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リバース!  作者: 渡里あずま
第一部
3/73

終わり、始まり2

 女の子の説明によると、こうだ。

 俺の心を読める彼女は、この世界――テルスの神(女の子だから女神か?)で。時折、さっきみたいに降臨してるそうだ。

 ただ、今回は運悪く暴走馬車の前に出現してしまい、庇った俺が死んでしまったらしい。


「冷静ですね、アンリさん」

「……まあ、死にかけたことは何度かあったから?」

「ですよね……ただ、あなたは今回も死ぬ運命じゃなかったんです。あたしが介入したから……神なんで死ぬことはないですし、魔法で助けて貰えると思っていたから」


 そりゃあ、普通はそうだ。さっきは急展開過ぎて、周りも反応出来なかったみたいだけどな。

 テルスでは、大小の差はあるが誰でも魔法が使える――俺以外は。

 生まれつき魔力がなくて、親に捨てられた俺以外は。


「ごめんなさい、アンリさん」

「気にしなくていいって……神様なら解るだろ? 義父さんに助けられて、何とかこの年まで生きてられたし……ギルドの仕事も終わった後だったから、まあ、うん」


 殺す気満々で森に捨てられた俺を、ギルドマスターだった義父さんが拾ってくれた。

 料理や掃除、子守や洗濯くらいしか役に立たない俺を、本当の息子みたいに可愛がってくれた義父さんだから、俺の死を知ったら悲しむだろうけど。

 だからってこの子まで悲しませて良い理由にはならないから、俺はまた泣き出しそうになった女の子の金色の頭を撫でた。

 そんな俺の前で、不意に女の子が勢い良く顔を上げる。

 そしてグッと拳を握ると、女の子は口を開いた。


「転生しましょう、アンリさん!」

「…………は?」


 女の子の話によると、こうだ。

 死んだ人間は、生き返れない。それは、世界の絶対のことわりらしい。

 ただし、彼女はテルスの他にもう一つ、別の世界を管理していて。そこに、俺を生まれ変わらせることは出来るらしい。


「その世界は、テルスとは違って皆、魔法は使えません。代わりに、科学が発達している世界です」

「かがく?」

「そうですね……鉄の塊が空を飛んだり、たくさんの人を運んだり出来るんです」

「へっ!?」


 俺は、思わず間の抜けた声を上げた。いや、だってどうやって魔法が使えないのに、物が浮いたり動いたりするんだよ?

 そんな俺に、女の子がニコニコ笑いながら言葉を続ける。


「でも、アンリさんは魔法が使えるようにしますね」

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