幽玄の王 第71話 連絡
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………
ヘオスポロスのエグゼクティブ887が、連絡をする。
「どうでした?」
「十分だった。予定通りに…かかってくれたよ」
エグゼクティブ887が
「でしょうね。彼の実力は…アナタもご存じでしょうから。満足な結果になるのは…当然でしょう」
「これから…」
エグゼクティブ887が
「ええ…分かっていますよ。追跡でしょう。エピオンが彼を改造すると見せかけて、その背中…後ろに見えない端子を置いて…。その反応もバレていない」
「まあ、探す方法は他にもあったが…」
エグゼクティブ887が
「ですが、バックアップは必要でしょうから…」
「こうも上手く行きすぎるのは…怖い気もするが…」
エグゼクティブ887が
「それ程までに、アナタの造った超座の複製が完璧だった…という事です。ねぇ…聖帝ディオス様」
通信機の画面には、ディオスがいた。
ディオスは鋭い顔で
「一つ聞きたい。この情報…私が…謀をしているという情報は…誰かに?」
エグゼクティブ887が
「ご安心を、それは終わった後に…活用させて貰いますよ」
ディオスは溜息を吐き
「で、他の者達の準備は?」
エグゼクティブ887が
「順調のようですよ。彼ら彼女らも躍起になっていますから。自らの過ちの浄罪に…」
ディオスが
「スクナは知らないが…ミカボシ、アテルイ、ハジュンは…」
エグゼクティブ887が
「その死後も終わりの後も欲されるとは、因果なのか…良い事なのか…複雑ですな」
ディオスが
「ともあれ、こちらは計画通りに進んでいる。結末が…どうなるかだな」
エグゼクティブ887が笑み
「大丈夫でしょう。これ程の策を講じるとは…エヴォリューション・インパクターのアズサワの驚きでしょうから」
ディオスがフンと鼻息を荒げ
「色々と重なっただけだ。では…依頼の遂行…感謝する。報酬は…」
エグゼクティブ887が
「受け取っております。では、ありがとうございます。次のご依頼もお待ちしておりますので…」
通信を終えたディオスは、厳しい顔で
「本当に…こんな事をやるようになるなんて…私も…」
と、席を立った。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、レイと超座、その壱