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白夜 58話 魔弾 〜Der Freischutz〜

次話を読んでいただきありがとうございます。

作戦が始まる。無謀すぎる内容だが、黒天であるクロは…


 一隻の時空戦艦が超光速で宇宙を爆走している。

 その宇宙戦艦は、グルファクシだ。

 時空戦艦グルファクシの格納庫で、一人の男が苛立ちと共に意識を集中させている。

 クロだ。苛立ちと共に殺気がみなぎっていて近寄れない。

 その近くにはナイツの六人がいる。

 今回の作戦で、ナイツの主であるアークシアが協力を申し出て了承された。


 クロの後ろには発進準備が完了したオメガデウス・ヴァルヤがある。

 今までのオメガデウスではない戦闘に特化したオメガデウス・ヴァルヤ。


 そこへレナとティリオが来て、レナが

「クロ、望み通り自由に欲しい武器を転送して貰えるようにした」


 クロの隣にDIシュレアの映像が出て

「クロ様、オメガデウス・ヴァルヤの位置情報を逐次、追跡していますので転送に問題ありません。思う存分、使い倒してください」


 ティリオが

「ぼくは、レイセンさんとヴァイレンさんの繋がりを強固にする為に、ゾディファール(高次元接続装置)でチェインリングの調節をしつつ、超龍帝リヴォルリアサンを捕縛する結界の準備をします。だから…」


 クロが溜息を漏らして

「オレが、超龍帝リヴォルリアサンを…あの領域から引っ張り出せばいいんだろう」


 ティリオが頷き

「はい、超龍帝リヴォルリアサンを捕縛する結界は、ナイツの人達と、ミリアスさん達のベイルラム・インダストリーの協力で何とか出来そうですから」


 クロがティリオに近づき

「もし、これでダメだったら…オレのやり方を貫くからな」

と、強めに念を押す。


 ティリオがフッと笑み

「え、大丈夫でしょう。それくらいにオメガデウス・ヴァルヤは仕上げてあるから、問題ないです」


 クロは、それが過信みたいに見えるのだが、その過信は当然の自信と思えるのは、ティリオが技術に関して飛び抜けた超越存在、聖帝ディオスの息子である事を分かっていると何も言えない。


 クロは再度、溜息を漏らして

「レナ、行くぞ」


 レナが「うん!」とクロと並んでオメガデウス・ヴァルヤへ乗り込むと、格納庫の出口でお辞儀するレイセンと、並んでいるディアが見えた。


 クロがオメガデウス・ヴァルヤの操縦席に乗りながら

「全く、何て事になったんだ」


 レナも操縦席に乗りながら

「文句を言わない。クロなら…絶対にできるもん」


 クロが操縦席に自分をしっかりと固定させながら

「お行儀良く行かないから、覚悟しろよ!」


 レナも自分をしっかりと操縦席に固定させて

「大丈夫よ。私はずっとクロの隣にいるんだから」


 超光速航行している時空戦艦グルファクシの下部格納庫が開く。

 時空戦艦グルファクシの目の前には、超龍帝リヴォルリアサンが作り出した全長四十万光年の深紅の海が広がっている。


 DIシュレアが

「では、作戦が成功した後のパーティーでお待ちしています」

と、オメガデウス・ヴァルヤを投下した。


 超光速航行の速度で、宇宙に放り出されるクロとレナが乗るオメガデウス・ヴァルヤ。 オメガデウス・ヴァルヤ、胸部は人型機体、二対の巨大な腕達とその肩部分から翼が伸びて、両足はスラスターの如く巨大で、背中には幾つもの砲身が背負われている。

 黄金と白磁器が共存するカラーリング。


 そのオメガデウス・ヴァルヤが宇宙に浮かぶ深紅の銀河に超光速で特攻する。


 深紅の海銀河は、膨大なエネルギー密度故に、超光速の力が相殺された。


 その深紅の海銀河には、全長が数千キロ越えの肉食魚類のバケモノ達が跋扈している。

 

 クロが

「邪魔するなら潰す」

と、オメガデウス・ヴァルヤの推力を最大にする。


 高密度のエネルギーの海銀河のエネルギーの海を押し潰すようにオメガデウス・ヴァルヤが走る。


 目の前に数千キロの超龍帝リヴォルリアサンの眷属が迫る。

 大陸を喰らう百キロの顎門で、オメガデウス・ヴァルヤを呑み込もうとするが、オメガデウス・ヴァルヤが背中にある砲身を両手に構えて連射する。


 オメガデウス・ヴァルヤを喰らおうとする数千キロの眷属が破裂して、そこをオメガデウス・ヴァルヤが突き抜ける。


「次!」

と、クロは叫び、別の装備の転送を指示する。


 オメガデウス・ヴァルヤの両手に巨大砲レベル砲身で構築されたガトリングが転送される。

 数千キロの眷属達がオメガデウス・ヴァルヤへ襲いかかる。


 それをオメガデウス・ヴァルヤは、両手にあるガトリング砲身で砲撃しながら突き抜ける。

 発射される弾丸の全てがクロの力、黒天の権能によって超質量となり、重力崩壊してマイクロブラックホールとなって、数千キロの眷属をマイクロブラックホールで削り消す。


 先を進む操縦はレナが行っている。

 レナは、移動するエルドリッジの反応を追跡する。

 エルドリッジは、超龍帝リヴォルリアサンの身体に付いたままで、それが追跡のマーカーだ。


「次!」とクロが転送を叫び

 オメガデウス・ヴァルヤの右腕に巨大な砲身、左手の剣の柄のような装備が転送される。


 オメガデウス・ヴァルヤの右腕にある反粒子砲を発射して、惑星サイズの爆発で数千キロの眷属達を破壊、それでも逃れて向かって来た眷属達を左腕の剣の柄から伸びる惑星サイズのエネルギーソードで真っ二つにする。


 オメガデウス・ヴァルヤは超光速移動しながら対処する。


 数千キロの眷属達を瞬殺しながら移動するオメガデウス・ヴァルヤ。


 レナは意識を集中させる。

 こちらの移動速度が圧倒的に速いはず、なのに…目標の超龍帝リヴォルリアサンに辿り着けない。なぜ?

「そうか…」

と、レナは気付いた。

 エネルギーの海銀河の高エネルギーがマーカーの残滓を残している。

 残滓を追いかけている限り、超龍帝リヴォルリアサンへ辿り着く事はない。


 レナは計算する今までのマーカーの移動特徴から、超龍帝リヴォルリアサンが進む未来位置を探り当て

「クロ! 勝負するよ!」

「おしゃあああああ!」

と、クロは雄叫びを上げる。


 レナは全速力でオメガデウス・ヴァルヤをそこへ向かわせる。


 高エネルギーのエネルギーの海銀河を突き抜けて、目の前に…超龍帝リヴォルリアサンの巨大な頭部が見えた。


「おらああああああああああああ!」

と、クロは雄叫びオメガデウス・ヴァルヤを超龍帝リヴォルリアサンの惑星級の巨体の首元へ特攻させる。


 グギャアアアアアア


 超龍帝リヴォルリアサンは叫び、オメガデウス・ヴァルヤの特攻で惑星サイズの超龍帝が引き上げられる。


 エネルギーの海銀河から惑星級の超龍帝リヴォルリアサンが飛び出した。


 真空の宇宙に引っ張りだされた超龍帝リヴォルリアサンだが、深紅の海銀河へ戻ろうとする。


「行かせるかよ!」

と、クロのオメガデウス・ヴァルヤが応戦する。

 右腕の反粒子砲の砲撃が惑星サイズの爆発を連発させて、超龍帝リヴォルリアサンを弾き飛ばす。そこへ、左腕の惑星サイズのエネルギー剣で、超龍帝リヴォルリアサンを叩き弾く。

 惑星サイズのエネルギー剣で弾き飛ばされる超龍帝リヴォルリアサン。


 超龍帝リヴォルリアサンが怒り

 ヴォオオオオオオ!

 全身を砲身とした惑星サイズの光線をオメガデウス・ヴァルヤへ放つ。


「その程度! 甘いわぁぁぁぁぁぁぁ」

 クロは雄叫び。

 オメガデウス・ヴァルヤに黒天の力が集中して、惑星サイズのエネルギー剣が漆黒に染まり、それで超龍帝リヴォルリアサンの惑星サイズの光線を弾き飛ばしながら、超龍帝リヴォルリアサンを弾き飛ばす。


 ヴァアアアアアア 

 超龍帝リヴォルリアサンが叫びを放ちながら後退する。


 そこへ

エールトリオン(守護結晶柱)発動!」

と、ティリオが仕込んでいた術式が発動する。


 超龍帝リヴォルリアサンを包む巨大なアースガイヤ式魔方陣が展開されて、その周囲に蓮の形に似た結晶柱の装置達が展開されて、超龍帝リヴォルリアサンを包み封印する結界が構築された。

 イージスの盾(星系大結界)に捕縛された超龍帝リヴォルリアサン。


 それにオメガデウス・ヴァルヤにいるクロが

「これで終わりだな」

 前の操縦席にいるレナが

「クロ、後ろ…」


 オメガデウス・ヴァルヤの背後、全長四十万光年の深紅の海銀河が歪に波打つ。


 クロが驚愕の顔をして

「おいおい、まさか…これって…サルヴァード(絶神鎧)だったのかよ」


 深紅の海銀河が形を模していく。

 それは、深紅に染まった鎧の龍人、全長四十万光年サイズの超越存在、宇宙王の権能、サルヴァードだった。

 深紅の全身、滑らかな海竜の如き鎧の機神、サルヴァード、リヴォルリアサン・デロが全身からエネルギーの波動を放ってファイライ時空を震わせた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

続きを読みたい、面白いと思っていただけたなら

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次話を出すがんばりになります。

次回、衝突のサルヴァード

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