメな強さの魔法攻撃が襲い掛かる。
痛みと暴威な圧力に晒され、彼女達は叫んだ。
そして、外では、空間断絶結界が、歪に膨れたり歪んだりした。
空間を断絶する程の超強力な結界でさえ、ディオスの力に耐えているのがやっとなのだ。
外にいる五人は、それを見て顔を引き攣らせた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次話があります。よろしくお願いします。
ありがとうございました。