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第179話 純也ショック再び 中篇

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


ダラス、ウルア、メディナの三娘達は、ディオスに純也との婚姻の後見をお願いするのだが…


 翌日のディオスの屋敷にてダラスが尋ねて来た。

「どうしたんだ?」 

 ディオスが広間で対応する。

 その傍には、クリシュナ、クレティア、ゼリティアの三人の妻達もいる。


 ダラスがモジモジと

「その…私と純也との結婚についての、後押しをお願いしたい」


 ディオスは瞳を大きく広げて驚き

「はぁ? お前と純也が、結婚? 本当に?」


「ああ…」とダラスは恥ずかしそうだ。


 ディオスは考える。

 ええ…とダラスの年齢は純也より一つ上の十九だから…。

 ええ…バルストランの法律では、男女は…男が十八、女が十六から結婚可能だったな。


「アア…う…ん。成る程…」

と、ディオスは鳩が豆鉄砲を食ったよう顔で頷く。


 ダラスが

「その…私は貴族で、純也は王都の守護騎士とはいえ…平民だ。故に、聖帝であるディオス殿のお力添えが欲しいのだ」


 ディオスは首を傾げながら

「まあ、力になれるなら…貸してやるが…。お前と純也が…」

 全くそんな素振りさえ見えなかったのに…。

 オレは鈍感かなぁ…。

 そう、自分の鈍感具合の悪さを叱咤する。


 ダラスが

「よろしいだろうか?」


「ああ…大丈夫だ」

 ディオスは頷いた。


「ありがとう!」


 こうして、ディオスはダラスと純也の結婚の後見となった。



 ダラスが去った後、クレティアが

「しかし、全然気付かなかった」


 クリシュナが

「ええ…そんな素振りなんて見えなかったわ」


 ゼリティアは

「男女の仲とは奇っ怪だからのぉ」


 ディオスは頭を掻いていると、インターフォンが鳴った。

 次の客はウルアだった。


 ウルアは広間で

「アタシと純也の結婚の後見になって欲しいの!」


「え?」

 ディオスは驚きの声を漏らす。

 

 ウルアがお願いした内容は、ダラスと全く同じだった。

 貴族と平民故に、ディオスの聖帝としての後押しが結婚に必要だと。


 ディオスはそれを聞いて、思考が複雑怪奇に巡る。

  え? なに? ダラスだけでなく、ウルアも純也と結婚するの? えええ?

 つまり、二人が純也と結婚するの?

 はぁ? どういう事なんだ?

 

 困惑した思考のまま、ウルアの

「お願いしても…」


「ああ…分かった」

と、ディオスは頷いた。

 

 ウルアが去った後、ディオスはとある考えに帰結する。

 つまり…自分達、クレティアやクリシュナにゼリティアのように後見証明人制度で、二人して純也と結婚するのか…。

 まあ、確かに後見が必要だから…。

「んんんん…」

 ディオスは唸って考えていると、またしてもインターフォンが鳴った。

 来たのはメディナである。


 メディナは広間で

「私と純也の結婚の後見になってください」


「ああ? ああ…」

 ディオスはポカンとする。


 ダラス、ウルアに続いてメディナも、純也との婚姻の後見になってくれと…。

 その理由は、全く同じだった。


 ディオスは呆然としつつも、メディナのお願いを了承した。


 メディナが去った後、ディオスは妻達と和になって考える。

「どういう事なんだ?」

 ディオスが口にする。


 クレティアが

「ええ…つまり、ダラスとウルアにメディナの三人は…純也くんと、アタシ達と同じく重婚するって事?」


 クリシュナが

「そうとしか…」


 ゼリティアが

「しかし、面妖な…。それなら、四人して来れば良いだろうに…」


 ディオスは、額を抱え

「何か、引っかかるんだよなぁ…」


 ゼリティアが腕を組み

「まあ、あの三バカ娘共は、貴族の面汚しをしているからなぁ…。純也殿と婚姻すれば、それも帳消しと見なされるかもしれんし…。オチとしては良い場所に落ちたと言える」


 クリシュナが

「でも、あの四人、全くそんな素振りを見せていなかったわ」


 クレティアが

「アタシ等も、全部、純也くん達と関わっている訳じゃないしねぇ…」


 ディオス、クリシュナ、クレティア、ゼリティアの四人夫婦は

『んんんん』

と、四人同時に唸ってしまった。


 そこへ、広間にあるゼリティアの城邸とディオスの屋敷を結ぶヤヌスゲートからソフィアがゼリティアの城邸から姿を見せ

「おーい ディオス、アンタのお客が来たわよ」


「ああ…すまん」

 ディオスは、ヤヌスゲートを潜ってゼリティアの城邸に来ると、そこには護衛を連れたヴィルヘルムとライドルがいた。

「来たぞ」

と、ライドルは手を上げ、ヴィルヘルムはお辞儀する。




 その夜、ディオスの屋敷にライドルとヴィルヘルムがいた。

 こうして他国の王族が来るようになったディオスの屋敷では、警備を上げる為にとある警備システムが導入された。

 ディオスの屋敷の周囲を十二個の高さ四メータのオベリスクのような魔導石塔が囲み、その両脇には同じ大きさの四メータのゴーレムが跪いている。

 ミニマムサイズというゴーレムが二十四機、この屋敷に近付く不審者を警戒する特別な警戒装置で、もしもの有事にはこの二十四機のゴーレムが自動で動き対処する。

 無論、その場景は王宮にも伝わっていて、援軍も直ぐに来る。

 その前に、ディオスが疑似シンギラリティ化させた信長、カイド、ラハトア、アーヴィングの四人がディオスの屋敷に住んでいる。


 ぶっちゃけ、一騎一国と言われるバケモノ達が蠢く巣窟に、飛び込もうなんてバカは…本当の愚か者ならあり得るだろうが。

 見つかった瞬間、圧倒的飽和魔導攻撃にて潰されるだろう。

 要するに世界一安全な場所になりつつあるディオスの屋敷だ。


 二階の客間にて、ディオスはウィスキーでライドルとヴィルヘルムの二人と一杯やりながら話をする。

 三人ともソファーに座り、ウィスキーを飲みながらライドルが

「そうか…エルディオンのような特別な戦艦には、転移コードというモノが…」


 ディオスは口にして

「ええ…。ですが…その転移コード、妙な所がありまして…」

 ディオスがその妙な所を話すと、ライドルとヴィルヘルムは、んん…と唸った。


 ヴィルヘルムが

「アインデウスの開示待ちとは、歯痒い」


 ライドルが

「致し方ないが…やれる事はやって置こう。それで…ディオスがアクルカンより得たデータから、設計可能となった龍機操車についての…」

と、三人は色々と話し合った。

 

 そして、ディオスが

「その…お二人に聞きたい事が…」


「なんだ?」と眉間を寄せるヴィルヘルム。


「んん…?」とライドルが首を傾げる。

 

 ディオスから、純也達の事を聞いた二人は、ヴィルヘルムが腕を組み

「まあ、前例がない事はないが…レアケースだぞ」


 ライドルがウィスキーのコップを持ちながら

「ワシの方でも思い返せば、そういう話があったと昔、聞いた事がある」


 ヴィルヘルムが

「その純也という人物は、ディオスと同じシンギラリティなのだろう」


「ええ…」

と、ディオスは肯き

「色々とシンギラリティの実験にも参加して貰っていますし、王都の守護騎士という地位にもいます」


 ライドルが

「貴族の娘達と、平民だが王都の守護騎士までになった男との重婚…。まあ、確かに本人達の意思では難しいだろう。故に、ディオスの後押しをお願いする辺り、道理としては理にかなっている」


 ディオスが首を傾げながら

「でも…妙な感じがあるので…」


 ヴィルヘルムが

「なら、その純也という者を明日、呼べばいい」


 ライドルが

「一応の確認は必要だろう」


「そうですね」

と、ディオスは頷いた。


 ヴィルヘルムが

「私達も、その手助けに参加してやる」


「え、いいんですか?」

 戸惑うディオスにライドルが

「その者が娘達と結婚して、この地を守るなら、お前も色々とやりやすいだろう」


「はい、まあ…」


ヴィルヘルムが

「ディオス以外に、他の王族が関わっているなら、妙なやっかみも少ないだろう」



 翌日、ディオスは純也に連絡を取って屋敷に来て貰った。

 インターフォンが鳴り、玄関にディオスが行き

「やあ…おはよう」

 純也がいる。


「どうしたんですか? また、何かの新しい実験でも?」


「まあ、入ってくれ」

と、ディオスは純也を入れると、広間に多くの人がいた。


 ディオスの妻達クリシュナ、クレティア、ゼリティア。

 ライドルにヴィルヘルム、そしてナトゥムラとスーギィにマフィーリアとソフィアもいた。


 豪華な面子に純也が

「な、何ですか? この豪勢な面子は…」


 ディオスが「こっちへ」と一団に純也を導き


「なぁ…純也くん。結婚するんだろう」

 ディオスが切り出した。


 純也は瞬きして

「え? 誰が?」


 ディオスが

「いや…君が…」


 純也は自分を指さし

「え、オレが? どうして?」

 疑問で返す純也に周囲が戸惑いを見せる。


 クレティアが

「昨日…ダラスとウルアにメディナの三人が来て、三人とも、アンタと結婚するって…」


 純也は瞳を広げ仰天し

「え! 何を言っているんですか! そんな訳ないでしょう!」


”え? ええ?”と周囲から戸惑いの声が漏れる。


 純也の予想外の反応にディオスは、額に手を当て考える。

 どういう事だ? 何が起こっているんだ?


 ゼリティアが顔を驚きに染め

「夫殿、あの三娘達が、何を言っていたか思い返して欲しい!」


「え?」とディオスは戸惑う。


 クレティアが「まさか…」と青ざめ。


 クリシュナが

「ウソ…そんな…」

 妻達がショックを受けている。


「ええ? ええ!」

 困惑するディオス。


 クレティアが

「ダーリン、あの三バカ娘共、三人とも、自分達じゃあなくて、自分がって言っていたのよ!」


 ディオスはそれを聞いて「はぁぁぁぁ」と息を大きく呑み込んで青ざめる。


 ライドルが

「おい、どういう事だ?」


 ディオスは頭を抱え

「やりやがった。あのバカ娘共…」


 そこへ、更にインターフォンがなり、レベッカが来て外の人を確認すると、玄関に来て招き入れる。

「旦那様、ダラス、ウルア、メディア様達のお父様達が…」


 ダラスの父が

「ディオス様、純也くんと娘達の婚姻の後見になってくれるそうで…ありがとうございます」


 純也は

「ええ? えええ! どういう事ですか?」


 ディオスがガクッと膝が崩れ

「ああ…とんでもない事に…」

 そう、あのバカ娘共は、どんでもない事をやってしまった。

 

 どうして、そうなるんだ!

 そんな疑問ばかりがディオスの脳裏を過ぎった。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

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