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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
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幽玄の王 第33話 ダンジョン・パラダイムシフト

次話を読んでいただきありがとうございます。

突如、起きた異常、それにレイ達は…


 雪原のど真ん中にいるレイ達。

 ライガが周囲を見渡して

「ここは…」


 殺気をレイとマルスが感じる。


 攻撃の一撃が一団に飛ぶ。


 マルスは近くにいた男性を蹴って攻撃を避けさせる。

 レイは、若葉を抱き締めてガードし攻撃を握り止める。


 氷の槍、氷柱の牙が飛んできた。


 若葉を守ったレイは、直ぐに槍を握り二本を投擲した。

 同時にマルスも右手に巨大な斧を握って投げた。


 レイが投げた二本の槍は、雪原の周囲を覆っている木々の中にいた攻撃者を貫く。


 マルスの投げた斧は、ブーメランのように飛んで木々を飛んで移動する攻撃者の仲間を真っ二つにした。


 攻撃者は…青白い肌をした人型だ。

 鎧を纏った青白い人型のモンスター、アイスレルフだ。


 若葉は呆然とする。レイに守って貰った。そうで無ければ…ギアを貫く氷柱の牙によって…死んでいた。

 マルスに守られた男性も青ざめる。


 倒されて消えて行くアイスレルフのモンスターに、ライガは

「そんなAランクのモンスターが…」


 マルスが

「早く、ここを移動した方がいい。アイスレルフは知能も人レベルに高いレアモンスターだ。こっちに仲間を連れて押し寄せるぞ!」


 レイも肯き

「同感です。急いでここから移動しましょう」


 ライガは

「いや、オレ達はアイスレルフ達を倒す」


「はぁ?」とマルスは驚きを向ける。


 ライガは、ギアの装備である巨大な剣を握り

「ここにいる全員はAランクのソルジャーばかりだ。オレ達は倒せる」


 レイが苛立ち

「救援を待つ方がいい。急いで救援信号を発信して、それを待った方が…」


 ライガは続ける。

「オレ達は、こんな事態を何度も経験して乗り越えている。今回もいける」


 マルスが引いて

「そうかい。つき合ってられるかよ…」


 レイは呆れつつ「分かりました」と告げた後に、ライガ達の全員にアイテムを分ける特殊ボックスを渡して

「これが依頼にあったアイテムの全部が入っていますので」


 ライガはマルスに

「他国のSクラスも、この程度に怯えるなぞ…大した事モノではないな」

と、仲間を連れて行く。

 が…

「私はこっちでも…」と女性が挙手する。

「オレもこっちで…」とマルスに助けられた男性も挙手する。


 ライガは二人を見る。

 この二人は、ライガの元からの仲間ではない。レイの実力を調べる隠れた審査官としてジェインが忍び込ませた別のチームの者だ。

「好きにしろ」

と、ライガは元からの仲間を連れて進んでいった。


 ライガ達が遠くなるのを見て、レイがマルスに

「彼は…気付いていないんですか?」


 マルスが呆れ気味に

「この冷気…寒さがギアを通じて届いている訳じゃあ無くて…力を奪っているのによ…全く」


 レイは、マルス達と共に森の中へ入る。

 隠れる場所や、安全に対処できる場所を求めてだ。


 移動中に若葉がギア越しに身体を摩ると、レイが

「はい、これを…」

と、盾のイージスの力を入れた球体のアイテムを若葉に渡す。


 若葉が受け取ると、盾のイージスの力で守られて

「あれ、寒くない…」


 レイは他にも付いてきた女性と男性に渡すと、女性が

「ありがとう。私の名はカナ。アナタは?」


 レイは微笑み

「レイです。これで身を守れますから」


 カナと男性は、アイテムの力で守られる。


 カナは

「本当だ。寒くない」


 レイはマルスにも渡そうとすると

「オレはいい。オレの中には特殊な増幅炉があるからよ」


 レイはそれでマルスも同じ王の力を受けた者であると察し

「分かりました。でも、気をつけてください」


 マルスは肯き

「おう、ありがとうな」


 レイは先を進み

「救援信号を発信しましたが…来るまで最短で十二時間くらい」


 マルスが

「通常…とは言えないが、定番のパラダイムシフトなら、オレも連中に加わってパラダイムシフトの主を倒して解決させるが…」


 レイがマルスに

「感じますよね。ジワジワと…エネルギーを奪う負荷を与える力が…」


 マルスが肯き鋭い顔で

「ああ…ここは、厄介なパラダイムシフトかもしれん」


 レイ達は、身を隠せる短めの崖の凹みを発見して、そこを拠点とする事にした。


 ◇◇◇◇◇


 パラダイムシフトしてから四時間後、ライガ達は絶望していた。


 目の前には氷の馬のモンスターに乗るアイスレルフの軍団がいて、氷柱の牙の矢や剣でライガ達を攻撃していた。


「クソ!!!!!」

と、ライガは叫ぶ。


 何時もならアイスレルフなら倒せるのに、自分達の攻撃が弾かれたり、氷馬モンスターの足に追いつけない。

 それは当然である。このダンジョンに満ちる力を奪う権能が、ゆっくりと着実にライガ達の力を奪っていた。

 次々と仲間達が殺される。

「ぎあああああ!」

「ライガさーーーん」

「うあああああ!」


 悲鳴が続く、そして…気付けば…ライガだけになった。


 ライガは怯えた目で、アイスレルフ達のマスターを見つめる。


 見た目はアイスレルフだが、一回りも巨大な氷馬のモンスターに乗って、背中に青い光輪を背負っている。

 このパラダイムシフトの主であるのは間違いない。


 アイスレルフ達が笑っている。

 この愚かな連中をどう残酷に殺そうか?と考えているのが見える。


「あああああ!」

と、ライガはその場から逃げ出した。


 ◇◇◇◇◇


 レイは拠点を造るアイテムを取り出して、崖の凹みにテントを張り、食料やアイテムを置いて

「じゃあ、自分は周辺を見て来ます」

と、告げた次に槍のオルフェウスを出して

「オルフェウス、ここの防衛を頼みたい」

 

 槍のオルフェウスは肯き

「ええ…任せて」


 槍のオルフェウスをカナと若菜に男性は驚きで見つめているとレイが

「ああ…ガーディアンです。たまたまねえ」


 槍のオルフェウスが肯き

「ええ…たまたま、気に入って付いて来ちゃったの」

と、茶化して誤魔化す。


 マルスには分かっている。

 槍のオルフェウス、ドミネーターであると…

 そして、レイに…

「オレも一緒に同行しても?」


 レイは戸惑いつつも

「ああ…はい、構いませんよ」


 こうして、レイとマルスの二人で周囲を見回る事になった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

アナタに幸せが訪れますように…

次回 ダンジョン・パラダイムシフトの戦い

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