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リバース!  作者: 渡里あずま
第二部
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理由と決意1

 明珠と名乗る女の子に声をかけられ、携帯電話で写真を撮られた俺は、近くに停めてあった車に乗せられた。

 今回は、前に黒城に連れられた時みたいに目隠しはされず。

 時間にしたら、一時間くらいだろうか――後部座席、俺の隣に座った明珠から擬音や、身振り手振り混じりの説明を聞かされた。

 ……彼らが、俺を欲しがる理由。

 具体的には『俺』と言うか、俺が使える『テルスの魔法』を欲しがる理由。

 その理由を聞いて、思い出したのは前にポモナが教えてくれた話だ。


「テルスと地球は、隣り合った空間に存在してるんです。転生はアンリさんが初めてですけど、大きな事故の衝撃や魔法の暴走で、そのまま互いの世界に飛ばされることはよくあるんです」


 そう、ポモナは俺に話してくれた。

 地球からテルスに飛ばされた場合、魔法が使えない為に悲惨だが、逆――テルスから地球に来た場合は、ほぼ生き残ると言う。


(あの時は、魔法と科学のコンボで『道』が出来たって方に頭がいったけど)


 考えてみれば、地球から故郷へ戻ったテルス人は科学を駆使出来るくらい、こっちの世界に順応していたことになる。

 そうか、と思っているうちに到着したのは、学校と役所の中間みたいな建物で――うん、これは確かに『施設』だな。納得。

 そんな俺を、明珠は最上階にある一室へと案内した。それから俺を残して、部屋を出ていった。

 ……長テーブルと、両サイドに並ぶ複数の椅子。

 見回してみた部屋はプライベート空間じゃなくて、会議とかをする感じだ。

 ちなみに明珠が出ていってからは、中から外に出られなくなった。入る時に何かカードをかざしていたから、アレがないと入退室出来ないんだろう。


(まあ、魔法使って出ることは出来るけどな)


 出来るが、さっきの明珠の話を聞いた以上、無闇にことを荒立てるつもりはない。この後、椿が来るとも聞いていたんでおとなしく待って――三十分くらいだろうか?

 椿達が到着し、安曇が明珠同様に部屋を出て。椿と二人きりになったところで、俺は口を開いた。


「椿、怒るのは後な……安曇から、聞いたか?」

「ああ」

「まさか、安曇がテルス人の末裔だとはな」

「…………」


 ……ガイコツ野郎や明珠は、地球人で超能力者だが。

 明珠から聞いた話によると、安曇はかつて地球に飛ばされてきたテルス人の血を引いているそうだ。

 とは言え、黒城みたいにハーフじゃない。何代も前の祖先が、テルス人だったってことらしい。

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