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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
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幽玄の王 第22話 誘拐の顛末

次話を読んでいただきありがとうございます。

盾のイージスの誘拐、それには…


 盾のイージス、ドミネーターである彼女は、とても優しい性格だ。

 槍のオルフェウスの姉よりも優しく争いを好まない。

 能力も相応の守るという力に特化している。

 故に盾のイージスは、静かにダンジョンに近接する町で暮らしている。


 盾のイージスが住む町、その場所は…レイがいる惑星から数個程度、離れた場所で。

 町に隣接するダンジョンは、ソルジャー初心者や、ソルジャーの気分を味わいたい人向けのE級のダンジョンだ。


 そのダンジョンに出てくるモンスター達は、全てエネルギー体のモンスターで、実体はない。

 様々な動物や植物の形になる実体のないエネルギーモンスターのハンティングに罪悪感はなく、むしろリアルなゲームをしている感覚だ。


 そもそも、このエネルギーモンスターが生じる、このダンジョンは…様々なエネルギー結晶を生成し、それに様々な残留思念が取り憑いて動植物のような形を形成するので、生き物でもない。


 ゲームの中に現れるようなNPCモンスター。

 その言い方が相応しい。


 じゃあ、実体のあるモンスターは?

 ダンジョンでソルジャー気分を味わいたいソルジャーではない人達の護衛をしている。

 

 ダンジョンと言えば危険である…のは大部分だが、このような人を楽しませる為に存在するダンジョンも少なからず存在する。


 レイ達、ソルジャーが活躍するダンジョンは危険が多い。


 だが、アントの楽園のような安全なダンジョンもある。


 その差は、ダンジョンマスター、ダンジョンのコアである主の考えに依存している。


 元々、ダンジョンは前の王の時代に作られた、一種の職業安定の一面もある。


 世の中は、完璧ではない。

 レイ達のような、様々な惑星へ飛び出して都市を造るようになった宇宙文明でも、不況は存在し、それによって失業する者達はいる。

 つまり、このダンジョンという存在は、失業した者達への一時的な対策なのだ。

 ダンジョンで得た資源を売買する事で、失業者は賃金を得て

 ダンジョンで取れた資源が世の中に広まる事で、不況が改善を始める。

 その結果、失業でダンジョン探索をしていた者達が社会の中へ戻る。

 むろん、ダンジョン探索という職業に適合する者達も出てくる。

 それはそれで、受け入れるだけ。


 そうやって世の中が不安定になるのを防いでいる。


 だが、このダンジョンというシステムを作った前の王は…殺されてしまった。

 その原因は…前の王自身にある訳ではない。

 それでも前の王が殺されて、造られたダンジョン達やドミネーターは怒り狂った。

 

 一時期、人間との全面戦争に勃発しそうになるも、それを止めたのは翼のグルファクシだ。


「王の願いを忘れるな!」


 ダンジョンが生まれた理由、前の王の意思。


 そういう様々な思惑が絡んで、ダンジョンと人は、ソルジャーとダンジョンという形に収まった。


 ダンジョンを探索しモンスターを倒して資源を得る。

 そこで死のうが生きようが、億万長者になろうが、貧者になろうが、ソルジャーとなった者の責任。


 そこを落とし所にしたが…盾のイージスは、それを良しとは思っていなかった。


 だからこそ、微力ではあるが誰かを守れる力…身を守るシールドを張れるアイテムを売る商売を始めた。


 細々という訳ではないが、もの凄くヒットしたという訳でもない。

 

 そんなゆったりした感じで、盾のイージスは道具屋を構え続けていた。


 そんなある日

「いらっしゃいませ」

と、盾のイージスの彼女がカウンターから呼びかけた。

 その一団は、全員が漆黒の鎧に身を包んでいて、その鎧はまるで生き物のように滑らかな外観だ。


 盾のイージスが身を引かせると、その漆黒の鎧の一団が手を伸ばし、無数の触手で盾のイージスを絡め取って球体のようにして封印した。


 漆黒の鎧の一団の男達が笑う

「やったぜ! これで…オレ達は無敵の兵団となれる」


「しかし、スゲーな。このロアデウスって鎧は」


「こんな力があるなんて、ソルジャーなんてゴミだぜ」


 盾のイージスが封印された球体を手にして見上げる男が

「あとは、コイツから絶対に壊れないシールドを作り出し続ければ…オレ達に敵うヤツはいねぇ」


「オレ達をバカにし続けた上のソルジャーのヤツ等に…」


「それよりも、ソルジャー関連の施設を…」


「そうだぜ。オレ達から散々に搾取して来たんだ。そのツケを払って貰おうぜ」


 漆黒の鎧の一団は、笑い声を放つ。

 男達が装備している漆黒の鎧は、ロアデウスという力だ。


 ロアデウスの力を持つ愚か者達を見下ろす存在がいる。

 盾のイージスの店の外、近くのビルの屋上から見下ろすのはミカボシだ。


 ミカボシがロアデウスの一団を見下ろしていると、端末に連絡が入る。

「はい」


 知らぬ者の声

「計画は順調か?」


 ミカボシが笑み

「ええ…順調ですよ。ああ…いう愚か者ほど、操りやすい人形はありませんから」


 知らぬ者の声

「なるほど、これで盾のイージスの件は上手く行くという事か…」


 ミカボシが肯き

「ええ…でしょうね」


 知らぬ者の声

「ドミネーターの中で盾のイージスは、争いを好まない。力を譲渡するとは考え難い。だが、事件に巻き込まれて救出された…となれば…」


 ミカボシが

「そうです。全てはアナタの想定通りになるでしょうね。ロードの王よ」

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、盾のイージス 前編

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