表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
1063/1109

幽玄の王 第36話 最後の時に

次話を読んでいただきありがとうございます。

ライガの暴走、そして…アイスレルフ達が…


「おまえらーーーーーーーーー」

 怒声を上げてライガがキャンプ拠点へ突っ込んで来る。


 カナと若葉、男性が気付く。

 三人は、キャンプ拠点にあったイスに座って、軽食を取っていた。


 それもライガの怒りが勝手に上がる。

 自分は、あれだけ…苦痛を味わったのに!


 全くの不条理な怒り、勘違い。愚かな気持ち

 自分で選択して、その結果だったのに、それを…全部、コイツらのセイだ!と責任転嫁する悪行を行った。

 これが、ライガの限界である。


 殺気と不条理な怒りに震えるライガに若葉は怯え、それを守るようにカナが若葉を背にする。

「お前等が原因で、オレ達は全滅したんだ!」

と、武器を手にして殺そうとする。


 物資もアイテムも何かも平等に分けた。

 なのに、オレは、はめられた!と勘違いしている。


 ライガはソルジャーランクAA、カナはAランク、男性はBランク。戦えば…ライガには勝てない。


「死ね!!!!」

と、ライガは向かってくる。


「愚かな」と、槍のオルフェウスが前に立ち、一撃だ。

 瞬時にライガとの距離を詰めて、ライガの腹部に峰打ちの一撃を加えた。

 それを受けてライガは気絶した。


 雪原に倒れたライガ。

 それに、槍のオルフェウスは釣り上げる翼の力を授けて浮かせる。


 カナが槍のオルフェウスに近づき

「殺したの?」


 槍のオルフェウスが首を横にして

「いいえ。気絶させました。こうして置けば、後々に意識が戻っても大丈夫でしょう」


 翼のグルファクシが持つ浮遊の牢獄、つかみ所も踏ん張り所もない空中に浮かされて、暴れるだけ消耗する。


 そこへレイ達が帰ってくる。

 浮遊の牢獄にいるライガに「え?」とレイが近づく。

 それにマルスも続き「おや」と


 レイが

「まさか、このボロボロな具合…彼だけが…」


 マルスも来て

「だろうな…全く」


 槍のオルフェウスが

「こちらを見つけて襲撃して来たわ。おそらく…彼以外、全滅して、その屈辱が受け入れられなくて…」


 マルスが「こいつ…」とライガを睨む。


 ソルジャーの中には、自分がやった失敗を受け入れられず弱い相手にぶつける愚か者がいる。そういうクソにライガは落ちたのだ。


 それを聞いてレイが悲しい顔をするが、直ぐに

「みんな、構えて!」

と、直ぐに反応したのは、マルス、剣のグラファラス、槍のオルフェウス、カナだ。

 無数の氷柱の雨がキャンプ拠点に降り注ぐ。


 そう、ライガを追って場所がバレたのだ。


 マルスは、若葉とカナに男性を守るように斧を盾にする。

 レイは、レッドミカエルのギアで、無数に飛んでいた氷柱を破壊する。

 マルスに届く前に氷柱の全ては破壊された。


 そして、地面が凍結する。


 レイ達の足下まで広がろうとする。だが、剣のグラファラスと槍のオルフェウスが翼を広げてマルス達四人を抱えて飛翔、それに続いてレイのレッドミカエルも飛ぶ。

 広がった凍結は、キャンプ拠点を覆って全てを絶対零度に染めて砕いた。

 避けなければ…確実に凍結の刃で死んでいた。


 そして、レイ達は広い場所へ着地すると、目の前に氷馬に乗ったアイスレルフ達の軍勢が現れる。

 その正面にはアイスレルフのボス、このパラダイムシフトの元であるマスターがいた。

 他のアイスレルフとは違って光輪を背負うマスター。


 そのマスターがレイを氷柱の剣で示し

「お前が…獲物だな」


 レイは構える。

「どういう意味だ?」


 マスターが怪しく笑みながら

「我らの王、ロードの王様がお前を倒せ…と命じた。故に…死ね」

と、告げた瞬間、周囲の空気がもっと冷たくなり、力を奪う。


「う…」と、若葉が苦しそうにする。

 それにマルスは「やろう…」と構える。


 レイは厳しい顔を向けて

「早くしないと…彼女は…」


 そう、若葉のギアの力では、更に力を奪いに来た冷気に耐えられない。 


 アイスレルフのマスターが

「いけぇぇぇぇぇぇぇ!」

 軍団に命令を送る。


 レイの隣に剣のグラファラスが来て、グラファラス背中の影が広がって無数の眷属の騎士達が出現する。

 そして、隊列を組んで向かってくるアイスレルフ達に突進する。


 それにアイスレルフのマスターは笑む。


 マルスが瞬時にアイスレルフのマスターとの間合いを詰めて、斧の一閃を浴びせるが、アイスレルフのマスターの背後から氷の人型モンスター、氷のゴーレムが現れて、その斧を防いだ。

「クソ!」

と、マルスが唸る。

 

 アイスレルフのマスターが

「お前の相手は、ソイツだ」

と、告げてレッドミカエルのレイへ氷馬を走らせる。


 音を置き去りにする速さでレイに突進するアイスレルフのマスターだが、レイも対応できる。

 回避ではなく、レイも突進してぶつかった。


 アイスレルフのマスターと、レッドミカエルのレイが、衝突して衝撃波を周囲にばら撒く。


 荒れる戦場。


 その最中、槍のオルフェウスが

「さあ、こっちに非難しましょう」

と、若葉やカナに男性の三人を広場の端へ誘導する。

 因みに、ライガは無事だ。浮遊の牢獄に囚われていたので地面を伝う凍結にはやられていないし、アイスレルフのマスターも興味を無くして放置された。


 音速の騎馬戦を繰り出すアイスレルフのマスター。

 それに追随するレッドミカエルのレイ。


 縦横無尽、四方八方へ衝突を繰り返す。


 その最中、剣のグラファラスとその眷属の騎士達がアイスレルフの兵士達を狩る。

 マルスも相手をしている氷のゴーレムを倒すが。


 雪原から何度もアイスレルフと氷のゴーレムが復活する。


 マルスが

「クソ! 無限エンカウントかよ」


 剣のグラファラスが

「どうやら、マスターを倒さない限り…永遠に続くようだな」


 レイもそれを分かっている。

 だからこそ、アイスレルフのマスターとぶつかって隙をうかがっているが…


 アイスレルフのマスターが笑み

「ムダだ。どんなにキサマが頑張ろうとも、我には届かない。なぜなら…」

と、アイスレルフのマスターが背負う光輪が怪しく輝く。

 更に力を奪う冷気の作用が強くなる。

 力が吸われて奪われる。

 これ以上、強くなれば、若葉や他の者達が…


 どうする?とレイが考える。

 力を奪う力…

 レイは、とある考えを思いつく。

 力を奪う力と同じ作用を持つモノをぶつければ…

 レイはギアをラーオロスにする。


 アイスレルフのマスターが

「何をやろうとムダだ」


 レイのギア、ラーオロスの背中にある全てを加速させる円環の翼を広げて、加速の円環を展開させる。

 莫大なエネルギーの加速を行うレイ。


 アイスレルフのマスターが訝しい顔で

「何をするつもりだ?」


 ラーオロスの円環の翼にある加速の円環から膨大なエネルギーが生じると、更に加速させた次に、世界に耐えられない程のエネルギーになった瞬間、そのエネルギーへ向かって全てのエネルギーが吸い寄せられる。


「何!!!!!!!!!!」

と、アイスレルフのマスターが焦る。

 力を奪っていたのに、それを超える奪う力、圧倒的な時空を歪める収束に自分の力が相殺されて、自分の力が奪われていく。


 どんな空間、時空には、それを維持できるエネルギーの限界点がある。

 全ては無限にエネルギーを発生できる訳ではない。

 その時空のエネルギーの限界点を、時空排他作用と呼ぶ。


「クソ!」

と、アイスレルフのマスターが焦って向かってくる。


 それは、レイの作戦通りだ。


 アイスレルフのマスターの力が弱り、レイのラーオロスは両手にアラクモの両手剣を握り剣舞を放つ。


 アイスレルフのマスターは、それを浴びて移動にしていた氷馬も破壊されて

「このクソが!!!!!」

と、氷柱の剣でレイに突きを放つ。


 だが、その氷柱の剣をアラクモの両手剣で切り刻み、アイスレルフのマスターも乱舞で切り刻んだ。


「がは…」とアイスレルフのマスターが倒され、その終わり際に

「申し訳…ありません…ウル…様」


 アイスレルフのマスターがその場に倒れると、レイはラーオロスの加速の円環を止めて、生じた膨大なエネルギーを空に放った。

 パラダイムシフトを突き破るように突き立つ光の柱、それによってパラダイムシフトの天井が破れて、パラダイムシフトが解除されていく。


 マルスや剣のグラファラスにその眷属の騎士達が戦っていたアイスレルフの兵士達も消えて行く。


 マルスは息を吐き

「終わった」


 パラダイムシフトが解除される空から、救援信号を受けた宇宙戦艦の艦隊が降りて来た。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回、杖のガルガンチュア その3

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ