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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
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幽玄の王 第42話 杖のガルガンチュア その6

次話を読んでいただきありがとうございます。

何時も通りのアイテム管理を熟すレイだが…その裏では…


 ジェンのチームと小宮のチームが、ダンジョン探索を開始する。

 無論、他のチーム達も…この惑星に広がっているダンジョン探索を開始する。


 ジェンのチームは、全員がA級やB級の高ランクのソルジャー達だ。

 平原が広がるダンジョンでは、高レベルのモンスター達が現れて、ジェン達が先行してかたづける。

 ジェン達のギアは特別だ。

 身を包むエネルギーのようなギアではなく、部分的に物質のように構築されたギアを身体の各所に持っている。

 ギアは、ランクが…特にA級になると物質のように存在を獲得して強大な力を持つ。


 ジェンは右腕を包む鎧と剣が合体した鎧腕を使って次々とモンスター達を真っ二つにする。

 他のチームメイトも、両脚部、腕といった部分的に鎧となったギアを使ってモンスター達を倒す。

 小宮達のチームがやる事は、漏れた低レベルのモンスター達を狩る事だ。

 それでもBランクのモンスター達なので強い。


 ミンが

「小宮さん、行きました!」

と、ガトリングを発射してモンスター達を誘導すると、小宮と待ち構えている面々がそれを退治する。


 小宮達が倒し終えると、レイが無限収納ボックスから小宮達を回復させるアイテムを転送して小宮達を回復させる。

 

 小宮が

「油断するな! 侮っていると大怪我をするぞ!」


『はい!』と小宮達のチームが掛け声をする。


 それをジェンが見て

「小宮さんが育てるソルジャー達は、相変わらず…レベルが高い」

 ソルジャーとしてのランクではない、チームとしての練度の高さだ。

 ソルジャーとしてはB級C級の集まりだが…練度が高いので高レベルのモンスターでも相手に出来る。

 小宮の指導の賜物なのだ。


 戦いの最中にレイの元へモンスターが来る。ウェポンウルフだ。

 近接でレイに牙が届く寸前にレイはセイントグリッドを展開して、白い鎧のギアを装備してウェポンウルフを倒す。

 直ぐにセイントグリッドをしまって、小宮達の回復に専念する。


 それをジェン達は見逃さなかった。


 ある程度、平原のダンジョン探索を進み休憩となった。


 レイが小宮達に軽食のアイテムを配っていると、ジェンが近づき

「レイくんだったね」


 レイはジェンを見つめて

「はい」


 ジェンが微笑み

「珍しいギアを持っているんだね」


 レイは「ああ…」と戸惑いの次に

「ちょっとしたダンジョン崩壊に巻き込まれた時に貰った。特殊ギアなんですよ。基本は変わりませんから」


 ジェンが

「そうか…他には?」


 レイは、答えるのをためらっていると小宮が

「おい、オレのチームにあんまりちょっかいを出さないで欲しいなぁ…」

と、ジェンを見つめる。


 ジェンが少し下がり

「すまない。興味があってね…」


 小宮が溜息を漏らす。

 ウソだ。レイの事を…


 ジェンがレイに

「どうだね? キミ…ウチのチームに参加してみないか?」


 レイが困惑と驚きの次に困った顔で

「すいません。自分はアイテム管理をしているので…外れる事は出来ないんです」


 ジェンが小宮に

「小宮さん。小宮さん達のチームは、明日の参加はなかったでしたよね?」


 小宮が難しい顔で

「ああ…ウチのチームは、今日で…」


 ジェンがレイを示し

「彼を明日、ウチのチームに入れるように依頼しても構いませんよね」


 小宮は苛立った感じで額を摩り

「レイが判断する事だ」


 ジェンが

「レイくん、無論、報酬は弾むよ。仕事の内容もアイテム管理だし…どうかなぁ?」


 レイは考える。

 断る理由もない、報酬も良い、んん…

「分かりました」


 こうして、明日はジェンのチームのアイテム管理をする事になった。


 それを見て小宮が溜息を漏らす。

 小宮はレイをムリヤリに表舞台に出す事を良しとはしていない。

 レイが望むのであれば…後押しをするが、それを本人が望んでいないのなら…

 だが、周囲は…



 ◇◇◇◇◇


 レイは、ジェン達のチームとダンジョン探索する依頼の為に、アイテムの手配を宇宙船でしていた。

 通信端末で必要なアイテムの依頼を行い、それが明日の朝に届く手配をしていると、小宮がレイに後ろに来て

「レイ、準備はどうだ? 順調か?」


 レイは小宮に振り向き

「ええ…問題ありませんよ」


 小宮が「そうか…」と頷く


 レイが首を傾げて

「どうしたんですか? 小宮さん」


 小宮が難しい顔をして

「オレの弟と若葉がレイと一緒にダンジョン・パラダイムシフトを経験したろう」


 レイが「ああ…」と唸り

「はい。驚きでしたけど…」


 小宮が

「その話が色々とな」


 レイは察してしまう。

「もしかして、ぼくの中にある力が…原因で…ジェンさん達は依頼を」


 小宮が複雑な顔で

「だろうな。実際を見たいだろうし…そして、レイを…」


 レイは呆れてしまい

「そんな、この力だって偶然、手にしただけで…自分とは関係ありません。ぼくの力は、あくまでもアイテム管理の無限収納ボックスです。それ以外は…他の誰かから受け取ったモノですよ。それを自分の力だと思うなんて、最低な考えです」


 小宮がレイに近づき

「レイは、その力でどうしたい?」


 レイは小宮に

「ぼくは、母さんを救えればいい。それが成された後は…何時ものように、変わりません。それだけです」


 小宮がレイを見つめて

「大封印されたジャバラスを倒す為にか…」


 レイは「はい」と力強く肯き

「その後は、ドミネーターの彼ら彼女達を解放します。翼のグルファクシさんみたいに暮らしていけると思いますし…。それに、母さんが帰って来てくれただけで十分です」


 小宮が笑み

「その力で、この世界の…コーレル時空の王になれるかもしれないぞ」


 レイは微笑み

「そんなの他の誰かに任せます。ぼくは、レイ・フィリックス・神崎。ソルジャーのアイテム管理のアイテム屋なんですから」


 小宮が微笑む。

 野心もない野望もない。レイは自分がやるべき事を分かっている。

 これ以上は、何も聞く必要はない。

 全てはレイに任せるだけ。レイが決めればいい。

 オレ達の祖先達の願い、祖先達の罪、祖先達の過ち

 その清算を願っていたが…レイが…

 いや、これこそが清算なのだろう。

 小宮はレイの肩をポンと軽く叩き

「分かった。どうするかは…レイに任せる。無茶はするなよ」


 レイは微笑み

「はい」


 ◇◇◇◇◇


 次の日、レイは依頼通りにジェン達のチームに加わってダンジョン探索をする。

 依頼したアイテム達も届き、何時も通りのアイテム管理の仕事で終わる。

 ジェン達の思惑があるだろうが…関係ない。

 自分がやるべき仕事を熟すだけ


 ジェン達と共に平原から山脈のダンジョンに向かう。


 山脈のダンジョンの近くにジェン達の宇宙戦艦は降りて、レイはジェン達と共にダンジョン探索を開始する。


 だが、空から光が落ちる。

 一瞬だった。

 レイが降り立った大地が山脈から荒野に変わる。

 光が落ちて、光が広がってレイ達を包んだ。


 レイは青ざめる。

「この感覚」

 レイの両脇にドミネーターの剣のグラファラスと槍のオルフェウスが出現する。


 剣のグラファラスが

「まさか…」


 槍のオルフェウスが

「こんな唐突に」


 レイ達がいる場所の遠く、地平線から鎧の軍勢が迫る。

 その先頭にいるのは、鬼神の仮面を被った全身が鎧に包まれる人物。

 その後ろには、様々な武器を持つ大軍勢が続く。


 鬼神の仮面をした全身が鎧の人物は、レイを指さして

「認めない! お前が! あの方の次世代ではない!」

と、杖のガルガンチュアが怒りを持ってレイを指さす。


 レイは、今までのドミネーター達とは違って明確な殺意を杖のガルガンチュアから感じていた。


 杖のガルガンチュア、最も王の隣にいて、王に終生の忠義を捧げるドミネーター。

 故に、レイが認められない。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、杖のガルガンチュア その7

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