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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 ドミネーター編
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幽玄の王 第21話 翼のグルファクシ 後編

次話を読んでいただきありがとうございます。

翼のグルファクシと出会ったレイ、そこで語られる条件とは?


 全長四万キロの軌道エレベーターが本社のエンジェルリンクス社がある惑星。

 本社の軌道エレベーターの最上部にある会長室には、エンジェルリンクスの会長であり翼のグルファクシである老紳士がいた。

 人名で言うとオーズ会長と呼ばれる翼のグルファクシが一人、宇宙と惑星が見える会長室で踊っていた。


「どん。どん。どん。どぅーん。どん。どん。どん、どぅーん。どん」

と、ステップを刻みながらマイケル・ジャクソンのように踊る翼のグルファクシ。


 そして、決めポーズで

「ポウ!」

と、叫んでポーズを取った目の前に、小宮達とレイ達がいた。


「ボウ!」

と、驚いて叫ぶ翼のグルファクシ。


 それを見ている小宮は呆れて顔を引きつらせ、レイはマスコット化したグラファラスがとオルフェウスを両肩に乗せてドン引きしていた。


 小宮が

「レイ、気にするな。このオッサンは昔からこんな感じで残念な人だから…問題ない」


 レイがドン引き顔で

「ええええ…」


 翼のグルファクシが咳払いして

「んんん…小宮の坊主じゃあないか…そして、グラファラスとオルフェウスか…」


 レイの肩にいるマスコットの剣のグラファラスが

「レイ、気にするな。この人は昔からこうだ。だから、問題ない」

 レイの肩にいるマスコットの槍のオルフェウスが

「ええ…そうよ。レイ」


 翼のグルファクシが微妙な顔をした次にレイを見つめて

「ほう…ウワサの若人か…」


 レイが背筋を正して

「ぼくを…自分をご存じなのでしょうか?」


 翼のグルファクシがレイに近づき

「ああ…ダンジョンマスター達の中でも有名だし、キミと同じようになった人物の一人からも話を聞いたからね」


 レイはハッとする。

 ラジャスの時に出会った同じ人、ジンの事が過った。


 翼のグルファクシが奥にある来客の席を示して

「立ち話もなんだろうから、座ってじっくりと話そうじゃあないか…」


 ◇◇◇◇◇


 会長室の席を囲む小宮とレイ、マスコットのオルフェウスとグラファラス。


 全員が一望できる場所の奥の席に翼のグルファクシが座り、レイを見て微笑み

「しかしまあ…今までの王の力を受けた者達の中でも一番にマトモそうでよかった」


 レイが翼のグルファクシを見つめて

「自分の他にも…同じように…」


 翼のグルファクシが

「ああ…何人か過去に見てきたけど。大抵は力に取り憑かれて暴走して終わる…」


 レイの隣に座るマスコット化した剣のグラファラスが目の前のお茶を取って飲み

「実際、私もレイ以外にも何人かに力は分け与えたが…結果は、まあ…お粗末なモノさ」


 レイを挟んで隣にいるマスコット化した槍のオルフェウスもお茶を取って飲み

「私は、一切…力を分け与えなかったわ。もう…見た目や雰囲気からダメだった連中ばかりで…レイが始めてね」


 小宮が溜息を漏らして

「まあ、仕方ないですよ。今まで得られなかった力を得て、増長して悪化するのは…サガみたいな所がありますから」


 翼のグルファクシが手を伸ばして

「レイくん、握手を…」


 レイが「はぁ…」と手を伸ばして翼のグルファクシを握手すると「え?」とレイは驚く。なんと翼のグルファクシの力を譲渡されたのだ。

 レイが戸惑い気味に

「試すような戦いはしないのですか?」


 翼のグルファクシが微笑みながらお茶を手にして

「グラファラスとオルフェウスの二人が付いているんだ。それ程に良い子って事の証であり、何より…別れた二人を繋げてくれたのが証左でもある」


 レイは少し嬉しくて微笑み

「ありがとうございます」

と、頭を下げた。


 それに翼のグルファクシと小宮は満足する。

 今までにレイと同じく王の力を受けて覚醒した者達はいた。

 だが、レイのような応援したくなるような心根が良い者達はいなかった。

 もしかしたら…この子は…と期待が込み上げる。


 翼のグルファクシが

「力しか譲渡できない。私は、グラファラスやオルフェウスのようにキミの隣には居られないから、何か相談したい事があったら…何時でも来なさい」


 レイが再度、頭を下げて

「はい。ありがとうございます」


 翼のグルファクシが手を組んで

「キミに相談がある。大丈夫かね?」


 レイは肯き

「はい、大丈夫です。自分に出来る事があるなら…」


 翼のグルファクシが困った顔で

「実は、盾のイージスが誘拐されたんだ」


 小宮が

「それは、事実なのか?」


「信じられない」とオルフェウスとグラファラスが呟く。


 レイが

「ドミネーターより強い存在っているんですか?」


 翼のグルファクシが首を傾げて

「いない訳でないが…ロードと呼ばれる連中ならあり得るが、普通はない。そして、誘拐したのも、そのロード達の行いではない」


 レイが挙手をして

「その…ロードとは何ですか?」


 レイの疑問にグラファラスが

「ロードとは、我らを生み出した王の前にいた王が作った九つの巨大な存在、ロード(君主)とされる九天君主とされる者達の総称だ」


 レイが驚きで

「そんな事があったんですか…」


 翼のグルファクシが

「その当たりの歴史はね…色々と黒い部分が多すぎて…ね。本当は…」

と、チラッと小宮を見る。


 小宮は静かに目を閉じていた。


 その雰囲気にレイは、良くない事を聞かない方がいいと思って

「それは後々で…それよりも盾のイージスが誘拐された話を…」


 翼のグルファクシが「おお…そうだった」と指を弾いて鳴らすと、周囲にデータの立体映像達が並ぶ。

 そこには、何かのエネルギーシールドを持って施設へ突入して強盗をしている者達の姿が多数あった。


 レイが「これは…」と全体を見て問う。


 翼のグルファクシが

「これは先週から起こっている施設への連続襲撃をする強盗事件だ。その際に犯人達が使っている力、あらゆる攻撃を弾くシールド、これは盾のイージスの力だ」


 小宮が

「オレ達のいる地域までは…この話は伝わっていないぞ」


 翼のグルファクシが

「まだ、小宮の坊主がいる場所までは広まっていない。犯人達が狙っている施設は、主に貴金属やダンジョンから採取したエネルギー結晶を保管する厳重施設なんだが…そこがことごとく狙われて、奪われている。犯人を確保しようにも盾のイージスの力によって守られて逃走。未だに捕まっていない」


 槍のオルフェウスが

「イージスは、こんな事を絶対にやらないし、望まない。つまり…」


 剣のグラファラスが

「つまり誘拐されて、何からの方法で力を抽出、使われてしまう道具にされている…と」


 翼のグルファクシが肯き

「そうだ。それを救出して欲しい」


 レイが真剣な顔で

「つまり、その捜査を、盾のイージスさんを助け出す依頼を自分に…」


 翼のグルファクシが肯き

「王の力を持つキミならやれる。そして、キミだけでは心細いだろうから…他の協力者を頼んでいるよ」


 レイが

「他の協力者?」


 会長室に二名が入ってくる。


「お呼び出しとは…どんな依頼だ?」

と、ジンが


 もう一人、ジンや小宮と同年配の男性が

「ノンビリ、ダンジョン攻略していた最中だったのに…強制お使いが来て…これとは」


 レイがジンを見て、ジンが

「お前…」


 ジンと共に来た男性が

「おや? キミは…ウワサの…」


 翼のグルファクシが二人の隣に来て

「正式な紹介は、今日が初めてだろう。ジン・ファランクス・リュンと。そして…」


 初めての男性がレイに近づき

「初めまして、ジンはアノ事件の時に顔を知っているだろう。オレは、初めましてだね。シロッコ・ブロリー・パステマス」

と、シロッコはレイに握手を向ける。


 レイは直ぐに分かった。

 シロッコも自分と同じ、王の力を得た人物だ。


 ジンも近づき

「言葉を交わすのは、初めてだな。ジンだ」

と、レイに近づき握手する。


 三人の王の力を継承した者達が集まった。 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、誘拐の顛末

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