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1 キールとカベオの出会い
シルクハットにタキシードの仮面の男が壁に埋まっている。
男は自分の名前すら思い出せず、壁に埋まった体が苦しく、やたらにもがき苦しんでいる。
水が飲みたい、そう思いながら大声で叫んだ。
「誰かーーーー!」
そこへ一人の金髪の幼女、キールが現れた。
「壁に埋まったカベオさん、一体どうしたの?」
「何か飲み物をください。」カベオは頼みました。
「まかせて。水筒にオレンジジュースがあるの。」
キールはカベオにジュースをあげました。
キールは尋ねます「一体どうして壁に埋まってるの?カベオさん。」
「気が付いたら10年前からここにいます。カベオは僕の名前?」カベオは答えました。
「10年前!?もしかしてカベオは10進数の世界の住人?ここは16進数の世界だよ!」
キールは驚いてそう話します。
「1からFまで16進数で数を数えてごらん、そしたらこっちの住人にきっとなれるよ!」
キールは続けます。
カベオは数えました。「1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F」
「うわっ!」
カベオは壁の外に出られました。
「ほらね。」キールは嬉しそうに微笑みました。




