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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ロードの王編
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幽玄の王 第49話 ランちゃん

次話を読んでいただきありがとうございます。

シロッコとランの出会い…とは


 シロッコがジンと共にランクの降格を受けた当日


 ランク降格は、ソルジャーにとって相当に痛手だ。

 受けられるダンジョン探索の中でも高額を稼げるダンジョン探索への手段を失う。

 だが、シロッコとジンにとっては…意味を成していない。

 自分が生きるに困らない程度に稼げれば良いだけのシロッコとジンには、どうでもいい。

 

 しかし、権力者や野心を望む者にとっては、最悪だ。

 シロッコとジンの力を頼らなければ攻略できないダンジョン探索がある。

 

 そんなの、どうでもいいや!と本気で思っているシロッコとジンには、何も関係なかった。

 むしろ、降格してくれたお陰でノンビリと暮らせる。

 そう二人は、喜んでいた。

 

 それに周囲は、大迷惑を被っている。

 今までシロッコとジンがSランクにいた事で、安くお得に活用していたトップ達や関係者は、最強の二人を降格し放逐され失ったお陰で、様々な計画の見直しを迫られて、大混乱だ。

 そもそも、降格なんて脅かし程度だったのに、二人が上手く売り言葉に買い言葉と挑発になって、反省していないとして、即日降格してしまった。

 その降格処分をした者達の全員が頭を抱えた。

 シロッコとジンを想定した今後の全てが水泡に帰する事になり、それに関して、どれ程の大損害が生じているのか…考えるだけでも絶望しかない。


 更に追い打ちをかけるように、年々、ソルジャーでEランク以上になろうとする者の人数が減っている。


 ソルジャーはDランクから、非常時の緊急要員として徴集する、といった行政の管理に置ける強制権限が発生のだが…

 年々、Dランク以上の人数が減っている。

 ソルジャーの持つエネルギー装甲は、相当に万能で使い所がある。

 実際、消防、医療、警察といった治安、防衛といった国家の重要部分には、ソルジャーである者達を積極的に採用している。


 だからこそ、色んな権限をソルジャーに与えているが…結局は、ソルジャーとして覚醒して便利に使えるランクは、Eランクで十分という事だ。

 それ以上のランクは、やりたい人がやればいい。

 そういう風潮が広まり、ソルジャーの人材不足も問題となっていた所に、強大な二人、シロッコとジンが現れて、そこへ危険な任務が集中できるようになった。

 それを失った。

 巨大な喪失の穴を…どうするべきか?

 その前にシロッコとジンに相当に依存していた事実にも直面し、どうすれば…今後、シロッコとジンを取り込めるか?

 自分達が提示する高額な報酬、権限に関して、全くシロッコとジンは興味を示さない。

 じゃあ、ムリヤリに強引な方法を…その結果は、大災厄に変貌したシロッコとジンが過る。


 そんな周囲の絶望に「知るかボケ!」とシロッコとジンは、肩の荷が下りて清々していた。


 そんな、とある日にシロッコは、何時も通りに依頼を受ける前に、昼のベンチで腹ごしらえをしていた。


「ねぇ…おじさん…そのご飯、わたしにちょうだい?」


「ああ?」

と、シロッコは声がした右を向くと、女子高生がいた。

 シロッコは警戒の顔で女子高生を見つめる。


 女子高生が悲しい微笑みで

「そのご飯、くれたら…おじさんの仕事を手伝うからさ」


 シロッコが首を傾げて

「オレが女を食い物にするヤバいヤツだったら?」


 女子高生がクスっと笑み

「おじさん、ソルジャーでしょう。その右腰にある装置、ソルジャーの人が持っているアイテム回収ボックスってヤツだよね。ダンジョン探索している人は…みんな持っているもん」


 シロッコは自分の右腰にあるボックスの装置、アイテム回収ボックスを触り

「なんで知っているんだ?」


 女子高生が微笑み涙を浮かべて

「アタシの両親、一週間前にあった…大規模なダンジョン探索で死んじゃった…」


 シロッコは、ハッとする。

 自分達が無視したガルガンチュア攻略作戦に、この子の両親は参加していたのか…

「名は?」

と、シロッコが尋ねる。


 女子高生は

「ラン。大里・ラン・ウェル」


 シロッコは溜息を漏らして、持っていた昼食のパックをランに渡して

「食え、オレも…その大規模なダンジョン探索に関わっていた」


 ランは受け取り、シロッコの右で食べながら

「う、う…父さん、母さん、何で死んじゃったの…」

と、涙して食べていた。


 シロッコは、権力者の愚かな利益優先で決行されたガルガンチュア攻略作戦を無視した。

 その結末は、多くのソルジャー達を失う結果になった。

 それは、シロッコとジンに関係はないが…もし、参加していたら…多大な犠牲者は無かったろう。


 オレンジ色の髪をした女子高生のランを見つめるシロッコは

「これも…罰か…」


 ランは食事をしながらシロッコを見つめる。


 シロッコが

「決めた。キミをチャンと生活できるくらいのソルジャーにする」


 ランは驚きの視線で

「いいよ。大した事は出来ないし、私は…Eランクで、それ以上は見込めないから」


 シロッコは微笑み

「大丈夫だ。何とかしてやるよ」


 ランは微笑み

「おじさん、いい人なんだね」


 シロッコがランに

「シロッコだ。そう呼べばいい。ええ…キミは…」


 ランが

「ランでいいよ」


 シロッコが

「じゃあ、ラン、さっそく…ダンジョン探索をしようぜ」


 こうして、ランとシロッコは出会い、シロッコによってランはソルジャーとしてレベルアップしていった。


 そして、二年後の現在…

ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、シロッコへの相談

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