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リバース!  作者: 渡里あずま
第一部
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俺、転生(性)!1

 俺、陸谷杏里おかやあんり六歳。

 ……生まれ変わったら性別まで変わっちまったよ、畜生。


『ご、ごめんなさい、アンリさんに魔法を使わせるには、女性体じゃないと肉体が耐え切れなくて』


 呆然とした俺の頭に、慌てふためいたポモナの声が届いた。そう、耳にじゃなくて頭に直接。念話って言うらしい。


『いや、それならやっぱり、魔法使えなくても』

『駄目ですよ、あたしが目を離した隙に、もしものことがあったら、あたし……あたしっ』

『わーっ、落ち着けっ!』


 結局、泣かれて強引に押し切られた。

 まあ、無かったモノがいきなり生えたら、親も驚くだろうから仕方ないか。

 ちなみに、生まれ立ての脳に成人男子(つまりは俺)の思考は負担が大きかったらしい。

 前世の記憶に目覚めたと言うか、切り替わったのは二歳の時だった――良かった、本当に良かった。主に食事や、着替えの面で。


 さて、そんな俺の親はと言うと。

 陸谷聖治おかやせいじ。職業は、何と少女漫画家である。

 第一印象は『うるさい』だった俺の父親は(修羅場明けの時以外は)常にテンションが高い。見た目はスマートな美形なのに、何て言うか色々と残念だ。

 そして母・陸谷エリカ。

 名前からも解る通り、ハーフで美人な母親は父親とは逆におっとりしている。日本人の母親(つまり俺の祖母)に似たらしいが、見た目と中身が逆な夫婦だと思う。


 ……ここまで読んで、気づいて貰えただろうか?


(残念だけど)美形の父。ハーフで美人な母。

 つまりは、その二人の娘である俺も俗に言う『美少女』になっちまったんだ。

 母親譲りの栗色の髪と、大きな目。白くてスベスベの肌と、ピンク色の唇。

 真っ直な長い髪に、父親好みのヒラヒラ・フリフリした服を着ていると人形のように可愛らしい。

 自画自賛になるんだろうが、何せ元の容姿(黒髪緑瞳の細マッチョ)と真逆なんで、つい他人事のように見てしまう。


(まあ、俺が幼女趣味だったらまた違うんだろうけど)


 とりあえず、自分に興奮しないのは良かったぜ、うん。

 ちなみに口調については、このままでいかせて貰ってる。

 喋り出したら野郎口調だったんで当然、親には驚かれた。ただ、専業主婦な母親と一緒にテレビをよく見ていたので、何か番組の影響かと納得された。まあ、普通は自分の子供が生まれ変わりだなんて思わないからな。


 ……つまりは、そんな訳で。


 今の俺は見た目は幼女・中身は兄貴だったりする。

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