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白夜 61話 後日談 前編

次話を読んでいただきありがとうございます。

八雷神の問題が終わり、惑星アースガイヤへ来たクロ達…


 クロとレナは、ナイツの六人の少年少女達と共に聖帝ディオスの惑星アースガイヤで、事情聴取という名目の休暇を受けていた。


 クロは、レナを脇に寝かせて大きなベッドで眠っている早朝、バタバタと駆け回る足とで目を覚ます。

 クロが目を覚まして身体を起こすと、レナがクロの左にいて服の裾を離さないように掴んで眠っている。

 小さな子猫のようなレナの手を服から外して、屋敷の通路に出ると…

 

 わあああぁぁぁぁぁ!

と、全力疾走している子供達がいた。

 一人がクロの元へ来ると、魔法を発動させて重力をコントロールして、壁から天井に渡って走り、クロを越えて部屋を繋ぐ通路に戻ると


「待ちなさーーーーーーい」

と、子供達を追いかけるお姉さんが走ってきて

「そうやって、天井を走らない!」

と、怒りつつ弟妹達を追った。


 それを邪魔しないようにクロは壁に避けて、追っていくお姉さんが気恥ずかしそうに微笑みお辞儀して、弟妹達を追った。


 クロが苦笑いをする。

 そう、宿泊場所として使わせて貰っているのは、聖帝ディオスの屋敷だ。


 クロが窓の外を見ると、外ではマキナ(人型機体)、ここではゼウスリオンと呼ばれるマキナを庭先で作っている聖帝ディオスの子供達がいる。


 クロが

「子供の勉強や遊び感覚で、超兵器を作るなよ…」

と、呟いた所に

「クロ…」

と、寝ぼけ眼のレナが来る。

 

 クロがレナに

「まだ、眠っていていいぞ」


 レナは寝ぼけた感じで

「一緒に起きる」

と、クロに抱き付く。


 クロがレナを抱きかかえて

「はいはい」

と、背中をなでる。

 そうして、部屋に戻ってレナが寝ぼけから回復すると、レナがハッとしてクロから離れて

「お、おはよう…クロ」


 レナがクロのベッドの隣にあるもう一つのベッド、自分の眠っているはずのベッドを見て

「ごめん。また…」


 クロが微笑み

「気にするなよ。レナにとってオレは…保護者みたいなもんだからよ」


 レナはそれが釈然としなくて

「う、うん…」


 クロが

「朝食に行くぞ」

と、レナを連れていく。


 聖帝ディオスの屋敷の食堂へ行く途中で、寝ぼけ気味のナイツの六人に合って、一緒に食堂へ向かう。

 聖帝ディオス一家の朝食は賑やかだ。

 聖帝ディオスはノンビリと全体を見ながら食べつつ、その周囲では子供の面倒を見る母親達や姉達、面倒を見られる弟妹達、更に弟達の知り合い、騒がしい食堂の風景だ。


 そんな中にクロ達が来ると、一斉に幼い弟妹達が来てクロ達を見つめる。


 クロが聖帝ディオスの幼い子供達に

「どうしたんだ?」


 男の子が

「ボク達と違って、額と頭の上に光があるんだ…」


 ナイツの六人、クリニア、ジェイス、ガルダス、ナルファ、アルヴァ、アークアが驚きの顔を見せる。

 聖帝ディオスがクロ達の元へ来て

「気分を悪くしたのなら…申し訳ない」


 クロが笑み

「いいや、大丈夫だ。そうだろう…みんな」


 ナイツの六人は顔を見合わせて頷き、クリニアが

「ええ…気にしていませんので」


 聖帝ディオスが

「子供達は、私より…上位種なんだ。だから、私よりずっと正確に深く、そういう領域を見る事が出来るんだよ」


 子供達がナイツの六人の手を取って

「ねぇ! お話、聞かせて!!!!」

と、引っ張っていた。


 クロとレナは、引っ張られるナイツの六人を見守り、聖帝ディオスが

「どうだね? 一緒に…朝食でも」


 クロが

「ああ…」


 聖帝ディオスの席の近くにクロとレナが座る事になった。


 ◇◇◇◇◇


 聖帝ディオスのいる席の右にクロとレナが座り、聖帝ディオスの女中達が食事を運んでくれる。

 ディオスが

「ありがとう。チズ、ユーリ」

と、運んでくれた女中達にお礼を告げる。

 女中のチズとユーリは頭を下げて去り


 クロとレナは目の前に置かれた料理達に目を見張る。

 パレットに置かれた人工生成食ではないホンモノの野菜や肉、穀類、それが大きな皿と小さな皿達に、一人分ずつ置かれている豪勢な食事。


 クロがフォークで肉を刺して

「贅沢だね…全部が自然食品の料理かい」


 ディオスが

「惑星で暮らしている者にとっては、その惑星で採れた物を食べている。当然であり自然な事だよ」


 レナもお辞儀して頂いて

「おいしい…」


 ディオスが微笑み

「気に入ってくれたなら、良かった」


 クロが食事を口にしながら

「あと、オレ達は…どのくらい、ここにいるんだ?」


 ディオスが

「一週間弱だ。事情聴取も、だいたいの事態に関する説明も問題ないし、別に説明が欲しい者が現れたら…直接、説明して欲しいくらいかなぁ…」


 クロがディオスを見つめて

「色々と…手配をしてくれたんだろう。感謝する」


 ディオスは微笑み

「君の信頼を勝ち取れるなら安いものさ」


 クロは聖帝ディオスと話して感じていた。

 人の上に立つ連中には二種類がいる。

 権力が大好き自己愛ヤロウ…ガージェストみたいな人物。

 その対局にいる。

 人格、人間性において一目を置かれて守護神と言える人物。

 聖帝ディオスは、守護神と言える人物だ。


 この守護神タイプが一番、厄介だ。

 権力、お金、女、あらゆる欲望に誘っても一切動かない。

 自分が守る者の為だけに動く。それ以外はゴミ、些末。

 ガージェストみたいな権力大好き自己愛ヤロウってのは一番、操りやすい。

 

 だが、聖帝ディオスは違う。

 守護神タイプは、適切な距離感と適切な対処と、真っ当な道理でしか動かない。

 生涯に渡って、信用という金より貴重な財産を死ぬまで生み出し続けるのが守護神タイプ。

 それが聖帝ディオス、数多の超越存在や宇宙王達の纏め役なのだ。


 クロが

「もし、相談事があったら、アンタに…いや、ディオス様に相談しても構いませんか?」


 レナが敬語のクロに困惑する。


 ディオスが微笑みながら

「構わないよ。私でいいなら、何時でも相談に乗るよ。敬語はいい。君は私より歴史がある超越存在、宇宙王だ」


 クロが呆れつつ

「五百年前の歴史の遺物だった時のことで、今は…もう使えないボロ切れのむかし話さ」



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

八雷神編の終わり

次回、後日談 後編

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