幽玄の王 友の終わりを…
次話を読んでいただきありがとうございます。
ロードの王であるウルは、とある惑星から…夜空を見上げて涙していた。
その夜空には、ジャバラスとレイのサルヴァードが戦う天の夜空が広がっていた。
それにウルは涙していた。
「ジャバラス…いや、ユノ…良かったな」
ジャバラスでありユノである、ウルの友人は望む結果によって終わろうとしていた。
人生の終わりは、誰にも予測できない。
どんな因果応報が巡り、その終わりを迎えるのか?
予測不能だ。
そんな予測不能を自分が望む形で終わらせる事が出来た友人に、悲しみと喜びに涙を流す。
涙するウルの後ろに男が立つ。
ウルが涙を拭って
「早いね」
と、振り向く。
男はダイアードだ。
ダイアードは無言でウルを見つめていると、ウルがダイアードに近づき
「これが…彼ら彼女らが記されたデータだ」
それをダイアードが受け取り
「感謝する」
ウルは肯き
「じゃあね。後は…よろしく」
と、去っていた。
ダイアードは受け取ったデータプレートを見つめる。
その様子を岩陰に隠れて知る者がいる。
ミカボシだ。
ダイアードがその場から去ると、ミカボシの去って行った。
ミカボシは空間転移して、とある場所に来た。
そこは、円筒形の水槽が中心に浮かび、地面から電子回路模様が水槽に繋がっている。
その電子回路模様が脈打つように水槽に光を集めている。
ミカボシがその水槽に近づくと、アムザクの仮面が水槽にかかっていて
「九天君主のウルは、どう動きそうだ?」
と、アムザクの仮面が目を光らせる。
ミカボシが
「データを渡した。おそらく…器のデータか…」
アムザクの仮面が光る目を細めて
「継承している者達の…」
ミカボシが訝しい顔で
「本当に、ロードの王、ウルは…目的通りに動くと思うか? 権力や地位、利益しか考えていない権力の犬に、データを渡しているぞ?」
アムザクの仮面が
「だとしても…結果は変わらない。人路皇王レイ、絶技閃王ジン、造炎轟王シロッコの三人が誕生している」
ミカボシが
「後…六人」
アムザクの仮面が
「お前達四人、そして…」
ミカボシが厳しい顔で
「そのピースとして、ダイアードを使うのか?」
アムザクの仮面が
「気に入らないのか? ミカボシ…」
ミカボシが嫌そうな顔で
「オレや、アテルイ、ハジュンは…その手の輩に…はめられて貶められたからな」
アムザクの仮面が
「結果さえ伴えば…後は、ミカボシの好きにして構わないぞ」
ミカボシは「んん…」と唸って呑み込み
「分かった。だが、怪しい動きがないかは、監視はする」
アムザクの仮面が
「ミカボシの好きにすればいい」
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、裁定