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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
ディオスの仲間達
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第146話 マッドハッターとアーヴィング

次話を読んでいただきありがとうございます。

ゆっくりと楽しんでください。

あらすじです。


マッドハッターとアーヴィングの話である。


 ルクセリア王家の王宮にマッドハッターがいた。

 マッドハッターがルクセリア王国と関わったのは、一年ほど前。

 前王とその妻が事故で死んだ時からだ。

 この事故は、マッドハッターが仕組んだ事ではない。

 だが…間接的な理由にはなっている。

 マッドハッターが実験で作り出した魔獣が、なんとルクセリア王とその妻達がいた部隊に特攻し、自爆した。

 元からそういう自爆の魔獣だったので、問題はない。

 制御システムの不具合にて暴走し、そうなってしまった。

 魔獣を作る実験の際には良くある事だ。

 

 そして、若くして王となった王子カイドは、魔物に対する部隊を欲していた。

 父と母の命を奪った魔物から民を皆を守る決意で。


 そこにマッドハッターが入る。

 マッドハッターが作った対魔物騎士団をその審査に紛れ込ませ、見事に合格した。


 マッドハッターの対魔物騎士団。それは…エニグマが使う人型ゴーレムの兵士達だった。

 鉄のような強さを誇るその騎士達の働きに、カイドは心腹し、マッドハッターを王宮に、自分のプライベート部隊までにした。


 そこでマッドハッターが牙を剥いた。

 カイドの妹、王女のユリアにメタルコアを仕込み、カイドが裏切った場合は、殺すとして、ユリアを激痛に苦しめたりした。


 カイドは、マッドハッターに服従し、マッドハッターはこのルクセリア王国を魔獣開発の地とした。


 かつて、モルドスの攻防でディオスに敗れて以降、もっと強力な魔獣ドラゴンの創造をこの地で開始した。

 この国には魔物が沢山いる。リーレシアの遺跡地帯から発生する魔物が豊富で、素体には困らない。

 更に、魔獣と魔物を戦わせて、そのデータを取る。

 その後始末を、自分の対魔物部隊で行う。

 何せ、この国の王子を手にしている、自在に好き勝手動かせる。

 まさに魔獣研究には打って付けの国だった。

 だが、納得する魔獣は誕生しない。


 ディオスの力は年々、倍増している。

 それを上回る魔獣を…。

 時間と設備、研究場なら幾らでもある。



 アーヴィング・ウォルトス

 マッドハッターに付き従っている青年、年齢的には二十代後半、三十代手前に見えるが…その実は、七十年前にマッドハッターに救われた者だ。

 その当時のロマリアは北東の半島国、星麗王国と、東ユグラシアの華中国と戦争を起こしてしまった。

 その結果は、もとより国力が消耗していた星麗王国と、華中国が敗れ、星麗王国はロマリア帝国に取り込まれ、華中国は四つに分裂した。

 この戦争に反対した貴族達がロマリア皇帝、当時のイルドラに、このような愚行を改めるように嘆願書を出した。

 イルドラはそれを受け止めた。

 だが、当時のロマリアは…この戦争に勝ち高揚していた民意私兵団という存在が強かった。

 民意私兵団は、この貴族達を断罪して、ロマリアの裏切り者として襲撃した。

 その夜の事だ。


 アーヴィングは、燃える屋敷を背に必死に走っていた。

 背中には母親を乗せ、後ろには妹が必死に付いて来た。

 燃える屋敷、その襲撃される前に

「親父! どういう事だよ!」

 アーヴィングが父親に叫ぶ。


 書斎で父親は、飾ってある魔導鎧を手にして着込みながら

「アーヴィング、ここから逃げろ」


 アーヴィングは必死に

「どうして、反対なんてしたんだよ!」


 父親は目を閉じ、開いた後

「アーヴィング、我らは誇り高き貴族だ。やってはいけない事を止めねばならない責務がある」


「その為に、お袋や妹に、屋敷の…領地の皆を犠牲にして、いいのかよ!」

 アーヴィングが必死に言う理由

 

 ここに民意私兵団が、膨大な数の魔導操車で迫っていた。


 父親は

「領地の皆は、今、何とか逃がしている。連中は真っ先にここを狙うだろう。皆の逃げるまでの時間稼ぎをする。その後、イルドラ皇帝陛下が部隊を寄越して制圧してくれる」

 父親はアーヴィングの肩に手を置いて

「母さんと妹を頼むぞ」

 

 アーヴィングは必死に母親と妹を連れて逃げる。


 屋敷では雄叫びが響く。


 父親が屋敷にいる騎士達と戦える領民と共に、時間稼ぎをしていた。


「クソ! クソ! クソーーーーーー」

 アーヴィングは泣き叫んだ。


 悲しむ間も無く…民意私兵団がアーヴィング達を見つけて襲撃した。


 アーヴィングは必死に持っている秘儀の力、シャドウ・クリエイトで戦う。


 だが、民意私兵団の魔導操車の一斉砲撃に虚しく、その力は打ち砕かれ母親と妹は死んだ。


 地面に埋まるアーヴィング、そこへ遺体の確認をしに来た民意私兵団の民兵が近付き

「ああ…母親と妹は肉の塊になったのかよ」

「惜しかったなぁ…綺麗どこだったんだろう」

「ああ…捕まえて…」

「ははははは」

 ゲスな声が聞こえた。


 ちきしょう…。

 アーヴィングは怒りで体を起こそうとしても、起きない。


 その内に民兵が、アーヴィングを見つけ

「コイツは無事だなぁ…」

「どうする?」

「殺っちまえ、どうせ、罪には問われないさ。なんせ、ロマリア皇帝陛下が黙認してくれるからよ!」

 アーヴィングの脳裏に、父親の言葉が過ぎる。


 イルドラ皇帝陛下が部隊を寄越して制圧してくれる。


 ウソだった。裏切ったのだ。

 激憤がアーヴィングを包み、そこへ魔導銃の銃口が向けられた瞬間。

 民兵達が、何かに貫かれて死んだ。

 転がる民兵。

 え?とアーヴィングは戸惑っていると、空から漆黒の翼を羽ばたかせるマッドハッターが降臨した。

「あ…アンタは…」

 マッドハッターは跪きアーヴィングの状態を確認して


「大丈夫だな…」

 アーヴィングを抱えて、マッドハッターは飛翔した。


 こうして、アーヴィングはマッドハッターに救われ、その後、裏切ったロマリア、イルドラに復讐する為に、マッドハッター監修によるアーヴィングの改造が行われた。


 アーヴィングは兵器と化した。

 血筋に伝わるシャドウ・クリエイトは、影を操作して様々な形を生み出すだけの力が、自分が知覚出来る百キロ範囲のあらゆる影に潜み、それを転移の入口として、更にもっと精密に武器として使えるようになった。

 他にも影から魔獣を作り出せるまでになった。

 

 アーヴィングは、機会を窺う。イルドラに、ロマリアに復讐する為に。


だが…これは…マッドハッターの…

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次話があります。よろしくお願いします。

ありがとうございました。

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