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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
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幽玄の王 第40話 杖のガルガンチュア その4

次話を読んでいただきありがとうございます。

今回の事情聴取を終えてレイは…


 レイは家に帰ってくる事が出来た。

 取り調べも半日くらいで終わり、早くに帰る事ができた。

 前のように三日くらい施設に缶詰にされると思っていたが…違った。

 早く帰れた事だけ、良しとした。


 帰って来て早々、クルリオをスイや姉のアスカに見せる。


 スイが

「うわぁぁぁっぁあ」

と、クルリオにひざまずき手を伸ばすと、クルリオがスイに近づく。

 スイはクルリオを撫でながら

「いいなぁ…レイ兄さん。こんなカワイイ子を持てて」


 レイは暫し考えて

「じゃあ、スイも持ってみるか?」


 スイが「え」と期待する顔をする。


 レイが「クルリオ」と告げると、クルリオは肯く。


 クルリオは、スイに近づくとスイに身を寄せて光となってスイの中に入る。


「え? ええ?」

と、スイは混乱していると、レイが

「クルリオを呼んでみなさい」


 スイが期待を込めて

「クルリオ」

と、両手を伸ばすとスイの身体から光が出て、クルリオとなってスイに抱き付く。

「うああああああ!」

 スイは、嬉しげにクルリオを抱き締める。


 レイが微笑み

「これで、スイはクルリオを持つ事が出来るようになったから、オレが必要で持って行かないなら、クルリオは何時でもスイの中にいるから」 


 スイが満面の笑みでクルリオを抱き締めて

「ありがとう!!!!!」


 姉のアスカもレイの隣に並んで

「ありがとうね、レイ」


 レイが姉のアスカに

「姉さんには、ロウを渡そうか? 姉さんだってスイのクルリオみたいに身を守ってくれる存在がいれば安心だろう」


 そう、ロウとクルリオは、ガーディアンだ。戦える力がある。

 スイに身に何かあった場合は、クルリオが守ってくれる。


 姉のアスカは得意げに微笑み

「私も、一応はソルジャーだって分かっている?」

 姉のアスカは、ソルジャーランクがDだ。

 ソルジャーとしてはダンジョンを探索していないが…ダンジョン内で戦うソルジャー達にアイテムの運搬はやっている。


 レイはフッと笑み

「分かったよ。でも、あまり…過信しないでね」


 姉のアスカがレイの額を小突いて

「アタシよりランクが下のアンタに心配されなくても大丈夫よ」


 DランクもEランクも大した差はない。


 それでも姉のアスカは、レイに心配をかけないように…

 それをレイは分かっている。

 ずっと一緒に過ごした家族だから…。


 ◇◇◇◇◇


 ジェインのギルドがあるビルでは、ジェインが執務室でカナから報告を聞いていた。


「そうですか…」 

と、ジェインは深く言葉を出す。


 ジェインが座る机の前にいるカナが

「彼の力は異常です。あり得ません。ソルジャーのレベルを超えています」


 ジェインが手を組み考えながら

「ウワサは…本当だったと…」


 カナが驚きで

「ウワサを超えています」


 ジェインは考えつつ

「それ程の逸材、是非…欲しいですが…ランクにより規制があり手が出せないのが現状です」


 カナが厳しい顔で

「ランクの再審査は、個人の選択によってなされる。スカウト、引き抜きは…Bランクからで、Bランクが確定している場合の低ランクのソルジャーなら可能」


 ジェインが

「ですが…彼は、レイ・フィリックス・神崎は今までBランクが確定している人物ではなかった」


 カナが息を呑み

「つまり、王の力を得て…覚醒した…と」


 ジェインが

「もし、ムリヤリの横槍が入って、再審査をさせるようにした場合…それを行った者達のギルドには絶対に所属させない。もしくは…ソルジャー協会が…その人物を傘下にいれる。そうなれば、どこのギルドにも所属できなくなる」


 カナは戸惑い気味に

「どうしますか? 彼は…再審査を受けるように説得を…でも、それだと…」


 ジェインが覚悟して

「こちらから…仕掛けます」


 カナはハッとして

「再審査を受けるようにしたら…それを行った私達が」


 ジェインが

「彼の目的を聞き出して、再審査を受ける事で利点がある事を示せば…こちらも彼を雇ってダンジョン攻略をさせます。そこで…彼が再審査を受ける気になる程の…出来事を起こして見せます」


 ジェインの固い決意による作戦が始まる事になる。


 ◇◇◇◇◇


 若葉は帰ってくると、父親のアレスに

「ごめんなさい。父さん」

 

 アレスである小宮は、娘の謝罪を受け取る。

「分かってくればいいんだよ」


 若葉が申し訳ない顔で

「本当に私、バカだった。もっとソルジャーって戦って勝って終わる、ハッキリした世界だと思っていたけど。もの凄く大変で、もの凄く怖くて、もの凄く不可能な事が多い、そんな世界だって知った」


 父のアレスは頷いて聞いて

「そうだ。その通りだ。華々しいように見えるが、その裏は危険と常に隣り合わせだ。それに…色んな邪悪な思惑だって渦巻いている。そんな世界に若葉を放り込みたくない」


 若葉が肯き

「うん。だから…私、ソルジャーは諦めて…色んな道具を造ったりする事をやってみたいと思う。もちろん、私が造った武器で父さんや兄さん達が守れたなら…って思っている」


 父のアレスは満足そうに肯き

「技術者の路か…オレは賛成だぞ、若葉」


 若葉にはダンジョン・マスターである母親の力が受け継がれている。

 それは何かを構築する事に、非常に向いている。


 若葉が

「もちろん、母さんの手助けもするけどね」


 父のアレスが肯き

「おう、オレがいない間、母さんを頼むぞ」


 若葉がモジモジと塩らしく

「それとね。父さん…レイ・フィリックス・神崎さんって知っている?」


 父のアレスは肯き

「ああ…知っているぜ。一緒に仕事をしている仲間だ」


 若葉がホホを赤くして

「レイさんって何時くるの?」


 父のアレスは、ハッとする。

 娘が…恋する女の目をしている。

「いや、最近は…レイは依頼の仕事が入っているから…なぁ…」


 若葉が嬉しそうな顔で

「じゃあ、父さん達の荷物やアイテムを買いに行く時、一緒に行ってもいいよね。アイテムとか色々と装備の方を…見たいから」


 ウソだ!レイの姉のアスカがやっているお店に行って、レイに会いたいという算段を娘の若葉が考えているのが見える。

 ウソだろう!

 父のアレスは別の苦悩を抱える事になった。


 ◇◇◇◇◇


 マルスは帰りの宇宙船で、大きめのシートに深く座って

「ええ…ドミネーターを…」

 ……

「はい」

 ……

「おそらく、オレ以上です」

 ……

「分かりません。でも…いずれ…周囲が動かすでしょう」

 ……

「分かりました」

と、マルスは連絡を終えて

「全く、ウチの女王様の強引さにも困ったもんだ」


 マルスの上司であるサラ女王と会話をしていたのだ。


 レイが知らない周囲で、物事は大きく動いていた。 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、杖のガルガンチュア その4

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