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第177話 仮面装備アクルカンの実験 後編

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


本格的にアクルカンを発動させた実験をするディオス。それによって判明した事は…


 三日後、それはバルストランとフランドイルの堺にある人里離れた山脈の麓で行われる。

 この実験は、アーリシア統合軍のバックアップが付いてくれたので、エルディオンを動かせた。

 よって、エルディオンに検査システムを乗せ、多くの助手をしてくれる人達を連れて、アクルカンの起動実験をする。

 もしもの場合に備えて、ディオスと信長にユリシーグ、それに新たに仲間となってくれたカイドとラハトアにアーヴィングの三人もいる。


 高度二千程度の空中静止するエルディンにディオス達がいる。

 今回のアクルカンの発動者は純也である。

 純也の他に、ダラス、ウルア、メディナの三娘達もいる。

 彼女達三人には、擬似的に純也と繋がる仮の双極の指輪をさせ、純也に掛かる負担の分散ともしもの場合の対処をしてもらう。

 無論、それはディオス達、エルディオンでも行える。

 

 エルディオンのCICにいるディオスが

「では…純也くん。始めてくれ」


「はい」と純也は肯き、仲間の三娘達に

「お前等…問題を起こすなよ」


「任せろ!」と自信満々のダラス。


「ばっちこいです!」とよく分からない気合いをするメディナ。


「この報酬が…ぐへへへへ」と後でくれる報酬の使い所を考える欲深いウルア。


 それを見て逆に心配になる純也だが…実験は行わないといけない。

 よって発動させた。

 

 純也は深呼吸をして自身の内にあるシンギラリティの渦に意識を集中させると、それに何かが接続しようとしている。

 アクルカンだろう。

 

 純也は、それとシンギラリティの渦を接続させた瞬間。

 膨大な量の魔力の粒子が噴出。

 純也達を強力な魔導エネルギーフィールドに包み、無重力化させて浮かばせる。


 その様子をモニターするディオス。

 隣にいるケンブリッジが

「はじまりましたね」


「ああ…」

 ディオスは鋭い顔をして、純也から送られるデータを見つめる。


 純也が起こしている現象。

 純也のシンギラリティと接触したアクルカンは、そこから膨大な魔力を引き出し、アクルカンから周囲の空間へ魔力で構築された魔導回路を広げる。

 そして、周囲に魔力を放出、その魔力を収束構築、再構成させて何かを具現化させる。

 まず、何かの朧気な形が出現する。

 その全長は千メータだ。

 段々と、純也から伸びる魔導回路がそれに肉付けをして、形を構築する。


 それは現化した。

 全長千メータの巨大なティラノサウルスの足を持ち、大地を踏みしめる鋼色の人型のような龍だった。

 胸部には、胸部と一体化した光の球体に包まれ守られる純也達がいた。

 擬似的なドッラークレスだ。

 

 ディオスはCICのモニターに映る擬似的ドッラークレスに鋭い顔を向けていると、同じく同席していたアリストスのヴィクティアが

「ドッラークレス(超龍)より少し下位の存在、ドラクリアス(超位龍)です」


 ディオスはヴィクティアを横見する。

 もっと話して欲しいが…と思うが、多分、制限が掛かって無意味そうなので

「そうか…」

と、いう程度で終わらせた。


 ドラクリアスにいる純也達は、ダラスが

「純也――― コレ、もの凄い力を感じるぞーーー」

 テンションが高い。


「純也ーーー 力を使って見ましょう!」

 メディナもテンションが高い。


 純也は頭を抱え

「おい、お前等…今は、起動するだけの実験だから…」


「よし! やってみよう!」

 ダラスが勝手に動かす。


 純也と繋がり、ドラクリアスの権限を一部持っているので、ダラスはその権限で試し打ちをしようとした。


「おい! ダラス!」

 純也が止めようと叫ぶ。


 ダラスが嬉々として、ドラクリアスを使おうとしたが…

『おい、バカ小娘共…勝手な事をしたら…どうなるか。分かっているな…』

 ドスの効いたディオスの声が四人の持っている魔導通信機から放たれる。

 マジオコのディオスがいた。


「待って! ダラスーーー」

と、ウルアがダラスに飛びつき止める。

 もしここで力を使ったら報酬どころか、やった事に対する負債を背負わされると思い、止めさせる。


 メディナが

「いいじゃないですか! ちょっとくらいケチ」


 ウルアがメディナに飛んできてその口を塞いだ。

「何! バカな事を言っているのよ!」


「ウルア…」とメディナが嫌そうに見る。


 ウルアは

「ここで変な事をすると、報酬がパーになるのよ」


 メディナは俯き黙った。

 報酬の方がおいしいからだ。


 四人の肩にある小型の魔導通信機からディオスが

『分かっているなら、言われた通りの実験をする』


 この後、ドラクリアスを解除すると、構築していた魔導回路が魔導石化して、大地に降り注いだ。

 その破片を回収して、どのような事があるか調べたが、大して問題のない普通の魔導石だと分かり、次にどの程度で発動限界なのか、様々に出力を調整して繰り返した。


 面白い事にアクルカンは、出力によって発動させる規模が大きくなるのではなく、構築の魔導回路の広がりによってその発動させる規模が決まる。

 最大まで魔導回路の構築を広げると、千メータのドラクリアスになり、その千メータ以下の規模は、周囲の環境を呑み込んで特殊な領域を形成する。

 一種の擬似的創造領域のような現象を起こす。


 それで、ディオスはとある事を思い返す。

 嘗て、このアクルカンの元データである聖剣ガリアラスと聖槍カシリウスを使って、様々な奇跡を起こしたという伝承は、このドラクリアスの持つ疑似的創造領域によってもたらされていたのだろう…。

 その擬似的創造領域を維持するには、膨大な魔力が必要になる。

 シンギラリティ専用の装備だな。

 ディオスは、アクルカンの位置づけを判明させた。


 ディオスは同じCICにいるヴィクティアに

「ここまで分かりました。で…他に関連する事を教えては…」


 ヴィクティアは微笑み

「今、判明している範囲ないでしか、教えられません」


 ディオスはチィ…と舌打ちした。


 それでもヴィクティアは微笑んでいた。

「実験を続けましょう」

と、次の実験をディオスは指示した。


 こうして、三日程、この堺の山脈でアクルカンの実験を繰り返し、様々なデータを取って幕を引き、アクルカンの仮面装備を正式に大規模破壊魔法の運用制限条約の一つに取り込んだ。


 ディオスは、屋敷に戻ると、このアクルカンの実験データから、とある装備の設計を作り出す。

 それは、スキルに繋がる神格の力を引き出し、その神格の力をもっと汎用性高く使い勝手を良くしたゼフォンという神化変形式装備である。


 ディオスは腕を組み

「これ…使う宛てがあるかなぁ…」

 正直、アクルカンで十分なのだ。

 一応、そういう事が出来るというデータとして残して置く事にした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

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