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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
ディオスの仲間達
155/1107

第154話 復活の大怨霊

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでいってください。

あらすじです。


マッドハッターは最終手段として、ディスティニーアークと自身に、アクワ・ウェーターを使って、ルクセリアの大怨霊慰霊場に封印される大怨霊の復活を

 マッドハッターのディスティニーアークは、膨大な量の攻撃を受けるも、その移動を止めない。

 攻撃している魔導操車の兵士が

「硬いぜ…」

 同じく隣にいる魔導操車の兵士が

「なぁ…このデカ物が向かっている方向って…」


「あ…ドラックールの御霊がいる大慰霊場じゃあ…」


 そう、ディスティニーアークは着実に向かっていた。


 ディスティニーアーク内で、ディオスはマッドハッターと対峙する。

 

 ディオスの両脇にはナトゥムラと信長、ユリシーグの三人がスタンバっている。

 何時でも、ディオスの掛け声で、マッドハッターを襲撃する準備は整っている。


 マッドハッターと、ディオス達との間には、真実を聞いて膝を崩し座り項垂れるアーヴィングがいる。

 もう、アーヴィングは抵抗しない。いや…ショックが大きすぎてしないだろう。


 マッドハッターは、色々と告白を終えて、息を荒く吐き肩を大きく上下させている。


「さあ…エニグマ、お前の終わりの時間だ」

 ディオスは、指さして告げ

「このまま投降するか? それとも…」

 そう、抵抗するか…。

 ディオスが想定するマッドハッターの思考では、先程までの大きな告解さえも、何かの布石だ。

 マッドハッターはゴルドと同じ、手段の為に生きる者、その者が考える事は一つ、新たな手段を行う。

 おそらく、今まで告げた時間も、その為の手段を行う時間稼ぎだろう。


「いい気になるよ」

 マッドハッターが恨み言のように告げる。


 ディオスはフッと笑み

「いい気にもなるさ。時間稼ぎなんだろう…」


 マッドハッターの顔が鋭くなる。


 ディオスは嘲笑を向け

「お前のようなタイプを完全敗北させるには…。やろうとしている手段を、達成させてそれを潰すのが一番だ。さあ…どんな事をやるんだ?」


 マッドハッターはフフ…と笑み

「とても、シンプルさ。もう…オレの力ではお前には絶対に勝てない」


「ほぅ…」

と、ディオスは皮肉る笑みを向ける。

「じゃあ…どうするんだ?」


 マッドハッターは両手を左右に広げ

「もっとも簡単な事だ。それをやれる存在を使う」


「はぁ?」

 ディオスは眉間を寄せると、ディスティニーアーク内に響く攻撃の音が止んだ。

「え…」

と、ディオスが戸惑った次に、耳にある通信インカムから

『グレンテル様』

と、ディウゴスの声が。

『このエニグマの超巨大要塞が、ルクセリアに封印されています。大怨霊の慰霊場の傍に到着しました』


 ディオスはゾッとして

「キサマーーーーーー」


 マッドハッターはニヤリと狂気に笑い。

「では…楽しんでくれ。二千年の彼方から復活するルクセリアの大怨霊達をなぁぁぁぁ」

 マッドハッターは傍にあるコンソールを操作した。

 

 エニグマの五キロある超巨大戦艦要塞の全体から爆炎が昇る。


 ディオス達のいる場所も、幾つもの爆炎の柱が昇り走り、内部を分断する。

「クソーー」

と、ディオスは吼えて、そこから下がり


 ナトゥムラが

「おい、ディオス!」

と、肩を持ってもっと下がらせる。


 荒れ走る爆炎の向こうから、マッドハッターが

「アーヴィング!」


 アーヴィングは顔を起こした。


 マッドハッターが

「こんな事を言えた義理ではない。だが…頼む。ファーティマとアヴァリアの事を…。それだけは、真実だ!」


 アーヴィングが立ち上がって

「お前! ずるいぞーーーーーー」


 ディオスが叫んだアーヴィングの肩をつかみ、引っ張り爆発するそこから一緒に脱出させた。


 五キロの超質量円盤が、ルクセリアのこの地に封じられた大怨霊のいる慰霊場の隣に落ちた。

 地面は激震し、多くの攻撃していたロマリア、アーリシア、アリストスの大軍勢が、一斉に退く。

 大地に爆発するエニグマの超巨大戦艦要塞の天辺、爆炎が包むその場に、下からマッドハッターを乗せた円形の場が出現する。

 その場の四方には、四つの赤く鈍く輝く粘性の液体が入った培養槽がある。


 マッドハッターは、背中にある漆黒の翼を伸ばすと、その翼に魔法陣が展開される。

「さあ、二千年も封印されて退屈だったろう。存分に暴れろ」

 自分と、周囲にあるアクワ・ウェーターの培養槽にある命を対価に、二千年前の時のアインデウスが行った封印を解こうとする。

 魔法陣が発動する寸前、爆炎と突き抜けて蹴り飛んで来る人物がいた。

 ディオスだ。


 ディオスの強烈な蹴りの突進が、マッドハッターの左脇に入り

「ごあぁぁぁ!」

 マッドハッターは嗚咽を放ち、突進したディオスと共にアクワ・ウェーターの場から離れた。

 マッドハッターは、息が苦しそうだった。

 ディオスから貰った蹴りで、確実に肋骨の何処かにヒビが入っている。

 痛みで蹲るマッドハッターに、ディオスはスキルと魔法封印の呪印をして、更に両手にガイバードコアの発動を抑えるアインデウスから提供された特注手錠をした。


 マッドハッターは恨めしそうに

「キサマ…」


 ディオスは、倒れるマッドハッターに

「好きにさせるかよ。バカが…」


 そこへ飛翔魔法からの上から降りるナトゥムラと信長にユリシーグと…アーヴィングがいた。


 アーヴィングが、マッドハッターに駆け付け

「ふざけんな! あんな事になって、オレに押しつけるなよ」


 横になるマッドハッターは、顔を下に向け

「すまん」

 それだけしか言えなかった。


 それを見てディオスは腕を組み、終わった…と思ったが…。


 パチパチと一団の上から拍手する人物がいる。

 黒とプラチナで出来た、何処か軍服のような感じがある男装の麗人で、銀髪を靡かせる十代後半の乙女。

「いや…素晴らしい見世物だった」

と、その乙女は告げる。


 ディオスは銀髪の軍服麗人の乙女を睨む。

 新手のエニグマか…

 そう、直感で察した。

 それは、ナトゥムラも信長もユリシーグもそうだった。


 マッドハッターがその銀髪の軍服麗人の乙女を見て

「誰だ? キサマは?」


 その言葉にディオス達は驚き黙る。

 え? 同じエニグマではないのか?


 銀髪の軍服麗人の乙女は、怪しく笑み

「このオペラ…これで終わりとは…ちと、寂しい。よってアンコールを望む」

 その乙女の背後に、巨大な鋼の巨人が出現する。

 全長は四十メートル、腕がシリンダーの如き胴体並みに大きい鋼の巨人は右腕を掲げ、その右拳に魔法陣を伴って、マッドハッターがいたアクワ・ウェーターの場を攻撃した。

 鋼の巨人の巨手が場を貫く。


 四つの培養槽にあったアクワ・ウェーターが噴出して、巨手の魔法陣と接触すると、何かの魔法を発動させた。


 ディオスは、嫌な予感しかしない。


 魔法を発動させた後、乙女の巨人はその場から離れ、それに乙女が続き

「素晴らしいファルス『喜劇』を見せてくれる事を期待するよ」

 転移して消えた。

 

 発動した魔法陣が広がる。

 それを避ける為に、ディオスはマッドハッターを抱えようとしたが、ナトゥムラが代わりに抱えてくれて

「行くぞ」

と、神格フェンリル神式の巨狼を発動、それに残りの者達が乗って脱出した。


 ディオスは、ナトゥムラの巨狼に乗りながら上空で、魔法陣に包まれる墜落したディスティニーアークを見下ろす。


 ディスティニーアークの傍にある大怨霊の慰霊場が、漆黒の何かに包まれ噴出し、魔法陣に包まれるディスティニーアークへ降り注ぐ。

 五キロあるディスティニーアークを贄に、漆黒のそれは具現化する。

 その数…二万、漆黒に包まれる大怨霊の軍団が、二千年ぶりに復活した。


 ディオスは、行進を開始した大怨霊の軍団を見て

「うぁ…」

と、唸り、事態が最悪化した…と痛感した。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

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