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リバース!  作者: 渡里あずま
第一部

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38/73

幕間 ~レオン~

 今日、俺は死んだ息子と異世界で再会した。

 ……いや、まあ、転生していたので息子から娘に変わってはいたんだが。


「じゃあ、あの妙な乗り物でテルスに戻って……戻ったら、その『道』を閉じればいいんだな?」

「おう、こっちからは俺が魔法で閉じる」


 見た目はまるで違うが、不思議と拳を握って笑う顔は同じで。

(俺と、テルスに帰らないか?)

 魔法を使える今なら、もう苦労することもない――そう言いそうになった俺に、アンリは笑顔のまま言った。


「ありがとうな、義父さん」

「……えっ?」

「あ、剣を借りたことじゃないぞ? いや、それも助かったけど……ずっと、言えなかったから。俺を育ててくれて、ありがとう」


 それは死に別れた息子から聞けた、感謝の言葉だった。

 そして本人、意識してはいないだろうが俺への別れの言葉だった。


「……こっちこそ、ありがとな」


 だから、俺は未練がましい言葉は告げずにそう返して抱きしめた。自慢の息子にとって、誇れる父親でありたかったからだ。

 とは言え、昔のアンリに似た生意気な坊主に睨まれて――娘を持つ父親気分になり、前言撤回したくなった辺り、俺もまだまだだな。

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