白夜 75話 UN-APEX
次話を読んでいただきありがとうございます。
アルード達が始めようとしている事態、それにクロは…
アルード達の創造が始まった。
紫真珠のような宇宙達、その宇宙達が集まっている場所、アルテイル時空共和国の時空群の上に黄金の王冠の如きゴッドレガリアシステムが鎮座して、その先端をアルテイル時空共和国の時空達へ突き刺す。
それによって、アルテイル時空共和国の宇宙内に巨大な、宇宙を貫く黄金の切っ先が伸びると、宇宙達が開いていく。
まるで、花びらの如く宇宙達が開き、その上にゴッドレガリアシステムの黄金が鎮座している。
四次元という閉じた世界の宇宙達が開かれてゴッドレガリアシステムの王冠の先端達で咲き乱れる。
それは、黄金の枝に連なる花のようだ。
アルードがやろうとしている事、それは…
「この宇宙達を一つに!」
アルテイル時空共和国の別れている幾つもの宇宙達を一つの宇宙として結びつける神の所業が始まった。
宇宙という何千兆光年の存在を世界の花びらに作り替えて、ゴッドレガリアシステムの一部にする。
創造神の力を超えた所業を始めた。
◇◇◇◇◇
クロは急いで時空戦艦グルファクシを帰還に向ける。
超空間ネットワークへアクセスして空間転移しようとしたが、拒絶された。
超空間ネットワークが、アルードのゴッドレガリアシステムに侵略された。
「クソ!」
と、クロは超光速で時空戦艦グルファクシを走らせてレナがいるデウスバベルへ向かう。
◇◇◇◇◇
レナ達は、あっという間にアルテイル時空共和国の時空達を作り替えた所業に驚愕していると、アークシアが
「急いで、聖帝ディオス様に!」
レナは、アークシアとナイツの六人と共にデウスバベルにある聖帝ディオスへ通じる通信室へ向かう。
◇◇◇◇◇
アルテイル時空共和国の宇宙達は、変わった。
閉じられた四次元の深紫の領域ではなく。
漆黒の紫と、黄金の空が輝く白い天蓋。
漆黒の紫の宇宙は地上で、黄金の空がある白い天蓋は天空だ。
その二つが境界線で区切られた世界。
それは、白と黒が交わらず互いに繋ぎ合う白夜の如き世界が誕生した。
それにアルードは
「あ、ははははははははは!」
嬉しそうだった。
白夜の如き世界を構築するのがゴッドレガリアシステム
そのシステムの切っ先にいるのは、八人の超越存在の王。
アルードが作り出した超越存在の王達。
ミカボシ、スクナ、アテルイ、ハジュン、アシェイラ、メディーサ・ディア、アルードの八人だ。
その八人が王座としている八極の先端は、宇宙達を貫き作り替えた神座である。
神の所業を成し得た八極の八王達。
そのゴッドレガリアシステムの中心には、聖櫃があり、その聖櫃の後ろには同じ結晶の存在がある。
その結晶の中には、アムザクの仮面があり、次の準備を始めようとしていた。
アムザクの仮面が
「さて、真の王の世界を作るとしよう…」
アムザクの仮面から光が伸びて、聖櫃に繋がると、聖櫃から光の電子回路が広がり、ゴッドレガリアシステムで作り替えたアルテイル時空共和国を侵食する。
これからが始まりなのだ。
アムザクの仮面が告げる。
「さあ、全ての知的存在が望んだ…神の国の誕生だ」
白夜の世界になったアルテイル時空共和国が、更に神化を始める。
聖櫃が持つ神化加速器によって、世界がニュービッグバンされようとしていた。
◇◇◇◇◇
クロは、急いでレナの元へ向かっていた。
時空戦艦グルファクシを全力で走らせて、一秒でも早く…
だが、新たに生まれ変わろうとするアルテイル時空共和国の時空達は、クロが思うように進ませてくれない。
完全に航路が変わってしまった。
元からある航路と同じ部分もあるが、大部分の航路は…いや、宇宙の構造が変わってしまった。
クロは、時空戦艦グルファクシのDIシュレアに
「オレの意識とグルファクシの探査システムを繋げろ!」
DIシュレアが
「それでは、クロード様にどんな影響が起こるか…」
クロは
「構わん! レナの位置を正確に分かる筈だ!」
DIシュレアが戸惑っていると、時空戦艦グルファクシの目の前の時空が歪む。
クロが青ざめて
「何が起こっている?」
DIシュレアが
「分かりません」
時空戦艦グルファクシの目の前の時空が歪んで巨大な存在が出現する。
それは、黄金に輝くピラミッドの城だ。
その桁がおかしすぎる。
黄金に輝くピラミッドの周囲を浮かぶのは銀河だ。
十五万光年より巨大な黄金のピラミッドの城、そのAPEXには白く輝くアルードがいた。
白光と輝くアルードが
「迎えに来たよ。兄さん」
クロが通信で
「アルード、お前…何が、やりたいんだ?」
アルードが微笑み
「兄さんとサクラと、ボク達が幸せになる楽園を作るのさ」
クロが
「このアルテイル時空共和国を犠牲にしてか…」
アルードが首を傾げて
「犠牲? 何を言っているんだ…兄さん。コイツらこそ兄さんを犠牲にしているじゃあないか。兄さんを使い潰して、世界を維持している。これはその対価さ」
と、告げると
時空戦艦グルファクシを包むように空間の歪みが四方八方に現れる。
その空間の歪みから、アルードと同じく黄金や白銀のピラミッドの城達が出現する。
その頂点達には、ミカボシ、メディーサ・ディア、スクナ、アシェイラ、アテルイ、ハジュン
この場にアルテイル時空共和国という時空国家達を一瞬で侵略して作り替えた八極の八王達がいる。
クロが困惑していると、唐突に時空戦艦グルファクシが空間転移のエネルギーに包まれて消えた。
クロは、時空戦艦グルファクシと共に何処かへ消えた。
それにアルードが舌打ちして
「外野か…聖帝ディオスか…」
スクナが
「聖帝ディオスが関わっているとなると…今後…多くの宇宙王が…。それによって黒天は戻らない可能性も…」
と、鋭い視線になる。
アルードが頂天の王座に座り
「関係ない。兄さんは、必ず戻ってくるからな」
と、右手を振ると、とある空間の歪みが見える。
そこには、レナがいるデウスバベルが映っていた。
アルードが
「兄さんが命を賭ける。愛した人…サクラの転生した未来が…あるのだから」
ここまで読んで頂きありがとうございます。
続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら
ブックマークと☆の評価をお願いします。
次話を出すがんばりになります。
次回、どうするか?