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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
時の記憶

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幽玄の王 第81話 繋がる記憶

次話を読んでいただきありがとうございます。

繋がる記憶をたどるレイは…


 次のカケルの夢は、覇遵にカレイナを紹介している場面だった。

 覇遵の空中宮殿の大木の座に座禅する覇遵、その前にカケルが跪き

「覇遵様、紹介したい方が」


 覇遵はフッと笑み

「分かっている。その隣にいる彼女の事だろう」

と、カケルの隣にいるカレイナを見る。


 カレイナもカケルの後ろで跪き

「覇遵様、わたくしは…」


 覇遵が

「カレイナ・フェーリス。カケルのサルヴァードが放つエネルギーを蓄積するシステムの設計を行う、エネルギー研究の専門家…」


 カレイナが肯き

「はい」


 覇遵が

「カケル。お前が望む通りにして構わないぞ」


 カケルが驚きの視線を向けて

「よろしいのですか?」


 覇遵が片手にアゴを乗せて

「前に紹介した…いや、その…彼女、カレイナ・フェーリスは十分に信頼が置けると…聞いている。二人が付き合う事を許そう」


 カケルが頭を下げ

「ありがとうございます」


 覇遵は笑み

「カレイナ殿、カケルの事をよろしく頼む」


 カレイナは「は…」と頭を下げた。


 ◇◇◇◇◇


 二人は覇遵の紹介を終えて帰りの通路で

「なんだろう。前にお会いした時は、圧が凄かったけど…」

と、カレイナが困惑している。


 カケルが

「自分は慣れてしまったから、何時ものように感じるね」


 カレイナが

「そうかなぁ…。カケルの前だと覇遵様はご機嫌のように見えるわ」


 カケルがアゴを摩りながら

「そうだなぁ…覇遵様って自分の上のハク兄とシン兄と似ている部分があるから、取っ付きやすいのかなぁ…」


 カレイナが

「お二人の兄さん達に紹介して貰った時もあっさりだったわ。ちょっと色々と言われると思ったのに」


 カケルが

「そうだったね。でも、まあ…信用してくれて許して貰えたんだから、良しとしようよ」

 

 カケルは、前に付き合おうとした女性を覇遵に紹介した時に、覇遵は

「お前が良いと言うなら、構わないが…我は…認めない」

と、圧を伴って答えた。

 実は、後々に…その女性がカケルの権限を盗んで色々と情報を盗み持って行った事がバレた。

 そう、つまり…何処かの権力の犬、スパイだった。


 カケルはショックを受けて落ち込んだ。

 そして、そのスパイだった女性の末路は、悲惨…

 その女性は、今、覇遵に貢がれた生け贄の妻である。


 覇遵が、カレイドが勢力を伸ばすと、その時空の権力者が繋がりとして覇遵に女性を送った。所謂、政略結婚というヤツだ。

 覇遵には、数百にも及ぶ、政略結婚の妻、生け贄の妻達がいる。

 その全員は、エリザスが資産を与えて管理している。

 覇遵との夫婦生活は皆無、接触する事さえない。

 覇遵にとって、政略結婚や妻なんて、興味さえ無い。必要とも思っていない。


 だから、後々に支配した時空から、カケルを利用した女性が生け贄の妻として来た時には、カケルは複雑な気持ちだった。

 カケルにショックを与えた女性は、まるで置物のように、ただ、生きるだけの日々を過ごしている。

 

 そして、現在、カケルがカレイナを紹介して認めてくれた。

 前とは違う雰囲気に、カケルは期待と安堵が込み上げていた。

それから数年後…


 ◇◇◇◇◇


 カケルとカレイナは、挙式をする。

 二人は結ばれて夫婦となったのだ。

 祝いの席には、兄弟で兄達のハクとシン、ユノとウル、その他にカレイナの研究の同僚達もいた。

 カレイナの両親は亡くなっていて、挙式のエスコートは親代わりをしてくれた親戚の叔父夫婦だ。

 カケルも同じだったが、両親が亡くなったのは十代後半だった。


 ハクとシンは、結婚しておらず。

 カケルだけが唯一の兄弟で結婚する事になった。


 カレイドは、この時…多くの時空達を支える中心的な存在になっていた。

 争いや戦争で拡大するのではない。

 エネルギーを提供するという方法で、ゆっくりと自分達に依存させて…取り込んで行った。

 

 カケルとカレイナは、共に超座のエネルギーを充填して蓄えるシステムの研究に邁進していた。

 それは、多くの人達を救う事にはなっている。

 だが、それは裏を返せば…カレイドに依存するしかなくなるという事でもある。


 そして、カレイドに対立する存在が現れた。

 インドラ時空帝国だ。

 その新たな帝国には、二人の超越存在の兄弟がいた。

 クロードとアルード、その二人を中心として勢力を拡大していくインドラ時空帝国。


 それに追随する者達もいるが、それを良しとしない者達は、カレイドへ


 二つの巨大な力が衝突しようとしていた時だった。


 カケルとカレイナの家にウルが来た。

「やあ…新居はどうだい?」

と、ウルは新居祝いを持って来た。


 カケルが家の中へ通して

「まだ、慣れてない部分がありますが…二人で」

と、隣にいるカレイナを見る。

 カケルとカレイナは、微笑みを互いに向け合う。


 ウルが

「そうかい。まあ、当分の間…大きな動きはないだろうから。ゆっくりと馴染めばいいさ」


 カケルが不安そうな顔で

「インドラ時空帝国との事は…?」


 カレイドとインドラがぶつかりそうな話は所々で…聞いている。


 ウルが微笑み

「そうなった…としても、キミが出る事はないだろう」


 カケルが難しい顔で

「他の三人が…」


 ウルが肯き

「ああ…スカーレットとファイズ、ラオンの三人が出るだろう」


 カケルが

「自分と、兄さん達二人、ウルとユノ、エリザスの六人の超座は埋まっていた。残り三つの超座は空いていた。その三つが埋まった…つまり、それは…」


 ウルが

「覇遵様が望んだ九天君主の完成であり、九天教天が…発動できるだろう」


 カケルは不安な顔で

「宇宙を、時空を全て作り替える力…本当に必要なのでしょうか?」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、覇遵(ハジュン)

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