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白夜 77話 ReawakeR

次話を読んでいただきありがとうございます。

クロと弟のアルードが…


 クロは深呼吸する。

 クロがいる操縦席、それは時空戦艦グルファクシだ。

 剣型の時空戦艦グルファクシが二つに裂けて変形する。

 別れた船首の先端が翼になり、推力部がある後部が胴体となり、両手足が伸びる。

 全長二百メートルの時空戦艦グルファクシが黒い剣の翼を伸ばす機神へ変形した。


 時空戦艦グルファクシ、ギガンティス。

 グルファクシ・ギガンティスとなった時空戦艦グルファクシの操縦席は頭部にある。

 全長が百メートルの剣翼を背負う機神の背中に別の装備が接続される。

 黄金に輝く八角形の装置、そして、両手足に砲身とエネルギーミサイルを接続した武装も追加装着される。


 クロが操縦桿を握ると、クロの体内へエネルギーが送られると、それが無限大に増幅されてグルファクシ・ギガンティスを巡る。


 操縦席にいるクロにDIシュレアが

「まさか、非常用に取って置いたシステムを使う事になるなんて…」

 

 クロが

「それ程の事態という事だ」


 別の通信で聖帝ディオスが出る。

 

 クロのグルファクシ・ギガンティスがいるのは聖帝ディオスの所有物、軌道エレベーター・コロニーのミリオンだ。


 通信の聖帝ディオスが

「私が今、出来る事は…ここまでだ。そのマシンに接続した高次元領域接続器、ゾディファール・セフィールには…アルテイル時空共和国の超空間ネットワークの裏コードが仕組まれている。無論、こちらからのモニターも行っている」


 クロが端末に触れて

「タイムリミットは?」


 聖帝ディオスが厳しい顔で

「あと、十九時間。君が出撃して直ぐに、私達も向かう。君は引きつける最初の囮という事だが…」


 クロが操縦桿を固く握り締めて

「もし、十九時間後に解決しなければ…アルテイル時空共和国は…時空大結界に包まれて…」


 聖帝ディオスが

「そうだな、結界が解かれない間、永遠に時が止まった時空となって…封印される」


 クロは口元だけ笑み

「やってやるさ…オレがどうなろう…とな」


 別の通信でティリオが出て

「クロさん、約束…守ってくださいね」


 それにクロは答えずに

「出撃する」

と、グルファクシ・ギガンティスを発進させて宇宙へ出ると、時空転移してアルテイル時空共和国へ向かった。


 それを宇宙国家戦艦セイントセイバー号から見送ったティリオと、隣にいる父の聖帝ディオス。

 ディオスが息子に

「ティリオ、我々は我々がやれる事を精一杯やろう」


 ティリオはそれに静かに頷いた。


 ◇◇◇◇◇


 アルードのお茶会に参加しているレナ。

 アルード、メディーサ・ディア、アシェイラの三人が囲むテーブルにいるレナ。


 アルードは、レナに微笑みながら

「そう、固くならなくて良い」


 メディーサ・ディアは

「私達は、レナを仲間の一人として受け入れたいのよ」


 アシェイラが

「サクラはサクラ、その生まれ変わりであるアナタはアナタなのよ」


 レナが

「どうして…私を…仲間に?」


 その問いにアルードが

「兄さんをこの世界に戻してくれたからだ。君は…気付いているのかい? 君の中に宿る超越存在の力。それは…元はサクラの力だった。それが…兄さんと君を結びつけて…」


 レナが両手を見て自分の超越存在の力を見つめて

「サクラさんの力…」


 アシェイラが

「クロードの本来の力は、アヌンナキ側、ホモデウスだった。そして、今…アルードが超越存在とホモデウスの融合を成し得た事でクロが本来の力を覚醒さえた」


 メディーサ・ディアが

「クロードの本来の力、神越存在(ハイパーロード)をね」


 レナが三人を見つめて

「クロは…こんな事を望んでいないと思います」


 アルードが笑み

「だろうね。だから…ぶつかる」

と、アルードの左に空間を歪めた画面が投影される。

 そこに映し出された姿は、グルファクシ・ギガンティスだ。


 アルードが立ち上がって

「さて…兄さんと兄弟ゲンカしてくるよ」


 メディーサ・ディアが

「ほどほどにね」


 アシェイラが

「無茶しないでね」


 アルードが肯き、レナへ

「君も見ているといい」

と、告げてアルードが進む先の空間が歪んで通路となってアルードが入って空間転移した。


 レナは、それに…「私は…」とカップを見つめた。


 ◇◇◇◇◇


 クロが操縦するグルファクシ・ギガンティスがアルテイル時空共和国へ到着した。

 左に漆黒の紫の宇宙、右に白きアルードの世界。

 白夜の狭間に来た。


 その目の前の空間が歪んで通路となって、お茶会の現場からアルードが歩いてきた。


 アルードは狭間の世界で佇みながら

「兄さん、やっぱり…こうなるんだよね」


 クロが

「ああ…そうだ。これは…ダメだ」


 アルードが「はは、ハハハハハハハハ!」と笑った後に、アルードの周囲が歪んで存在を構築する。

 それは黄金に輝くクロと同じギガンティス、機神だ。

 アルードに機神は、背中にエネルギーを放出する翼と黄金の躯体を持つ機神

 クロは、漆黒に剣の翼を持ち黄金の神達と繋がる石版と両手に武装を持つ機神


 黄金と漆黒の機神が対峙して、アルードが

「じゃあ、納得してくれるまで…ぶつかろうか…」


 アルードとクロの戦いが始まった。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次回、アムザク

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