幽玄の王 第20話 翼のグルファクシ 前編
次話を読んでいただきありがとうございます。
二つのドミネーターを得たレイ、そして次のドミネーター、翼のグルファクシとは?
レイは、ドミネーターの二柱を手に入れた。
王の力を受け継いだ存在を二つ、二柱も。
剣のグラファラス、槍のオルフェウス
一体でも強大な力を持つドミネーター。
そんな二柱を…レイは…。
レイの事を見届けたミンは
「ごめんね。レイ君…色々と迷惑をかけちゃって…」
レイが微笑み
「分かって貰えたのなら良かったです」
レイの肩にマスコット化した槍のオルフェウスが乗り
「貴女、本当にレイの彼女ではないのね」
ミンは
「…はい…」
レイが
「当然ですよ。ねぇ、ミンさん」
と、微笑む。
ミンは少しだけ悲しみが見える笑みで
「ええ…はい」
それを見たマスコットの槍のオルフェウスが溜息の後に
「貴女、ミンの事を気に入ったわ。でも、力を分け与えるには…試練を…」
レイが
「ああ…それなら問題ありませんよ」
”契約せよ
ミンへ光の粒子が降り注ぎ、レイからミンに力の契約が成された。
マスコットの槍のオルフェウスが
「あら、私の力がミンに譲渡されたわ。凄いわね…レイ」
マスコットの剣のグラファラスが現れて
「凄いだろう。レイは、力を分け与える事が出来るのだよ」
マスコットの槍のオルフェウスが
「力を…分け与える…」
意味深にマスコットの剣のグラファラスが
「そう…力を分け与える…だ」
意味深に黙るマスコットの剣と槍のドミネーター達。
ミンが
「レイくん。また、何か相談や困った事があったら乗るから、気兼ねなく話してね」
レイが
「ありがとうございます。ミンさん」
こうして、レイはミンと別れた後にミンが
「私とレイくんは…ただの…」
と、その先が言いたくなくて呑み込んだ。
◇◇◇◇◇
レイは帰宅すると、直ぐに姉のアスカに問い詰め…ではない。今回の事を聞いて、新たに加わった槍のオルフェウスを見せて説明して納得して貰う。
そうでないと後々に…
そして、姉のアスカも交えて
「あと…何体もオルフェウスさん達を手に入れるつもりなの? レイ」
レイが
「後…翼のグルファクシ…盾のイージス…杖のガルガンチュア…と三つだね」
同じ話し合いのテーブルに参加してマスコット化した夫婦、剣のグラファラスと槍のオルフェウス、剣のグラファラスが
「次は、翼のグルファクシと盾のイージスの方が良いよ」
レイが
「また、二人と一緒で戦うんですよね?」
マスコット化した夫婦が同時に
『ノンノン』
と、否定して槍のオルフェウスが
「翼のグルファクシは、直ぐに会えるわよ」
姉のアスカが
「その、翼のグルファクシさんとは、どこで会えるのですか?」
剣のグラファラスが
「運輸関連を運営維持している財団、エンジェルリンクスの会長、オーズ・リー・ライチャが、翼のグルファクシだよ」
『はあああああ!』とレイと姉のアスカは驚きの声を放つ。
槍のオルフェウスが
「アイツ、初期の頃から…一抜けして、自分の能力を生かして宇宙船を大量生産して、この宇宙の運輸や宇宙船舶製造の巨大財閥を作ったのよ」
剣のグラファラスが
「好き勝手やる。究極の自由人だよ」
お、おう…と何とも言えない空気になるレイと姉のアスカ。
槍のオルフェウスが
「盾のイージスも…私と同じ女性で…争う事が嫌いだったから。直ぐに戦いの場から逃れて翼のグルファクシの庇護下に入って、静かに過ごしてるはずよ」
剣のグラファラスが
「私と翼のグルファクシは、兄弟で、兄が翼のグルファクシで弟が私」
槍のオルフェウスが
「私と盾のイージスと姉妹で、姉が私なの」
レイはドミネーター達が俗っぽい人間のように感じて親近感が湧いてしまう。
姉のアスカが
「じゃあ、翼のグルファクシさんと盾のイージスさんってお二人のように夫婦なんですか?」
「ぜんぜん」と剣のグラファラスと槍のオルフェウスが否定して、剣のグラファラスが
「翼のグルファクシがドミネーターの中でも一番の年長でね。距離感が上手いって言うか…つき合い易いっていうか…ドミネーターの中でもみんなのお兄ちゃんみたいな位置でね」
槍のオルフェウスが
「盾のイージスの事も妹みたいにしてくれ…男女ってないわ。なんだろう。翼のグルファクシって男なんだけど、男女の友情ってあるよね!って感じよね」
レイは不思議な気持ちを抱く。
ドミネーターって王の力が形取った存在なのに、もの凄く人らしい話が飛び出して来て、凄く身近な存在になった。
姉のアスカが
「そんな凄い会社の会長なら、私達が会う事なんて…」
剣のグラファラスが
「ああ…レイの知り合いで小宮って人がいるだろう。あの人に相談すれば良いよ」
「へ?」と姉のアスカとレイは困惑の声を漏らす。
◇◇◇◇◇
レイは小宮に
「あの…エンジェルリンクスの会長に会いたいんですけど。ムリですよね…」
と、小宮のギルドがあるオフィスへ来ていた。
目の前にいる小宮が首を傾げて
「なんでだ?」
レイの両肩にマスコットの剣のグラファラスと槍のオルフェウスが乗って
「この子の力を高める為にね」
と、剣のグラファラスが
「私達も久しぶりに会いたいし」
と、槍のオルフェウスが
小宮がドミネーターを見て
「なるほど…分かったよ。連絡してみる」
「え!」とレイは驚きの声を漏らす。
小宮が端末を取り出して電話していると
「ああ…はいはい、で、ああ…はいはい、分かりやしたぜ」
と、電話を切ると
「レイ、お前と会いたかったって向こうも思っていたぜ」
「えええええ…」とレイは大企業の会長と簡単に会える事に困惑とドン引きをしていた。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら
ブックマークと☆の評価をお願いします。
次話を出すがんばりになります。
次回、翼のグルファクシ 後編