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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
全ての時

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幽玄の王 第89話 許し

次話を読んでいただきありがとうございます。

レイが帰宅したそこに…ランが…


 レイは、依頼から帰って来た。

 小宮達とのダンジョン探索は、ディオス達と千華達の参加という驚きだったが…途中、協力も約束し、色んな事が一気に来て疲れた。


「ただいま…」

と、家の玄関を入ると、出迎えがない。

 夕闇に帰ると何時もなら母アカネか妹のスイが姿を見せてくれるが…

 妹のスイが不安げな顔で姿を見せて

「お兄ちゃん。お客さんが…」


「ええ?」

と、レイは戸惑いつつ妹のスイと共にリビングに来ると…母アカネと姉のアスカの困った顔と、その正面の席にランがいた。

 ランは俯いている。


 レイは、ランを知っていて

「あれ? もしかして…シロ兄の…」


 ランが立ち上がってレイに駆け寄り両腕を掴んで

「お願い、助けて!」

と、泣き出しそうな顔をしていた。


 うぇ…何?とレイは青ざめた。


 ◇◇◇◇◇

 ランがレイの元へ来る前…


 シロッコは病院で検査を受けていた。

 医師はシロッコを前に

「ダンジョン探索は…控えた方が…」


 シロッコがフッと笑み

「ハッキリ言ってくれればいい」


 医師は項垂れて

「パステマスさん。ダンジョン探索以外の生き方をアナタなら出来る。だから」


 シロッコが首を横に振って

「そうじゃないだろう」


 医師は苦しそうな顔で

「何時から、気付いていたんですか?」


 シロッコは微笑みながら

「天命ってヤツをね」


 医師は苦しそうに

「こんなに急速に進行したパターンは初めてです。普通なら…もっとゆっくりと…」


 シロッコが皮肉に笑みながら

「身体をムリヤリに動かしていたからなぁ…」


 医師は苦しそうに

「高エネルギー結晶や高機能素材による汚染損傷疾患、ソルジャー病の汚染度、危険レベル4です」


 シロッコが笑みながら

「治療は、不可能に近いな」


 医師が

「緩和治療なら可能です。今からでもダンジョン探索を行う事を禁止にさせます。あと…入院して…」


 シロッコが

「入院して治るのか?」


 医師がク…と口を噛み締めるも

「治療の継続を諦めないでください。もしかしたら…明日には…」


 シロッコが

「後…何日…生きられる?」


 医師が

「治療を続ければ十年、いや、それ以上…が」


 シロッコが真剣な顔で

「気休めは、いい」


 医師が宣告する。

「二年…かと…」


 シロッコが優しい笑みで

「人は何時か死ぬ。死ぬ時は、苦しいもんさ。そのくらい時間があるなら…大丈夫か…」


 医師は、ソルジャー協会に直ぐに連絡した。

 それは、大激震だった。

 会長のゴウと共にいた鵜飼が絶望の驚愕を見せた。


 シロッコは、偶然にジンと同じ病院で遭遇した。

 シロッコとジンは、お互いに微笑み

 ジンは

「シロッコ、お前は?」


 シロッコが笑み

「二年だそうだ」


 ジンが

「オレもだ。仲良く同じとは…」


 シロッコとジンは二人して大笑いした。

 シロッコとジンは、共にソルジャー病の汚染度が危険レベル4だった。

 

 シロッコは、ランに会いに行く。

 Sランクのランは、巨大ギルド組織のエクスにいた。

 本来なら、ダイアードがいるギルドに来たくなかったが…

 シロッコは、ランを呼んで貰い


 ランはシロッコの口から聞いて硬直する。

「ど、どういう…え、だって?」


 シロッコが

「実はさ…超座の力を使ってムリヤリに動いていたのさ。まあ、それも限界だって事だな」


 ランが引きつった笑みで

「ウソだよね…」


 シロッコが笑みながら

「残念ながら現実だ。だから」

と、シロッコはランの頭に触れて力を伝達させる。

 それは、シロッコが継承した超座の造炎轟王の次をランにさせる儀式だった。

 

 それをランは察して

「なんで!!!!!!!!!!」

と、シロッコにすがりつく


 シロッコが優しくランの頭を撫でながら

「オレが終わった後は、カトレア、キミが次だ」


 そこへ

「シロッコ!!!!!!!!!!」

と、ダイアードが駆けつけた。

 鬼のような形相のダイアード。


 シロッコが微笑みをダイアードに向けて

「ダイアード、オレはお前が大っ嫌いだが、許すよ。娘と一緒に幸せになりな…じゃあな」

と、去ろうとするが


 ランが必死にシロッコを掴み

「ねぇ…シロッコの残りの命、アタシにちょうだい。シロッコ! アナタの残りの時間をアタシにちょうだい! 願い!」

と、泣きながらの必死のお願いに


 シロッコはデコピンして

「ダメだ。ラン、いや、カトレアちゃん。キミはキミが幸せになれる人生を歩みな。女の子だろう。だったら、そうしないね」

と、優しく微笑み


 それでもランは縋り付いて話さない

「イヤ、イヤ、イヤ!!!!!」

 

 その両手をシロッコは離して

「じゃあな。これも天命だ」


 ダイアードが

「待て! 話をさせろ!」


 ドンとシロッコが足踏みして、威圧を放った。

 その圧にダイアードもランもその場に縛り付けられた。


 シロッコが

「湿っぽい最後は、嫌いなんだ。じゃあな…」

と、告げて去っていた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、急変する全て

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