表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ロードの王編
1090/1109

幽玄の王 第61話 母の言葉

次話を読んでいただきありがとうございます。

突如、現れたサラの…


 現場は混乱していた。

 レイの家に、サラ達が上がり込んでいた。

 レイの隣にシロッコとジンが並び、サラが堂々と言う。

「私を結婚しなさい。それが道理というモノだ」


 レイは額を抱えて、シロッコとジンは首を傾げて思う事は…

 大丈夫か? コイツ…

と、三人は同時に思っていた。


 レイの姉のアスカが

「あの…説明を…欲しいのですが」


 冷静な姉のアスカの指摘に、サラが

「必要なのか?」

と、当然だろうと顔をする。


 それに姉のアスカも額を抱えた。

 ダメだ…これ…


 サラの要求の意味が分からない。


 そこへ妹のスイが母親がいる病院と繋げた端末を持って来て

「お母さん…実はね」

と、端末で通信と繋がる母アカネが事情の説明を受ける。


 説明というか、サラが強引に押しかけて、結婚しろ!と命令している現状だ。


 母アカネが通信機越しに

「こんにちは、サラさん。レイの母親のアカネ・ノリス・神崎です」


 サラが胸を張り

「初めまして、サラ・アメリス・カイゼルです。早速ですが、お母様…ご子息のレイ殿との婚姻に関してお話に来ました」


 サラの対面にいるシロッコが

「あの…すいません。もし、何かお困り事があるようでしたら、メンタルクリニックへ…行かれた方が、よろしいのでは?」

 丁寧な口調のシロッコ。


 それぐらいまでドン引きしているのだ。


 サラが堂々と

「私はメンタルに問題を抱えていない」


 シロッコが

「いや、そういう方ほど、メンタルに問題はないと言い張りますし…」


 ジンとレイは、シロッコの後ろに隠れる。

 まるで、長男に頼る次男と三男のようだ。


 シロッコは、最悪…実力行使を…と考えている。


 サラが

「お前達は、我々と結婚しなければならない。その方が…安全だ」


『えええ…』とシロッコとジンにレイ、姉アスカ、妹スイも驚愕の声を漏らす。


 シロッコは、ジンとレイとアイコンタクトする。

”コイツ…いっちゃってるぞ!”


 ジンとレイが

”シロッコに任せます”


 シロッコが溜息の後に

「で、何故…安全なんですか?」


 サラは静かな雰囲気をまとい冷静に

「お前達がもたらしたエネルギー炉の力は、膨大だ。それによって…このコーレル時空は、相当に発展する見込みが立った。つまり…それは、権威と結び付く…という事だ」


 シロッコが考えつつ

「ええ…つまり、豊富な資源に群がる…まあ、砂糖の山に群がるアリみたいな感じですか?」


 サラが肯き

「その通りだ。それは、大きな争いを生み出す。つまり、お前達を御旗にして…戦いを起こす者達が現れるという事だ」


 ジンがハッとして、シロッコの肩に手を置き

「つまり、我々のサルヴァードが…新たな権力に派閥を生み出して、それによって争いが起こる予兆があるという事か!」


 サラが肯き

「その通りだ。今は、水面下だが…いずれ、お前達に接触してくるだろう」


 それを聞いたレイが青ざめて

 えええ…なんで、そんなトラブルを…

と、気分が悪くなってきた。


 シロッコが「ああ…そういう事か…」とサラが意図している内容を察して

「つまりだ。訳が分からない野心を持って暴走する連中の乱立より、立場と位置が明確な、アンタ達と繋がれば、それにオレ達は組み込まれて…争いが起こらない…と、そういう事か!」


 サラが肯き

「その通りだ。私だけと結婚しろ…とは言わない。私を含めた、アルラ、ルリ、テイアの四人の内、誰かとお前達が結婚して、我々に組み込まれた事にすれば…争いは回避できる」


 レイは、理解した。

 歴史の教科書にあった権力維持の為の政略結婚だ。

 そんな世界とは無縁な一般人だったレイにとって、この話は衝撃だった。

四人は、ソルジャーの中でも王の直系とされる姫や女王達だ。

 その権力の一つとして、レイ達が入れば…新たに現れようとする野心の者達を防ぐ事ができる。

 もし、レイ達が新たに現れる野心達の誰かに取り込まれれば…争いは必ず起こる。

 

 レイが

「それを無視する事は…できませんか?」


 サラが鋭い顔で

「できると思うか? 連中は、あらゆる手段を使ってくるぞ。我らもそうであったようにな…。まあ、シロッコとジンのようなド変人の強者なら可能だろう。だが、私の見立てでは…レイ・フィリックス・神崎…お前は…優しすぎる人間だ。優しい人は情につけこまれるぞ」


 レイは、それを否定できない。

 自分は、母親を助けたい…としてここまで来た。

 だから、もし…母親や肉親と匹敵する誰かが…現れたら…

 レイは黙ってしまう。


 通信機越しのレイの母アカネが

「サラさんの言いたい事は分かりました」


 サラが「では」と身を乗り出す。


 母アカネが

「サラさんの好意には感謝します。でも、私は…レイを信じています。レイは…そのような事を嫌い、そう…ならないようにする。その未来を信じています」


 サラが鋭い顔で

「それは、楽天的な考えだ! 私の言う事は長い歴史が証明している!」


 母アカネが

「だからです。レイもその当たりは勉強しているし、経験もしている。レイなら…その道を選ぶ事はしないと…。それが私と夫の息子ですから」


 苛立つサラだが、シロッコが

「オレも、レイのお母さんと同じ考えだ。レイなら…違う道を行くさ」


 サラがシロッコを睨み

「キサマ! 自分がその責任から逃げたくせに!」


 シロッコがバカにした笑みで

「逃げたんじゃあねぇ。バカらしくて、そこから離れただけさ。オレもジンもな」


 シロッコとサラが睨み合っていると、ドアのインターホンが鳴って、姉アスカが行くと…

「遅くに申し訳ありません」

と、ルリ達が現れて、サラの元へ行き

「帰りますよ」


 サラがルリを睨むと、ルリが耳打ちして、サラが渋い顔をした後に

「また…来る」

と、言い残してサラは去り、ルリは頭を下げた。


 サラはルリ達に連れられて帰った。


 レイは疲れが一気に来た。

 本当に…色々と… 



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、シロッコの依頼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ