幽玄の王 第55話 審査会場の裏側
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審査会場の裏側
レイがランクの再審査を受けた場所は、通常の再審査ではなかった。
レイからランクの再審査をしたいと連絡があった瞬間、それは…特別な会場に回される手筈になっていた。
レイがランクの再審査を受けた場所の本当の意味は…
そこは、AからSランクになる者達が集まって、自身の力をアピールしてスカウトされる会場だ。
ランクの再審査とは、全く関係ない。
因みにAからSランクのソルジャーの99%は、親が元ソルジャーで…それなりの資産を持ち、そして…ソルジャー繋がり、所謂、王の系譜の子孫達なのだ。
そこへレイは入り込まされた。
それを察知…いや、翼のグルファクシがシロッコとジンに知らせて、レイの意思とは無関係な事に巻き込まれるのを防ぐ為に、シロッコとジンをレイの守り手として頼んだ。
ランのSランクの審査があったのも幸いして、シロッコとジンは入れた。
ランの両親は…一応、王の系譜の子孫達であったからだ。
そう、一応は…。
シロッコとジンは、王の系譜の子孫達ではない。
故に入る権利さえもないが、ランのSランクの見届け、つまり…ランをここまで強くした功績があったから入れた。
いや、本当の意味は…シロッコとジンにレイの引き抜きを邪魔されたくないから、シロッコとジンを呼ぶ事はしなかった。
実を言えば、毎年…シロッコとジンは、このAランク以上のスカウトされる会場に呼ばれているが…無視して参加していない。
多くのソルジャー達にとって、シロッコとジンは、最も懐に入りたい人物でもある。
だが、シロッコとジンにその気がない。
招待だけ送られて来ない事が続いたが、シロッコとジンが来た。
そして、その目的が直ぐに分かった。
レイだ。レイを不要なスカウトから守る為に…
そして、レイは実力を見せた。
XXランクの姫、ルリと戦って平然としている。
ルリが興に乗ってしまい暴走して加減を忘れても、レイは対処した。
多くのギルドがスカウトに入りたかったし、XXランクの姫君達がレイを支配下に入れれば、それのおこぼれに…。
だが、シロッコとジンの睨みによって、それが防がれた。
レイはSSランクというSランクで最上位のランクを貰った後、目的を達成させる為に動く。
その目的、ジャバラスの討伐。
それを防ぐ為に、レイを惑星から出られないように封鎖の圧力をかけた。
だが、それも…グルファクシの…
自分達が利用したい思惑とは外れて動くレイに…多くの者達が煮え湯を飲まされる結果となった。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、覚悟の出立