幽玄の王 第34話 ロードの王
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ロードの王は…
パラダイムシフトを起こしたダンジョンで、一人の老紳士が小高い場所から見下ろしていた。
「なるほど…彼は…正しい選択を選んだか」
と、老紳士であるロードの王は微笑む。
優しげで悪意がない感じ取れない程の声、それは聞いた者達を安心させる声色。
だが、その身から溢れる雰囲気は暗く深い闇のようだ。
ロードの王が見つめる人物達、それはレイ達だ。
ライガ達と別れたレイ達を見つめるロードの王。
ロードの王は
「ウワサの彼は…こちらの想定通りに正しい選択をして、別れた方は…」
と、ライガ達が向かう先には、アイスレルフの一団が待ち構えているのが見える。
「その過信が…惨劇を招くとも知らずに…」
ロードの王は被っている帽子を外すと、その顔は穏やかで品が良いが、髪は冷たい青色をしていた。
ロードの王が腰掛けると空間からイスとテーブルが現れて、それにロードの王が座り
「ここで、お茶でもしながら…彼の…レイ・フィリックス・神崎くんの力を見定めよう。ねぇ…杖のガルガンチュア」
と、後ろに呼びかける。
ロードの王が座るイスの後ろの森から黒い影が現れて、ロードの王の右に止まる。
その黒い影からは鋭く冷たい視線が放たれている。
ロードの王が
「剣のグラファラス、槍のオルフェウス、翼のグルファクシ、盾のイージスの四人が見定めた新たな王の候補…これが、正真正銘の王になるか、それとも…」
と、右にいる杖のガルガンチュアの分身に視線を向ける。
杖のガルガンチュアの分身は
「所詮は、ユーティック機関の紛いモノ」
と、告げると消えてしまった。
ロードの王が呆れ気味に
「それでは、君達をドミネーターにした創造主の彼も…紛いモノという事になるよ。何せ…同じ場所から産まれた存在なんだからね」
と、ロードの王はティーカップを口にして
「さあ、新たな王候補のレイくん。その力を見せてくれ…」
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アナタに幸せが訪れますように…
次回 ダンジョン・パラダイムシフトの戦い