表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ロードの王編
1087/1109

幽玄の王 第58話 裁定

次話を読んでいただきありがとうございます。

レイとシロッコとジンがやった事に関する裁定は…


 レイは、とある会議室のホールの中心のイスに座っていた。

そして、目の前にあるテーブルには十人近いスーツの偉い人達が座っている。


 レイは、その人達を真っ直ぐと見つめていると、会議室のホールのドアから、シロッコとジンが現れて、レイの隣にイスを持って来て座る。


 三人が並ぶ目の前にいる偉い人達のテーブルに、ギルド協会のゴウ会長もいる。


 その人達の一人、三十代だが…そのメンバーの中でも若い男が

「お前達は! 自分達がやった事の意味を分かっているのか!」

と、イスから立ち上がって声を荒げた。

 そして、レイを指さして

「キサマは! 自分の目的の為に…ジャバラスを倒し、そして、お前! お前!」

と、シロッコとジンを指さして

「あの封印がどういう事になっていたか…一番に分かっていたはずだ!」

と、レイ達三人を鋭く指さす。


 レイが

「はい、申し訳ありません」

と、頭を下げる。


 シロッコとジンは、シロッコは後頭部に腕を組み、ジンは窓を見つめる。

 シロッコとジンは、完全に無視だ。


 その反応に追求する男が更にヒートアップして

「キサマ等…覚悟しろよ! ソルジャーとして生きて行けないようにしてやる。そればかりではない! その封印によってもたらされたエネルギーの大損失を! キサマ等に払わせてやる!」


 レイは渋い顔をする。

 この結果は、想定していた。

「申し訳ありません。でも、ぼくは…自分は母さんを助けたかった。だから、どんな罰でも受けるつもりです」


 追求する男がシロッコとジンを睨み

「シロッコ! ジン! キサマ等は! 何か言う事があるだろうがぁぁぁぁぁぁ!」

と、テーブルを叩く。


 シロッコは端末を取り出して画面を見つめて、ジンは退屈そうに首を解している。


「キサマ等!!!!!!!」

と、声を荒げる追求する男。


 追求する男が

「皆さんも! 何か言うべきでしょう」

と、回りを見た瞬間、青ざめる。

 全員が退屈そうで、早く終わってくれないかなぁ…という感じで視線を追求する男から逸らしている。


「え?」

と、追求する男は困惑する。

 全員が自分と同じく罵声や怒号を放ち追求すると思っていたのに…


 追求する男の隣にいるゴウ会長がお茶を飲んで

「終わりましたか? では…彼らの…処遇について話し合いましょうかね」


 追求する男は「え?」と自分が想定した反応とは違う全体に困惑する。


 そこへ、会議室のドアが開き

「ああ…ちょうど良かった」

と、聖帝ディオスが現れて、テーブルにいる全員に資料の端末を置く。

 

 その端末を手にする全員がデータの資料を見て笑む。

 ゴウ会長がデータを見ながら

「流石、聖帝ディオス様…このように迅速に動いていただき、ありがとうございます」


 追求する男がデータの資料を見て青ざめる。

 レイ、シロッコ、ジンが顕現させたサルヴァードを主軸とした三基の巨大な宇宙エネルギー炉が、コーレル時空の超空間ネットワークに接続されて、ジャバラスが生産していたエネルギー以上のエネルギーを生成して、コーレル時空に分配している。

 そのデータだ。


 追求する男は、青ざめてシロッコとジンを凝視する。

 コイツら…最初から…


 ディオスがシロッコとジンにレイに近づき

「これが、我々の連合に加入する条件と権限だ」

と、三人にディオス達、超越存在の連合の憲章と条件等が記されたデータを渡す。


 それをシロッコとジンが見て、シロッコが

「へぇ…意外と争いは禁止事項が多いんですね」


 ディオスが笑み

「助け合う互助組織みたいなもんだよ」


 ジンは

「オレは加入する。シロッコとレイは?」


 シロッコは

「オレも入る。レイは…」


 レイは

「今回の事でお世話になったので…もちろんです」


 ディオスが懐から三つの片手サイズの黄金の端末プレートを取り出して、シロッコ、ジン、レイに渡して

「認証後、直ぐに適応される」


 シロッコ、ジン、レイは端末プレートを受け取って、生体認証を行った。


 ディオスは

「では、後々に詳しく説明しに来るから、今は…君達のサルヴァードをコアとしたエネルギー炉の調節をしてくるとしよう。後は…」

と、ディオスはテーブルにいる全員を見る。


 ゴウ会長が

「こちらは、こちらで…問題ありませんので…」


 ディオスはお辞儀をして出て行った。


 ゴウ会長が三人に微笑み

「君達の処遇は、後々に通達する。良いですよね…」

と、追求する男に視線を向ける。


 追求する男が「しかし…」と何かを言いたそうにした所に胸ポケットの端末が震える。


 ゴウ会長が

「出た方が良いのでは?」


 追求する男が端末に出ると、大音量の声に驚き端末を離してしまい音声が拡大されて

「キサマは! 何をやっていたんだ! ジャバラスを倒す事もしないで! 何が! 我々が対処する為に必要な事をやっているだ!」

と、追求する男に支援している人物の怒声だ。


 追求する男が直ぐに手にして音声拡大を閉じて、自分だけに聞こえるようにして

「しかし」

「………」

「は、はい、ですが…」

「………」

 追求する男は青ざめる。


 そして、追求する男は静かにイスに座って黙る。


 静かになってゴウ会長が

「では、レイくん、シロッコくん、ジンくん。後でよろしく。それと…エネルギー譲渡の書類にサインを頼む」


 その後、レイ達のサルヴァードが発生させるエネルギーを様々な機関に譲渡する書類データに三人はサインしていると、追求する男が青ざめて頭を抱えて

「キサマ等は、これを分かっていて…」


 シロッコがフンと鼻で笑い

「分かる訳ねぇだろうが。まあ、口だけ偉そうに言って金だけ取る、賄賂を貰う政治家みたいなヤツに…物事なんて解決できねぇよ」


 ジンが冷たい目で

「所詮、キサマは出世だけが得意な上司という悪魔だったという事だ。搾取するだけの権力者と同じだった。それだけだ」


 レイは、それ以上は言っていけないと思い黙る。


 ゴウ会長が「んん…」と咳払いして

「三人とも、帰って安心させる必要がある者達と顔合わせが必要じゃあないかね?」


 レイは「はい」と肯きいの一番に駆け出していった。


 その背中を見つめるシロッコとジンが優しく微笑んでいた。


 ゴウ会長は、シロッコとジンがレイに特別な感情を持っているのを察する。


 

 レイは、急いで家に、直ぐに端末で姉のアスカへ連絡して、病院に行けば分かると…

 そして、病院に行く頃には夕方だった。

 夕空に包まれる病院、レイは急いで目的の階へ向かい部屋のドアを開けると、そこにはスイが抱き付いている母親がいた。


 母アカネがレイに

「レイ…大きくなったね」


 レイは瞳から大粒の涙を零して

「母さん…」

と、母親がいるベッドへ向かった。


 クリスタル症から帰還した母親の姿に、レイは涙してその膝に顔を伏せた。


 四年…本当に長かった…とレイは、苦労した日々を思い返したが、母親が目覚めた事でその苦しい日々の辛さが消えた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、借金王

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ