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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
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幽玄の王 第38話 杖のガルガンチュア その3

次話を読んでいただきありがとうございます。

救援も駆けつけて…


 レイ達がいるダンジョンがパラダイムシフトから回復する。


 雪原だったダンジョンは、前の山脈地帯のダンジョンに戻り、空から救援に駆けつけた宇宙戦艦が降りて来る。


 レイ達の近くに宇宙戦艦が降りて、出て来たのは

「全員、無事か?」

と、オウガとその部下達だ。


 マルスが前に出て

「今、目の前にいる連中には問題ないが…」


 オウガが渋い顔をする。

 目の前にいるのは、レイ、マルス、若葉、カナ、男性の五人だけ、オウガのギルドメンバーであるライガ達が見当たらない。

 オウガは厳しい顔で

「ライガ達に何かあったのか?」


「ソイツらにオレ達は、はめられたんだ!」

と、ライガは姿を見せる。

 浮遊の牢獄を破壊して出たのだ。


 ライガはオウガに近づき

「ソイツらが、オレ達を…はめて…それで」


 オウガが鋭い視線のままレイ達を見つめて

「どういう事か事情を説明して」


「よしたまえ、冤罪は…」

と、ロードの王が現れる。


 突然、現れた老紳士ロードの王に全員が視線を集中させると、全身が震える程の威圧を感じる。

 外見は老紳士だ。だが…中身は違うバケモノだと…全員の直感が叫んでいる。


 ロードの王が微笑み

「争いに来たのではない。これを…」

と、ロードの王が右手を挙げると球体の立体映像が現れて、ダンジョン・パラダイムシフトで起こった全てが投影される。


 オウガはライガ達が別れて、ダンジョン・パラダイムシフトのアイスレルフ達を無謀な戦いを繰り広げた場景を見て唖然とする。

 

 ライガは叫ぶ

「違う! これは捏造だ!」


 ロードの王が

「捏造なモノか…私が用意したダンジョンで起こったありのままの真実だよ」


 ライガはロードの王を睨み

「キサマ!!!!!」

と、ギアを装備して両手に武器を持って突進する。


 ロードの王は呆れて

「やれやれ、愚か者は何時もこうだ」


 ライガの持つギアの刀の刃がロードの王に触れた瞬間、一瞬でライガは凍結した。


「あ、あ…」

と、何も言い残す事が無くライガは凍死して砕けた。


 ロードの王が

「これは、私の正当防衛という事で構わないかね?」


 オウガが冷静に

「証拠は、まだ…揃っていません」


 ロードの王がポケットから数枚のデータ端末を取り出して

「これは、その死んだ男の仲間達が持っていた記録端末だ。これにも同じ証拠は残っている」

と、数枚のデータ端末をオウガに渡した。


 オウガは声を絞り出す。

「お待ちください」


 ロードの王が

「何か他に…」


 オウガは震えながら

「アナタは…一体…」


 ロードの王が笑み

「昔、九天君主と呼ばれている者達の一人で、今は…そうだね…ノンビリと余生を楽しんでいるさ」


 オウガはそれで察する。

 目の前にいるのは、あの…五百年前に暴威を振るったバケモノ達の一角である…と。


 ロードの王はオウガに微笑み

「そう怖がらないくれよ。もう…やる事は終わったんだ。後は」

と、レイに近づく。


 レイが警戒で身を引かせて構えると、ロードの王が懐から剣を取り出す。

 普通の剣ではない。

 剣と銃が合体したガンランスだ。

 片手持ちのガンランスをロードの王がレイに向けて

「これが景品だよ。受け取りたまえ」

と、レイに投げる。


「えええ、ええ?」

と、レイは困惑してガンランスを受け取る。

 青白く輝く銃身には剣の切っ先が伸びて、弾丸が飛ぶ部分にはメッキのような光がある。


 ロードの王が

「この武器…いや、存在の名はクルリオ」


 レイが受け取ったガンランスが輝き、空中に浮かぶとロウと同じ青い狼になった。


 レイからロウが出て、青い狼も元へ行くと、ロウとガンランスから変化したクルリオが鼻をつき合わせている。


 ロードの王が背を向けて

「じゃあ、渡したから…帰るとしよう」


 マルスが

「一つ、聞きたい」


 ロードの王が背を向けたまま

「なんだね?」


 マルスが鋭い視線で

「アンタの…いや、ロードの王…九天君主の一人、冷現叡王であるウル殿の目的は、レイか?」


 ロードの王は懐かしい名前を言われて

「はははははははははは!」

と、大声で笑い

「久しぶりに昔の名を聞いたよ。まだ…憶えている者がいようとは…」


 ロードの王は横顔を向けて

「色々な思惑があるのさ。神算鬼謀ってヤツだ」

と、告げて風が舞った瞬間、ロードの王は消えていた。


 レイは新たに受け取った力、クルリオを見つめると、クルリオはレイの膝に頭をこすりつけて親愛を示していた。

 ひざまずくレイは、クルリオを撫でて

「まあ、とにかく…家にくるか?」


 クルリオ、青い狼はレイのホホを舐めた。


 こうして、パラダイムシフトの事件は終わった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、サラ女王と…

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