表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/1107

第176話 仮面装備アクルカンの実験 前編 

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


ディオスは、仮面装備アクルカンを装備してどのような事になるか、実験をする。

 ロマリア首都モルドス、ロマリア皇帝城にカイドとユリアが来ていた。


 二人は、ライドルに自分達を救ってくれた事のお礼と、親戚として顔見せをしていた。


 ライドルはカイドを右に

「いや…本当に良かった」

 優しくカイドの肩を抱く。


 ここは、皇帝一族が暮らす区画である。


 ライドルの五人の妻達と、アルミリアス夫婦に、ライドルの子供達、ライハドとイルドラ、その二人の妻達もいる大所帯の食卓で、カイドとユリアは歓迎を受けている。


 カイドが頭を下げ

「小父様…ライハドお爺様、イルドラひいお爺様。本当にありがとうございました。小父様達のお陰で自分達は救われて…この恩…どのように返せば…」


 ライドルは微笑み

「いいんだぞカイド…。お前はワシの甥っ子で、ユリアは姪っ子だ。助け合うのが当然だ。気にするな…」


 カイドは、首を横に振り

「だからこそ、今度は、自分が小父様達を助けたい!」

 強く告げた。


 ユリアはハァ…と溜息を漏らし

「ライドル小父様…お兄様のお話を聞いてやって」


「なんだ? どうした?」

 ライドルが尋ねると、カイドはライドルにとある事を告白した。

 始めは目が飛び出る程、驚いたが…「そうか…」と噛み締め

「分かった。ワシの方からも…言って置いてやろう」


 カイドはライドルへ再び頭を下げ

「ありがとうございます。小父様」


「ただし、条件がある。定期的にルクセリアへは帰って来る事、二・三ヶ月には一度な。無論、ワシの所にもくる事。それだけは約束しろ」


「はい!」

 カイドは、声を張って頷いた。



 そして、ライドルの十五の息子のラハトアが

「お父様…自分もお願いがあります」


「なんだ?」

 ライドルがラハトアを見つめる。


 ラハトアは思いの丈をライドルにぶつけ、ライドルは項垂れた後

「分かった。お前も…言って置いてやろう」


「ありがとう! お父様…」


 母親の北方シャルボアが

「ラハトア…体には気をつけるのよ」


「はい!」

 嬉しそうにラハトアは告げた。


 楽しげなロマリア皇家の大食卓、そこへイルドラに言づてが入り

「何?」

と、イルドラは眉を顰め、言づてした者と一緒に行く。


 来た場所は皇帝城の数ある内の客間だ。

 そこにアーヴィングがいた。


 アーヴィングはイルドラを見ると、土下座して

「イルドラ様! お願いがあります!」


「どうした?」

と、イルドラはアーヴィングに尋ねると、アーヴィングはとある事を口にした。


 イルドラは、はぁ…と溜息を漏らし

「分かった。正し条件がある。ひ孫のラハトアとカイドも、お主と同じようになるから、その護衛としても働いて欲しい」


 アーヴィングは立ち上がって胸を叩き

「お任せください!」


 イルドラは、やれやれ…と思うも…

「これも、運命か…」

と、呟いて納得させた。




 ディオスは、とある実験場にいる。

 バルストラン王都から数キロ離れた平原で、沢山の魔導検査機器を載せた魔導トラックが止まり、その魔導トラックの貨物車のモニター室では、アーリシアのエルダー級、ケンブリッジと、アインシュ、アルサドーラ、サンドラ、アリストスのアインデウスの関係の研究者で黒い長髪のオーガの女性ヴィクティアと同性の二名の部下、他にも助手としてエルダー級魔導士達の部下達も多数いる。

 彼らが研究をしようとする物体、それは彼ら数メートル離れた先にある。

 ディオスが聖剣と聖槍のデータから作り出した仮面装備アクルカンを装備する純也がいた。

 鼻の上に付けるアクルカンを装備する純也の周囲には、検査機器を操作するモニタートラックに繋がる二メータ前後のオベリスク型の検査機達が七個囲んで並んでいる。

 無論、純也の体にも、検査端子は付いている。


 ディオスはモニター室車で、データを取っている全員と共に、考えている。

「んん…やはり…シンギラリティの渦と共鳴していますね」

 ディオスが告げる。


 アインシュが

「検査出力を上げてみますか?」


 アルサドーラが

「いや…これ以上は、あまり意味が無い」


 サンドラが

「やはり、ロマリアからの力添えを待った方がいいでしょう」


 ヴィクティアが

「慎重な方がいいです。元となった存在の完全なコピーなら、発動した場合の負荷は大きいので…」


 ディオスがヴィクティアを見つめ

「そちらがもっと詳しい情報を開示してくれるなら…もっと安全に実験が行えるのですがねぇ…」


 ヴィクティアは複雑な顔をして

「その…何分…色々とありますので…ご容赦を…」


 ディオスはフ…と溜息を漏らした。


 その後、純也にアクルカンを装備して実験検査を終えて、純也が装備や検査端子を外してディオスのいるモニター車に来る。


「どうですか?」

 純也の問いに


 ディオスは

「一応、シンギラリティの渦とは何らかの関係性があるとは分かった。だが…本格的には…」


「つまり、発動させるしかない…。そういう事ですね」

 純也の言葉にディオスは頷いた。


 そして、モニター車の入口に

「ディオスさーーん」

と、信長が顔を見せる。


 ディオスは近づき

「来たか…」


「ええ!」

 信長が連れて来た者達、それはカイドとラハトアにアーヴィングの三人だった。


 カイドがお辞儀して

「お久しぶりです。ディオス様」


 ラハトアが微笑み

「どうも…ディオスさん」


 アーヴィングは慎重にお辞儀して

「どうも…」

 

 そう、三人はライドルからのお願いによって、ディオスの元で預かる事になった。


 それって良いのかなぁ…。

と、ディオスは思った。

 カイドはルクセリア王国の王子にして、ルクセリア王になる者。

 ラハトアは、ロマリアの皇族、ライドルの息子だ。

 アーヴィングだって、遠方にある領地の貴族だったし、折角会えた母親は病弱だ。傍にいた方がいい。

 だが、三人がたっての願いという事で、預かる事になり、更にこの三人には、特別な力がある。

 カイドはライジン、ラハトアはリヴァイアサンという王族の血に伝わる神獣技を、アーヴィングはシャドウ・クリエイトというスキルを更に強大かした力を持っている。

 この三つの特別な血の力には、ある特徴がある。

 それは…。


「じゃあ…早速、いいかなぁ?」

 ディオスは三人にお願いする。


「はい!」と三人は歯切れ良く答えた。


 信長は顎に填めるアクルカン、ディオスは右半分に填めるアクルカン、純也は同じく鼻に填めるアクルカンを三人は装備して、検査場の草原に立つと、その三人の個々の前にカイド、ラハトア、アーヴィングが並んだ。


 ディオス達三人と、カイド達三人が対面して、カイド達三人が各々の特別な力を発動させる。

 出力は抑えてだが…。

 カイドは、緑のオーラ。ラハトアは青のオーラ。アーヴィングは灰色のオーラ。

 各々の力のオーラで、アクルカンを填めるディオス達を包む。

 カイド達三人の力には、流れや状態を調べる力がある。

 検査機器では判明しない、未知の反応を調べて貰っている。


「これは…」とカイドは唸った。


 調べ終わり、アクルカンを外してモニター車内でカイド達三人が言葉にする。


 カイドが

「ディオス様の言う通り、確かにシンギラリティの渦と繋がる魔導回路をアクルカンは形成します」


 アーヴィングが

「シンギラリティの渦に後、それ以外に、周囲の空間にも魔導回路を形成しているようだ」


 ラハトアが

「まるで、何かを作りだそうとしているようです」


 三人の説明に、ディオスは顎に手を置き

「やっぱり発動させてみるしかないか…」

 実験してみるしかない。

 その為の準備を始める。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ