表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバース!  作者: 渡里あずま
第一部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/73

疑惑1

「おはよう、陸谷さん!」

「……おはよう」


 昨日、巻き込んでしまった黒城さんが笑って挨拶してくれた。

 椿によると、黒城さんには「友達と二人で偶然、通りかかった」って話したそうだ。だから、昨日助けたのが俺だとはバレていない筈である。

 ……そう思っても、ついついヒヤヒヤしちまうんだけどな?

 そんな俺の密かな苦悩には気づかず、黒城さんは友達らしき女の子達の方へ行った。あの笑顔とか、揺れてる髪とか――癒されるよなぁ、犬みたいで。いや、猫も勿論、可愛いけど。

 ……少々、ズレた感想を抱きつつ、微笑んでいた俺は気づかなかった。

 俺の無防備な顔を見た野郎どもが、傍らの椿に威嚇され、慌てて目を背けたことに。


 昼休みは、すっかりお馴染みになった桂花会館へとやって来た。


「廃工場が吹っ飛んだって聞いて、驚いたよ……杏里ちゃんが無事で、本当に良かった」


 そう言うと、晴香さんは俺を抱きしめてきた――いやいや、この柔らかさとか良い匂いはちょっと!

 焦っていると、椿が俺から晴香さんを引きはがしてくれた。それを見て、色んな意味で(反応の違いとか、椿の手をわずらわせたりとか)申し訳ないと俺は素直に反省した。

そんな俺達に、晴香さんが手作りの弁当やデザートを差し出してきた。

 おふくろの弁当も美味いが、晴香さんのハンバーグも絶品だ。椿も同感らしく、黙々と食べている。


「あのさ、僕、思ったんだけど」


 そんな俺達が、それぞれ昼飯を平らげたタイミングで晴香さんが口を開いた。


「養護教諭の田神たがみ先生、怪しくないかな?」


 いきなり切り出された内容に、俺は目を丸くした。そんな俺の疑問が顔に出たのか、椿が口を開く。


「黒城と一緒にいたのは、クラスメートも見ているぞ」

「でも、二人が仲良くなったのは……保健室に、盗聴器とかしかけてれば解るよね?」


 唇を尖らせて反論する晴香さんに、俺はハッとした――確かに、晴香さんの言う通りだ。

 だが、椿の考えは少し違うようだった。


「教師では放課後、お前達が校外の公園で話しているのを見るのは無理だ」

「抜け出したのかもしれないだろ? 昨日もいなかったんだよね?」

「あ、うん」


 話を振られて驚いたが、本当のことなので俺は頷いた――だけど。


「だとすると、やっぱり俺が巻き込んだんだよな」


 俺が、黒城さんと話さなければ怖い思いをさせずに済んだ。そう思って落ち込んだ俺に晴香さんがしまった、と言うように口を押さえる。

 晴香さんって、思い込んだら一直線だよな。それはそれで可愛いけど――そう思った俺は、続けられた椿の言葉にハッとした。


「早いか遅いかの違いだと思うぞ……謎の女は、お前の力を狙っているだろうからな」

「…………は?」


 晴香さん以上に唐突な発言に、俺は思わず間の抜けた声を上げた。

 そんな俺の視線の先で、デザートの手作りプリンを食べながら椿が話し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ