幽玄の王 第39話 サラ女王と…
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マルスの上司、サラ女王と面会する…
コーレル時空のとある巨大な宇宙戦艦コロニーに、カレイドの千華が来ていた。
千華は、豪勢な装飾品に囲まれた部屋の中心にある、これまた豪華なソファーの上で偉そうに足を組んで座っていた。
ソファーに千華は背もたれて、ソファーの上に両腕を乗せて伸ばしている。
本当に偉そうな千華の目の前に、プラチナ金髪で長身の美女が現れる。
その美女は、一言で絶世美女であると確信できる程の美しさを放っている。
千華より高い身長は、おそらく180近い、それに見合う獅子のたてがみのようなプラチナ金髪、その目元は力強く光を放っている。
柳眉な眉に麗しく瑞々しい唇。まるで美術品のように浮世離れした美しさを放つ彼女は、マルスの上司、サラ女王だ。
サラ女王が
「お母様、お久しぶりです」
千華が笑み
「アタシは、アンタを産んだ憶えはないわ」
サラ女王が
「それでも、私の血の半分は、お母様から来ている」
そう、サラ女王は千華の遺伝子を受け継いだ子だ。紫苑と同じ、千華の遺伝子を母体としたデザイナーズ、最高に作られた人類だ。
千華が
「で、アンタが…アタシを呼び出した理由って何?」
サラ女王が呆れ気味に
「その態度、気に入らないですか?」
千華が背を正して
「アタシは、もう…殲滅の女王じゃあない。千華…カレイドの千華だ」
サラ女王が
「それでも、前世での宿縁は続いています。貴女は私達の女王だった」
千華が呆れ気味に
「また、女王として立てってならお断りよ」
サラ女王が
「その話ではありません。ウル様が動いています」
ドンと千華は、サラとの間にあるテーブルを右手で叩いて
「どこにいる!」
と、語尾が荒い。
サラ女王が冷静な視線で
「先程、私の部下が接触したそうですが…直ぐに消えてしまい、後は不明です」
千華の顔が怒りで染まり
「アイツ…生きていたのか…」
サラ女王が
「何か…行おうとしているようですが…それが何かは、分かりません。ですが、私たちの宇宙で、新たに誕生しようとしている次の王に関わってはいます」
千華は再び深くソファーに背を乗せて
「あの…例の子なの?」
サラ女王が肯き
「はい、そして…聖帝ディオスも関わっているそうです」
「はぁ!」と千華は呆れた溜息を上に出して
「聖帝様は、ゴーストトリガープロジェクトってヤツを追っているんじゃあねぇのかよ」
サラ女王が
「その最中に出会ったと思われます。どうしますか? お母様」
千華は苛立ち気味に髪を掻き上げて
「アンタ達に任せる。もし、聖櫃に関わりそうだったら」
サラ女王が肯き
「ええ…お母様をお呼び致します。それは約束しますので…」
千華が
「それと…ウル以外の…」
サラ女王が首を横に振り
「いいえ、何も…」
千華が嫌そうな顔で額を抱えて
「ホント、アタシって何時も後手ばっかだわ」
ここまで読んで頂きありがとうございます。
アナタに幸せが訪れますように…
次回、杖のガルガンチュア その4