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白夜 71話 有罪殲滅の後

次話を読んでいただきありがとうございます。

現れたアルード達、そこで行われる罪人狩りの大量虐殺、そして…


 それは史上最強の選別兵器だった。

 サタンヴァルデット、罪喰らいの大神。


 アルテイル時空共和国へ戦争を仕掛けた十二個の時空達に十二体のサタンヴァルデットが出現した。

 

 クロがいる時空は、その戦争を仕掛けた時空の一つで、そこの巨大な大地と宇宙を繋ぐ巨大なマシンタワーの中心で、出現させたサタンヴァルデットの檻を解放するのは、老齢のアルード、クロの弟だ。


 アルードが緩やかに告げる。

「この世界の罪人共を喰らい尽くせ」


 十二柱の罪喰らいの大神達が目覚めの雄叫びを上げる。


 オオオオオオオオオ!


 それは、地の果てから響き渡る獣の雄叫びのように恐ろしい威圧を伴っていた。


 全長、数百億年サイズの傘型の神であり怪物、最強の審判の獣。

 それが全身から無数の罪人狩りの触手を広げる。

 瞬時に、数千億光年まで触手、喰手触手達は広がり…その罪人を捜し出す嗅覚で、一人残らず喰らう。


「ぎあああああああ!」


 時空全体から悲鳴が響き渡る。

 喰手触手に捕まるのは殺人、強姦の罪人。

 それを正確に的確に確実に、逃さず見つけ出して…


「助けてくれぇぇぇぇっぇえあががわがががgsがさが」


 喰手触手の手の平にある獣牙の口が喰らい尽くす。


「ああ! いやあ嗚呼アア!」

と、罪人が武器を手に喰手触手へ攻撃するも、その攻撃は一切、通らない。

 喰手触手は高次元の存在だ。物理法則で倒せない。

「あああああ!がわががっわあさわsがsが」

と、罪人は悲鳴を上げて喰われるだけ。


 ◇◇◇◇◇


 クロ達がいる現場にも喰手触手が現れる。


 クロは、呆然としていると、喰手触手達が親衛隊へ狙いを定める。


 激しく動き素早く親衛隊達が喰手触手へ捕まり

「ぎがわささkさjgかshさkhかlhgkささ」

 激痛を伴って喰手触手へ食われる。


 アルード、メディーサ・ディア、アシェイラ、クロ達、それ以外の罪人達を喰手触手達が襲い喰らい尽くす。


 親衛隊でも罪を犯していない彼女が、目の前で仲間達が食い千切られ消えて行く様に、恐怖して、その場に腰を抜かして立てない。


 喰手触手が彼女を周回するも罪の匂いはなく、興味を無くしてマシンタワーにいる他の罪人共を喰らいに行く。


 アルードがそれに

「はははは、アハハハハハハハハハハ!」

 狂ったように嬉しそうに笑う。


 その隣にミカボシとメディーサ・ディア、アシェイラが来て並ぶ。


 クロが呆然と四人を見つめて

「どうして、いや…生きていた…なんて…」


 アルードがクロに向かって微笑み、自分の額を指さして

「兄さんの超越存在の知覚でも、ボク達を見つける事は出来なかったろう? 理由は、ボクが…干渉していたからさ。ねぇ…レナ1112。いや…サクラ…」


 クロは、無意識に右にいるレナを守るように盾になる。


 レナは、それに困惑するも、意味が分かった。

 残酷な事実から自分を守る為にクロは… 


 クロの反応にアルードが嬉しくて狂気の笑みを向けて

「ボクはねぇ…五百年前から、準備していたんだ。色んな組織を立ち上げて、色んな組織を利用して、色んな連中を作ってね」

と、アルードはミカボシを見る。


 ミカボシが怪しく笑み

「ええ…その通りです。主、アルード様」


 アルードが両手を前に出して強く握り締めて

「全部だ。アサの時空民の王オージンの事も、ヘオスポロスのアルバラの事も、ネオシウス時空のミカボシも、他にも…カレイドのハジュンの事も、ディーエ時空連合の事も、他の事も、全部、全部、全部! 兄さんを復活させる為の実験として使った」


 アルードから一筋の光が昇ると、光が昇った空に七色の空間断面が出現して、そこから聖櫃が出現した。


 聖櫃の出現をティリオは感じて「う…」と背中にあるゾロアスの印を押さえる。


 アルードの頭上、空に出現した聖櫃。


 聖櫃、神化加速器が凄まじい光を放って輝く。

 その光は、サタンヴァルデット達が罪人共を喰らい尽くす宇宙達に広がる。


 アルードから伸びる光が聖櫃と繋がると、アルードが

「これでやっと、兄さんを英雄にできる」


 クロが

「止めろ! アルード! オレは…そんな事を望んでいない」


 アルードが悲しい顔で

「じゃあ、兄さんは…愚か者共の為に死ぬの? 兄さんは、愚かなソイツらの資源になるの?」


 ミカボシが

「悪人に利益を渡してはいけない。悪がはびこる。それは破滅に向かう。道理ではない。そうだろう。鈴村主任」


 クロが背筋を震え上がらせて

「ミカボシ…まさか、お前は…若本…雅人くん…なのか?」


 ミカボシが微笑み

「お久しぶりです。鈴村 健一 主任。一緒にユーティック機関で、ミズアベハの研究をした仲でしょう。まあ、私にとっては前々前世の事ですが…」


 アナスタシアが驚愕でクロを見つめて

「ウソでしょう」


 アルードが「ハハハハハ!」と嗤い

「兄さん。立とうよ。兄さんならイケる。アヌンナキの絶対王であった…アルダ・メルキオールの域まで」

と、告げた瞬間、アルードと聖櫃を繋げる光が太くなりアルードを呑み込むと、アルードが

「じゃあ、また…後でね。兄さん」


 アルードが聖櫃に取り込まれた瞬間、罪人共を喰らい終えた十二柱の大神の全てが聖櫃に呑み込まれる。

 膨大な数の罪人共を喰らい尽くした大神達をトリガーにアルードが新たな超越存在へ覚醒する。


 聖櫃が神化を加速させる。

 組み込んだアルードをコアとして、十二柱の大神達を消費して、アルードを絶大な超越存在へ変貌させる。


 そして、それは兄弟であり繋がるクロに伝染する。

 超対称性。

 絶大な超越存在となったアルードの対としてクロの神化が加速する。


 アルードを呑み込んで神化させる聖櫃が、あまりにも強大すぎるが故に、時空排他作用で時空転移する。

 それにミカボシが

「では、我々は聖櫃の追跡という事で」

と、アシェイラとメディーサ・ディアに


 アシェイラが

「クロ、また、会えて良かったわ」


 メディーサ・ディアが微笑み

「もしかしてって疑ってくれた時、嬉しかったわ。またね」


 一瞬で三人は時空転移して消える。

 時空排他作用で時空転移した聖櫃を追った。


 全ては終わった。アルードの望み通りとなって…



ここまで読んで頂きありがとうございます。

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次話を出すがんばりになります。

次回、亡霊だった者達

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