幽玄の王 第75話 レイと超座 その参
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それは…罠だった。
レイは混乱していた。
隠された超座を探して来た現場には、ディオス達が現れて…
巨大なマルチバースト・ジョイントがある超巨大なシステムの遺跡内で、ミカボシ達四人とロードの王ウルと共にレイは来た。
到着して、調べようとした矢先に、時空戦艦の艦隊が現れて、ディオス達も現れて…
「罠だ!」とスクナが叫ぶ。
そして、ディオスとティリオがレイの横を通り過ぎて、前に来る。
対峙するミカボシ、アテルイ、ハジュンの三人。
「え? ええ?」
と、レイが困惑していると両脇にシロッコとジンが来て、シロッコがレイを後ろに置いて
「もう、いい。レイは関係ない」
ロードの王ウルが
「もしかして…これは…謀れた…という事かね」
と、告げた瞬間、ミカボシ、アテルイ、ハジュンの三人が床に叩き付けられた。
まるで、強大な力によって地に押し付けられるように、三人は床に両手を付く。
レイ達が来た星系が本来の姿に変貌する。
飴色の虹を発生させて、星系だったそれは…星艦へ戻る。
そして、何かの結界のような光の陣を投影させている。
その光の陣が発生させている力は、ミカボシ、アテルイ、ハジュンの三人を押さえている。
スクナが動こうとしたが
「久しいの…エンラ」
と、後ろにオージンがいた。
スクナがニヤリと笑った次に、オージンがスクナの背中を指さし何かの円陣の光を灯すとスクナは、その円陣に磔にされた。
ミカボシ、スクナ、アテルイ、ハジュンの四人が捕まった。
この現状にレイは困惑するしかない。
「シロ兄、ジン兄…何が…どうなっているの?」
床に両手を突いているミカボシ、アテルイ、ハジュン達、三人の元へディオスとティリオが来る。
その間にいるロードの王ウルを通り過ぎるが、ウルが
「私も捕まえないのかね?」
ディオスが
「立ち位置によっては…協力者になりますが…」
ウルが皮肉な笑みを浮かべ
「まんまと、聖帝の策略に利用された…という事か…」
レイ達のいる超巨大な遺跡内部にいる時空戦艦の艦隊から、巨大な円盤が四つ降りて来る。
白乳色に輝く円盤、その中心には人分が入れる結晶の入れ物がある。
その巨大な円盤を運ぶのは、ネオシウス時空の超越存在の女王アナスタシアと、ディーエ時空連合の部隊を率いるヴァサラス大佐だ。
それを見たミカボシが
「キサマ等が…」
アナスタシアが暫しツラそうな顔をするが気を持ち直して
「もう、帰りましょう。オルス…」
ヴァサラス大佐が
「アシュリオ兄さん、ナライラ様、お迎えに来ました」
ミカボシが苛立った顔をして、アテルイとハジュンは見下した顔をした。
レイが混乱して
「シロ兄、どういう事? なんで…これは、一体」
シロッコが厳しい顔をしていると、ウルが
「聖帝ディオス殿、説明して頂けるなら…協力者に…」
ディオスが溜息を漏らして
「全てが…計画通りだった」
レイが
「ディオスさん、計画通りって、どういう事ですか?」
ディオスはレイを見ずに淡々と
「まずは、ウル殿で構わないか?」
と、ウルに尋ねる。
「ええ…」とウルは了承する。
ディオスが
「ウル殿が定期的に、ヘオスポロスのデータをハッキングしているのは分かっていた。そして、ウル殿とミカボシ達が通じているのも調べて分かっていた。そこで…偽の情報をヘオスポロスへ伝えた」
ウルが肯き
「なるほど、その情報を私が掴んで、自分で調べるより、レイくん達…コーレル時空へ流して調べさせる事も想定済みか…」
ディオスが
「そうして、調べさせるように仕組み…それにレイくん達も加わるようにしたのも…私だ。そして、レイくん達も一緒に探す事になった」
レイが
「それじゃあ、ボクが…オレが襲われたのは…」
ディオスが淡々と
「それもヘオスポロスに頼んだ。レイくんを襲えば…レイくんを監視しているであろうウル殿が、ミカボシ達を使うのを予想してだ」
レイが驚愕して言葉を失う。
ミカボシ達四人は、封印専用の円盤に回収される。
それにディオスが近づき、ミカボシとハジュンにアテルイの三人へ
「お前達には帰るべき場所がある。お前達を受け入れて、共にその痛みや罪も背負ってくれる者達がいる。そこへ戻るべきだ」
ハジュンが
「聖帝という正道を歩む王とは思えない計画だな」
ディオスが鋭い顔で
「お前達こそ、いい加減にしろ。何時までも過去の苦しみをこじらせて、悪者ごっこなぞ、愚かしい」
と、告げてウルの元へ向かい
「ウル殿…協力者として向かい入れたいのだが…聞きたい事があるので、一緒にお茶でも…」
ウルに聖帝ディオスの圧が被さる。
有無も言わさない…という感じだ。
ウルが
「聖帝殿の策略、恐ろしい。だが…一つお忘れだ。超座は九つ、その九つがここに揃っているなら…あの方が来られる」
ディオスが「あの方?」と…
ティリオが「う!」と背中を押さえる。
背中が光っている。
「そんなバカな!」
ディオスがティリオに
「ティリオ、どうしたんだ?」
ティリオが
「そんな…聖櫃が…来る」
ディオス達がいる場所の空が一瞬で七色の空に変わり、そこから聖櫃が降臨した。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、レイと超座 その肆




