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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ロードの王編
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幽玄の王 第54話 驚きの審査官

次話を読んでいただきありがとうございます。

レイを再審査する人物、それは…


 レイは、自分の審査が行われるまでシロッコとジンが隣にいた。

 何となくレイは、察している。

 シロッコとジンがいてくれるお陰で、変な勧誘が来ない。


 シロッコとジンがレイと一緒に他のランクの再審査のソルジャーを見ていると、近づく者がいるが、それにジンとシロッコが睨みを向けると去って行く。


 レイは察する。

 引き抜きに来ている…なんで? 

 確かにBランクまでは、行ければ良いかなぁ…くらいの自分が、どうしてスカウトに狙われるのか…

 理解に苦しんでいると、シロッコが

「オレ達がいる間は、ランクの再審査に集中させてやる」


 それだけがレイに安心感を与えてくれる。


 そして、レイの再審査が来た。


 外部会場で広めの台座。

 そこで、対戦相手と戦って実力を見極めるという再審査だ。


 レイは、思った。

 そんな実戦向きの再審査なんて聞いた事がない。

 再審査なんて測定器の前に立って、ギアのエネルギーや特色を調べられて、はい…終わり…なのに…。

 チラチラとレイは、周囲を見ると…再審査を受けているソルジャー達の身なりや雰囲気が、レイ達一般とは違う。

 何か…資産を持っているような身なりの品が見える。


 再審査でAランクになった者達にスカウトが来て、交渉している。


 まるで、ソルジャー達の中でも別格の世界にいるような気がする。

 そんな不安をレイは感じつつ、審査の対戦の台座へ来ると

「え?」

と、目の前にいる審査の対戦相手に困惑する。

 なんと、XXランクの姫、ルリだ。


「ええええ? えええ?」

と、レイは周囲を見渡しているとルリが

「初めまして…レイ・フィリックス・神崎さんですね」

と、握手を向ける。


「ああ…はい」

と、レイはルリと握手する。

 何が起こっているんだ?


 そして、この台座を囲んでいる者達の空気が、雰囲気が変わった。

 まるで、レイを狙うように鋭い視線が集中する。

 そんな鋭い視線の中でシロッコが

「がんばれ!!!!」

と、優しくノンキに応援する。


 その見守る者達にゴウ会長もいて、隣に鵜飼担当官もいた。

 鵜飼担当官が

「私が審査官でなくて…良かったのですか?」


 ゴウ会長が溜息交じりで

「構わん。こうでもしないと…納得しないだろうからな」


 鵜飼担当官が渋い顔で

「はぁ…」


 レイと対峙するルリが微笑み

「では、始めましょう」

と、告げ終わった瞬間、ルリが黄金に輝く不死鳥のような全身鎧のギアを発動させる。

 黄金の炎を放つルリの黄金ギア。


 レイは困惑する。

 これが…XXランクの…


 その瞬間、ルリのギアが消えた。


 一瞬でレイの間を詰めて攻撃を放つ。

 だが、それをレイは片手で受け止める。


 強烈な爆発が台座から広がる。


 台座でレイとルリの戦いを見守る者達が驚愕する。

 生身でギアの、しかも完全体の全身鎧のギアの攻撃を受け止めるなんて不可能を、レイはやってのけた。


 レイは聖帝の修行によって、超越存在の力をコントロールする術を聖帝の子息ティリオから伝授されている。

 それによって生身でも超越存在の力を巡らせてギアを超える強度を発動させている。


 だが、レイは直ぐにギアに、セイントグリッドになる。

 白光と輝く全身鎧のギアのレイ。


 ルリは驚くも直ぐにバックステップをして、追撃を放つ。

 光速に達する手刀をルリの黄金ギアが放つ。


 それにレイのセイントグリッドが合わせる。

 光速の手刀がぶつかり、強烈な衝撃波が台座の外に漏れる。


 レイのセイントグリッドが消えた。

 

「どこに?」

と、ルリの黄金ギアが周囲を

 直ぐ背後にセイントグリッドからレッドミカエルに変わったレイがいた。


 レッドミカエルの強烈な攻撃の嵐が、ルリの黄金ギアを襲い空へ吹き飛ばす。

 レイの配慮だ。このまま地上の台座で戦えば、衝撃の被害が及ぶかもしれない。

 空なら…


 ルリは本気になる。

 本気で戦わなければ…レイの全力が見られない。

 ルリの黄金ギア、ゴルドランに黄金の巨剣エクスカリバーを握った。


 台座の周囲で見ていたジェインが

「待ってください! 姫、全力ですか!」


 レイは、ルリの黄金ギア・ゴルドランと同じ高度になると、格闘専用のギア・ヴェイルの黒のギアに変わりアラクモの両手剣を握る。


 ルリはエクスカリバーを構えて光速で、レイのギア・ヴェイルに突貫する。


 それにレイは合わせて、ギア・ヴェイルの両手剣で応戦する。


 空には二人がぶつかって巨大な火球を花開かせる。


 巨大な爆発を連続させて宇宙へ昇るレイとルリ


 そんな二人を見上げているサラが

「私が相手をすれば良かった」

と、残念そうだ。


 宇宙まで飛び出したルリとレイ。

 ルリは容赦なく、全力の一刀両断の巨大光線を刃から放つ。


 それを切り裂き飛んでいくレイのギア。


 巨剣エクスカリバーとアラクモの両手剣がぶつかり、強大なエネルギーの火球を形成しては、レイとルリは離れる。


 ルリは…喜びに包まれていた。

 全力を出してもレイは潰れない、そればかりか…合わせて応戦してくる。

 レイの底が見えない力に、ルリは魅入られた。

「もっと、この人と…」

 戦いたい、もっと、もっと…

 ルリの中にある戦いの本能がレイとの戦いを欲する。

 

 レイは冷静だ。

 どこまで戦うつもりなんだ?

 審査という事で、ルリに合わせているが…明らかに審査のレベルを超えているような…


 ルリが全力を発揮する。

「おああああああああ!」

 雄叫び、王の血族としての…力、超龍を発動させた。

 黄金に輝く全長百キロの超龍、ルリがその最大火力の先をレイに指定して、惑星を一撃粉砕する程の光の咆哮を放った。


「そこまでって」

と、レイは焦り向かってくる巨大な光の咆哮に

「全く!」

 サルヴァード・セロのゼノギアラスを取り出して、ゼノギアラスの右手の平で光の咆哮を受け止めてかき消した。


 惑星級の存在、ゼノギアラスを前にルリは嬉しさが爆発する。

 これでも壊れない。圧倒してくる。

 もっと、もっと、戦いたい!!!!!!!!!!

 ルリの高ぶりが止まらない。


 レイはそれを感じて青ざめて

「ええ…審査は?」


 ルリは、審査を完全に忘れて、更なる力を

「いい加減にしなさい」

と、横槍のエネルギーが飛んできて、超龍のコアにいるルリを叩いた。

 それは、サラだ。

 惑星の地上からルリに向けて、目覚めの一括を入れた。


 ルリはハッとして我に戻り

「ああ、すみません」


 ルリからの殺気が消えて、レイはホッと安心する。


 審査は無事に終わった…というか、文句ない結果だった。



 ◇◇◇◇◇


 レイは、ランクの再審査の結果

 SSランクとなった。

「はぁ? え?」

 レイは、今まで…見た事もないランクの表示がある端末カードに困惑する。


 帰り際、シロッコが

「ああ…面倒な事になるぞ」


 レイが

「別に…ギルドに所属しなければ…」


 ジンが

「それでも、今回の事で…レイの実力は広まったんだ。そうなれば…」


 レイは溜息を吐き

「ただのアリバイ作りなのに…」


 シロッコが

「さて、SSランクなんてトンでもランクが手に入ったんだ。後は」


 レイは笑み

「決まってます。母さんを助けます」


 シロッコとジンは微笑み、シロッコが

「じゃあ、作戦会議と」


「レイ・フィリックス・神崎さん」

と、ジェインやオウガの二人にジェンといった高ランクのソルジャー達がレイ達の前に並び。

 ジェインが

「我々のギルドに所属してください。お願いします」

と、全員が頭を下げる。


 それにシロッコとジンは苛立った顔をして、レイは

「ごめんさない」

と、頭を下げて断る。


 ジェイン達が頭を上げて、ジェインが

「お母様の事でしたら、他の方法があるはずです。我々も全力でサポートします」


 レイは首を横に振り

「それじゃあ、間に合わないんです」


 レイは再審査の前に母親のお見舞いに行っていた。

 母親が入っている結晶が末期に向かっている。

 時間がない。

 レイは一団から外れて行こうとするが、その手首をオウガは握り

「その力、正しい事の為に生かすべきだ」

と、レイの右手を握って離さない。


 それをシロッコが掴む。


 オウガはシロッコの膂力に負けて手を離す。


 シロッコが皮肉な笑みで

「正しい事って何だよ。自分の利益が最優先ってヤツほど、正しさや正義を持ち出して、我欲を満たそうとする」


 ジンが腰にある剣に手を置いて

「もし、邪魔をするなら…今ここで…全員…」


 シロッコとジンの殺気の威圧が襲いかかる。


 オウガやジェインの全員が全力でも二人には絶対に勝てないだろう。


 ジェインの弟ジェンが

「レイさんのお母様を助けたいって事も、我欲でしょう!」


 レイは微笑み

「はい。我欲です。だから…それで間違った後なら…」

と、告げて去って行くと、それにシロッコとジンが続いた。


 ジェインには、去って行くレイとシロッコとジンの三人の後ろ姿がまぶしく見えた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、覚悟の出立

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