幽玄の王 ディオスへの依頼
次話を読んでいただきありがとうございます。
レイ達の裏側で…
ディオスは、とある人物から連絡を受けていた。
アースガイヤ時空の屋敷の書斎で席に座って、その人物と立体映像で会話していた。
「はい…なるほど」
と、ディオスは答える。
その人物が
「ですから、聖帝ディオス様のお力を借りて…」
ディオスは、その提案を受けて
「分かりました。では、こちらで手配しますので…」
「ありがとうございます」
と、その人物が頭を下げ通信を終えた。
ディオスは席を立ち、通信を繋げる。
「アーヴィング、コーレル時空へ向かいたい」
通信に出たアーヴィングが
「突然、どういう事なんですか?」
ディオスがこの次第をアーヴィングに説明すると、アーヴィングが驚き
「本当に…」
ディオスが肯き
「ああ…確実だろう。だとしたら…私の出番だ」
アーヴィングが難しい顔で
「許可は?」
ディオスが笑み
「もう…受けている。直ぐに出立したい」
アーヴィングが肯き
「分かりました。セイントセイバー号を動かす用意をして置きますので」
ディオスが「ああ…頼む」と通信を切って、セイントセイバー号へ向かう。
ドアには、妻の一人であるクレティアがいて
「もしかして、あの子…レイくんの事?」
ディオスが肯き
「ああ…そうだ。急ぎの案件で、家を空ける。帰って来るまでの間の事は頼む」
クレティアが
「ダーリン、嬉しそうだね」
ディオスがクレティアを驚きで見る。
そう、無意識に顔がほころんで微笑んでいたのだ。
ディオスが、ふ…と息を抜き
「最近、会議やら会合やら、話し合いばかりでね。こういう依頼は…久しぶりだ。やはり、何かを造る側なのが、私の本分だと…教えられる」
クレティアが
「むちゃくちゃな事はしないでね」
ディオスが
「むちゃくちゃなんて無いよ。造るだけなんだから」
ディオスは、千キロの宇宙国家戦艦セイントセイバー号に乗ってコーレル時空へ向かう。
その最中、通信でコーレル時空のギルド協会の会長のゴウが出て
「突然の通信、申し訳ありません。聖帝ディオス様、お願いあって通信を繋げました」
ディオスが
「レイくん達の事でしょう」
ゴウ会長は目を丸くして
「どうして、それを…」
ディオスが微笑み
「彼らは、目的を達成させる。その後の事を…ね。頼まれましてね」
ゴウ会長は察して
「エンジェルリンクス社の会長ですか?」
ディオスは笑みをゴウ会長へ向けて
「さあ…どうでしょう」
ゴウ会長が
「不可能だと思います」
ディオスが冷静に
「出来る事を出来ると言って、何が悪いんですか? 彼らは…絶対にやり遂げる。それだけです」
ゴウ会長は「分かりました」と通信を切った。
ゴウ会長はデスクで他に通信を繋げていた者達に
「という事です」
通信を繋げていた者達が沈黙で答える。
ゴウ会長が
「とにかく、ルールを守るという建前は通しましょう」
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、覚悟の出立