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天元突破の超越達〜幽玄の王〜  作者: 赤地鎌
幽玄の王 はじまり
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幽玄の王 第13話 選択の道

次話を読んでいただきありがとうございます。

帰宅したレイは再び、ディオス達と…


 レイは帰宅する。

 その帰り際に小宮が

「まあ…どうするかは…お前次第だ。オレからは何も…だが」

と、レイの肩を叩き

「お前なら、きっと大丈夫だろうよ。だから、何か悩む事があったら何時でも相談に乗るぜ」

と、小宮はレイに微笑む。


 レイは肯き

「ありがとうございます」


 おそらく、アリの女王との会話を聞いていたのだろう。

 そして、アリ、アントで最強の戦士と戦った。

 色々と推測は出来る。

 聞きたい事もあるだろうが…小宮はレイを信じて聞く事はしない。

 信頼…

 そんな言葉がレイの中に沸き起こる。

 

 レイが家に帰ると、妹のスイが来て

「ちょうどよかった。お兄ちゃん、お客さんが来ていて、お姉ちゃんが相手をしているよ」


 レイが首を傾げて

「誰が来ているの?」


 スイの後ろにナトゥムラが来て

「よう」


 レイがディオスが来たと知って、ナトゥムラと共にリビングに来る。


 ディオスと姉のアスカは二人で机を囲んで書類にサインしている。

「ああ…お邪魔してます」

と、ディオスが微笑み。


 姉のアスカが

「ああ…レイ、良かった。マキナに関しての契約を結んでいるの。レイのサインも必要な所があって…」


 レイが姉のアスカと共にマキナに関しての契約を読み上げて、レイは自分がサインする場所にサインをしていた。

 契約は普通な内容で、マキナの動力に関して特殊な技術が使われているので自分達で分解して整備しない事。他の技術はここまでが開示を許されて許されないやら、あとはマキナから取れるデータの活用と禁止事項、個人情報保護と、その他と契約を確認した。


 ディオスがサインしたデータプレートを持ち

「これで、そちらにマキナを譲渡する契約は完了しました。後は…」


 姉のアスカは微笑み

「ご丁寧に色々とありがとうございます」


 ディオスが「いいえ」と微笑む。


 レイが

「ホントにマキナに関して何から何まで…ありがとうございます」


 ディオスが

「いいや、こちらこそ…ちょうど良かった。助かっていますよ」


 姉のアスカが軽く世間話をしていると、ディオスが静かなレイに

「レイくん。どうしましたか?」


 レイは何かを聞きたそうにしていた。

「あの…ディオスさんは、本当に何者なんですか?」


 ディオスは笑みのまま、その後ろにいるナトゥムラが少しだけ鋭くなる。

 ディオスが手を上げるとナトゥムラが鋭い気配を消して

「そうだね。フェアではないね」


 レイは

「あの時、ダイナソータートルのダンジョンの事件で…仲間を救ってくれた手腕や、その…ロアデウスという存在について知っているようでしたし。それに…XXクラスのソルジャーのルリ・ソン・ルーナさんも…ディオスさんの事を…」


 ディオスは肯き

「私個人としては、ただの技術者と思っているが…周囲はこう呼ぶ。聖帝ディオスとね」


 それを聞いて姉のアスカとレイが目を見開く。

 その名を知らない者は数少ない。

 聖帝ディオス、数多の宇宙王、ハイパーグレート(超越存在)達の中でも強大な力を持ち始めた一角をまとめる王であり、この世界にダンジョン達を生み出して治めた王が同じ存在でもあった。


 姉のアスカは困惑して

「その、あの…」


 ディオスは微笑み

「そんなに畏まらなくていいよ」


 レイは視線を泳がせて

「あの…そんな凄い方が…ボクなんかに…」


 ディオスは真っ直ぐとレイを見つめて

「君達がダイナソータートルのダンジョンで巻き込まれた事件、ラジャスという人物にロアデウスという兵器が提供された事、そして…レイくんが力を得た事、レイくんがアント・パラダイスへ向かった事も、そこで起こった事も知っている」


 ゴクンとレイは息を呑む。


 ディオスは諭すように語る。

「君が力を得た方法は、我々が調査している事柄の一つだ。だからこそ、レイくん。君に問いたい。その力をどうするつもりだい?」


 レイは少し考え

「クリスタル症になってしまった母さんを…母親を助けたいです」


 ディオスは頷く

「そうか。それは正しいだろう。だが、その後は?」


 レイはその後を聞かれて答えられない。


 ディオスは静かに語りかける。

「大きな力は大きな厄災を引き寄せると共に大きな恵みも引き寄せる。全ては使い方次第、破滅するのも富を手にするのも、誰かを助ける力になるのも、使い方次第。君の選択と意思で決まる。私はそれを見続けようと思う。どう、君が選択するのか…をね」

と、ディオスは微笑む。


 レイは試されているような感覚になる。


 ディオスが微笑みながら

「そう緊張しないでくれ。相談事があるなら、相談に乗るよ。私もそうやって多くの人に助けて貰った。宇宙王なんて呼ばれているけど、存外、困り事が多くて相談してばかりさな」

と、ナトゥムラへ微笑む。


「ふふふ」とナトゥムラが微笑む。


 ディオスが

「そんな感じで、私を頼ってくれても構わないよ」

と、レイに語りかける姿は、レイに亡き父親のような面影をディオスに感じさせた。


 レイは肯き

「はい、相談したい事がありましたら…是非、お願いします」


 ディオスが

「こちらこそ、よろしくな」


 ディオス達が帰った後に、姉のアスカが

「レイ、何があったの?」

と、レイの口から全てを聞いた。


 特殊なダンジョンで死にそうになって、そこで力を得た。

 それは、過去にこの世界にダンジョンを広げた王の再来を作る為のシステムで、それによってレイは力を強大に加速できる事、そして…それを使って母親を助けたいと。


 それを姉のアスカが聞いて

「分かった。レイのやりたいようにやればいいと思う。でも…」


 レイが

「でも?」


 姉のアスカがレイのホホに触れて

「絶対に遠くへ行かないでね」


 その手をレイは握り

「分かっているよ。姉さん、約束する」


 レイは約束を交わした。


 ◇◇◇◇◇


 ディオスは帰還する時空戦艦内で、資料のデータプレートを見ていた。

 そこへナトゥムラが来て

「本当に観察だけで良いのか?」


 ディオスが肯き

「彼を信じてみようと思う。もちろん、道を踏み外した場合は」

と、固く握った拳を見る。


 ナトゥムラが

「その心配は無いように思えるぞ」


 ディオスがナトゥムラに

「どうして?」


 ナトゥムラが

「だって、お前の元に集まったセイントセイバーのアイツらみたいな感じだったからよ」


 ディオスが微笑み

「確かに、良い子だ。だから助けたくなる」


 ナトゥムラが微笑み、そして…ディオスが見ているデータプレートのデータを見て

「あの時のロアデウスのデータか?」


 ディオスがデータプレートを見つめて

「ああ…我々が知っている侵食殲滅兵器ロアデウスとは違うロアデウスだ。おそらくだが…これも実験だろう」


 ナトゥムラが

「オレ達の技術が盗み広がって、最悪な事に使われているなんて…よ」


 ディオスが厳しい顔で

「いずれ、尻尾を掴んでみせるさ」

 

 データプレートには、消去されたラジャスの記憶の欠片に残っていた人物がいた。

 そう、あのミカボシの怪しく笑む顔が…あった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回から新章、ドミネーター編が始まります。

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