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白夜 81話 フィナーレへ…

次話を読んでいただきありがとうございます。

超越存在が束になっても敵わないアムザクの攻防、それは…


 アムザクのサルヴァード・レイヴォーストが雄叫びを放つ。


 それと同時に戦っていたディオス達のサルヴァードも現れて、クロとアルードのサルヴァードの元に着地する。


 クロとアルの二柱のサルヴァードの周囲に、ディオス達五人のサルヴァードが立つ。

 その七柱のサルヴァードが見上げるサルヴァード、アムザクのレイヴォースト。

 虎龍型のサルヴァードの白く輝く巨体は、二億光年サイズよりも大きい。


 アムザク、ミカボシ、スクナ、ハジュン、アテルイの五人の超越存在が集合して構築されたレイヴォーストの力は、クロ達七柱のサルヴァードより巨大だ。


 アムザクのサルヴァード・レイヴォーストが

「アルード、約束は? アルテイル時空共和国をより進化した時空とする。私との契約は?」


 アルードが

「なったさ。ゴッドレガリアシステムは…新たに生み出した宇宙達、時空を繋げるネットワークになり、最初から時空文明級の宇宙達になった」


 アムザクのレイヴォーストの瞳が輝き

「足りないなぁ…進化が…」


 アルードが

「契約は成されたはずだ」


 契約…アムザクとアルードは契約していた。アムザクの権能を提供する代わりに、アルードは、進化した時空を作り出す事…その契約をアムザクと交わしていた。


 アムザクが

「足りない、足りない。ミカボシやスクナ、アテルイ、ハジュンのような単独の超越存在の王も創造させて貸し与えて、更に…多くの時空を改造する力や、超高次元多結晶体も生み出す力も与えて…」


 レイヴォーストが雄叫びを上げる。

 ヴォオオオオオオオ

 

 全員がいる超高次元が揺らいで、その余波で新たな宇宙、時空達が誕生して、宇宙達がいる次元へ零れ落ちる。


 アムザクが

「私が望んだのは、神さえもその時空で存在できる神化した宇宙だ! これでは、定番に進化した低次元の宇宙だ!」


 アルードのブラスターが立ち上がり

「そうか、契約は成されているが…事が終わった後は…穏便にしたかったのに…」


 アムザクが仮面の奥にある瞳を輝かせ

「もっと望め。愚かな欲望の獣の如く…自分は神にさえなれると傲慢になって…望め、もっと、もっと…と」


 アルードはブラスターを構えさせて

「もう、ここまで、十分だ」


 クロもシャヴァラスを構えさせて

「ああ…そうの通りだぜ」


 アムザクが仮面の奥にある瞳を呆れの色に変えて

「残念だ。人に囚われた低レベルな者達よ」


 ディオスが自分のサルヴァード・エルディオンを構えさせて

「それでいい。我々は、どこまで行っても人であり、人のままだ。超越存在や、神に等しい力を得ても、人は人のままなのだ!」


 ディオスに続いて、息子のティリオ、アヌビス、天臨丞王、異端帝王もサルヴァードを構えさせる。

 天臨丞王が

「だから、お前は…過去に、我々に負けたのだぞ! アムザク!」


 アムザクが

「なら、私がこの後を…」


 クロが

「皆本くん。何処までも力を求めても…終わりなんてない。自分は自分なんだよ。何かに追われて追い立てられて、突き詰める事に意味なんてない」


 アムザクが仮面の奥にある瞳を細めて

「その説教、相変わらずですね。鈴村主任」

と、告げた後にアムザクのレイヴォーストが背中から膨大なエネルギーの閃光を発射する。

 それが、アルテイル時空共和国と新たに誕生した宇宙達を呑み込もうと触手のように広がる。


 レイヴォーストが更に巨大化する。虎龍型のサルヴァードから、ケンタウロス型のサルヴァードへ変貌する。

 龍の頭部を持つ鎧の上半身と、龍の鉤爪を持つ四つ足の下半身、龍のケンタウロス型へ変貌したレイヴォースト。

 その顎門と、背中、両手から膨大な攻撃のエネルギーを発射して、それを打ち砕いて進むクロ達の七柱のサルヴァード達。


 黄金の天と足下は無限の宇宙の水晶達が存在する超高次元で、巨大な龍ケンタウロスのサルヴァード・レイヴォーストと、超越存在の王の七人による七柱のサルヴァード達が衝突する。


 レイヴォーストの攻撃と七柱のサルヴァード達の攻撃が衝突する度に、宇宙が誕生して、宇宙達が存在する次元へ落ちていく。


 レイヴォーストのアムザクが

「進化こそ、全ての生命の宿願! それを理解しない…とは」


 ディオスが

「否定はしない。だが、それによって押し潰されて消えてしまう者達もいる」


 クロが

「それを…見過ごすしたツケは、破滅だ!」


 アムザクが

「その破滅さえ進化だ」


「違う!」とクロ達七人の超越存在達が叫び攻撃する。


 アヌビスが

「破滅さえ進化というなら、この世は全て終わりぞ!」


 ティリオが

「それを見過ごしてしまって苦しんでいた人達を…助けられなかった後悔をした人達がいた! それを否定する事はできない!」


 アムザクが

「進化とは絶望と表裏一体、進化があるから絶望がある。絶望するかこそ進化する。絶望が深い分、進化も深い。それが真理」


 クロが

「そうかもしれねぇ…でもよう…やっぱり、人として…それは見過ごす事は出来ねぇぜ!」


 アムザクが「フン」と鼻で笑うと、更にレイヴォーストの力を強めて、アルテイル時空共和国を呑み込む力を強める。


 ディオスが

「いかん、このままでは…間に合わない」


 クロが

「頼みがある。みんなの最大の一撃をオレに背負わせてくれねぇか?」


 クロが、七柱のサルヴァード達の力の全てを乗せて…



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、最終話 白夜と世界

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