幽玄の王 第47話 封印の相談
次話を読んでいただきありがとうございます。
レイは、ジャバラスの事で聖帝ディオスに相談してアドバイスを…
レイは考えていた。
「どうすれば良いんだろう?」
と、悩みを抱えていた。
悩みながら次の仕事の準備を終えて家に帰って来ると…ディオスがいた。
「やあ、レイくん」
と、ディオスは挨拶をしてくれる。
ディオスは、レイが持っている機神ゼクティオンの検査に来たのだ。
早速、ディオスはレイの家があるマンションの裏手にある広場で、機神ゼクティオンを検査する装置を設置する。
そこに機神ゼクティオンが入り、円環のような装置が空中に浮かんで機神ゼクティオンを包み、何かの調査エネルギーを飛ばして機神ゼクティオンを検査している。
その隣にある端末をディオスが操作しながら
「うん。問題ない」
と、機神ゼクティオンの状態が良い事を確認しているとレイが
「あの…ディオスさん」
ディオスがレイに振り向き
「なんだい?」
レイが
「相談があるんですが…」
機神ゼクティオンの検査が終わって、ディオスはレイの家でお茶を貰いながらレイの相談を受ける。
無論、それは母親を助ける為にジャバラスを倒すには…どうすれば?だ。
ソファーがある居間でディオスは、正面にいるレイを見つめて
「そうだね。まずは、封印されている方法を知る事、そして…その後の事を考える事だ」
レイが噛み締めるのように
「封印されている方法」
ディオスが肯き
「そうだ。そのジャバラスは厳重に封印されているんだろう。なら、それを解除ないし、封印の中に入る方法が無ければ…倒せない」
レイが考え
「どうすれば…その封印がどんなのか…分かるんだろう…」
ディオスが当然のように
「翼のグルファクシである。エンジェルリンクス社の会長に尋ねればいい。知っていると思うぞ」
レイがハッとして
「た、確かに…」
ディオスがレイを見つめて
「そして、その後の事だ」
レイが困惑気味に
「その後の事…」
ディオスが当然のように
「キミがジャバラスを倒せたとして、母親のようにクリスタル症になっている人達が大量に解放されて、更に厳重に封印されているという事は、何らかの作用にも使われている可能性がある。倒して、はい…みんな良かったですね…は、フィクションの世界だ。何かを行えば何かの結果が残り、それが後々に問題になる。それが現実だ」
レイが肯き
「なるほど…確かに」
ディオスが
「その当たりも込みで、エンジェルリンクス社の会長に相談した方が無難だ。私に相談されても、別時空の問題だ。私が助けられる事には限りがある」
レイは、ついつい忘れていた。
ディオスがアースガイヤ時空の人だという事を…
「分かりました。ありがとうございます。ディオスさん」
ディオスが微笑み
「キミのお母様が早く助けられる事を願っているよ」
ディオスが帰った後、レイはディオスへ出したお茶を片づけていると…インターフォンが鳴り、玄関の向こうにいる人を確認すると…
「え?」
と、驚く。
そして、急いで玄関に行き
「ど、どうも…」
「こんにちは…」
と、ギルド協会の鵜飼担当官と…
「こんにちは…」
と、鵜飼担当官の後ろで微笑む人物、ゴウ会長がいた。
レイは二人を家に通して…
レイは、キッチンに向かい再度、お茶を用意する。
ゴウ会長はソファーに座り、その後ろに鵜飼担当官が軍隊がする休めの姿勢だ。
レイがお茶を持って来て
「どうぞ…」
ゴウ会長は「ありがとう」と告げて一口飲む。
レイは対面に座って
「あの…なぜ、ギルド協会の会長がぼくの…いえ、自分の所に?」
ゴウ会長が微笑み
「レイ・フィリックス・神崎さん。ソルジャーランクの再審査を受けて頂きたい。そのお願いに来ました」
レイは困惑の顔で
「え? ランクの再審査、再測定ですか?」
「ええ…」とゴウ会長は肯き
「アナタの実力は、色々と聞いています。故に、ランクの再測定が必要であると…」
レイは困った顔をする。
ランクの再審査を受ける必要性が見当たらない。
このままでも十分だし、何か問題がある訳ではない。
「あの…それは…お断りする事が」
被せるように鵜飼担当官が
「そうなれば、他の国の者達がアナタに迫り、取り込もうとするでしょう」
「えええ…」とレイは困惑の顔をする。
鵜飼担当官が懐から立体映像の端末を取り出して、とある映像を投影させる。
それは、レイがサルヴァード・セロのゼノギアラスで、全力の杖のガルガンチュアと宇宙で戦っている映像だった。
レイは驚き固まると、鵜飼担当官が
「アナタのご活躍が、超空間ネットワークを通じて観測されました。これ程の力を他の国や勢力が見過ごす事はありません。ソルジャーの再測定を受けて我々、ギルド協会に入った方が身を守れます」
ゴウ会長が
「鵜飼担当官、強引なのは…いただけないぞ」
鵜飼担当官が淡々と
「事実だと思われますが」
そこへ更なるインターフォンが鳴り、レイがソファーを立ち上がって玄関のカメラで確認して「え!」と驚き、急いで玄関を開けると…
「こんにちは…」
と、そこには微笑むXX級の姫ルリと、後ろにはジェインとオウガの二人がいた。
ルリが微笑み
「初めまして、私は」
レイが困惑気味に
「存じています。XXランクの…最強のソルジャーのルリ・ソン・ルーナ様ですよね」
ジェインが
「初めまして、ギルド・セイントドラゴンのギルドマスターをしています。ジェイン・ソン・ラーズです」
オウガは
「自分は、ギルド・王竜のギルドマスター、オウガ・ロー・大河です」
レイは、遠くで見ているしか存在が分からない人達が目の前に来て、困惑して固まる。
そこへ鵜飼担当官が
「お早いスカウトですね。お三方…」
鵜飼担当官の姿に少しだけ鋭い顔をするジェインとオウガだが、ジェインが
「これはこれは、ギルド協会が…一番乗りとは…」
と、告げた後にレイに
「レイさん。どういう条件を出されたのでしょうか? 私達は、貴方が望む条件を全て叶える用意が出来ていますよ」
レイの混乱は極まった。
ギルド協会の会長と、ソルジャーの最上位がレイの家に来て、レイを引き抜きに来た事に、レイの混乱と困惑は最高値に達した。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、交渉達